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【ONE】1月度・大沢ケンジ勝手にランキング─02─「アギラン・タニ、コイツは凄ぇなって」

Agilan【写真】根性ファイトが絶賛されたアギラン・タニ(C)

2020年1月1日付ONE Championship非公認・大沢ケンジ監修非公式ランキング。

大沢ケンジの独断と偏見と、ONEを盛り上げたい気持ちから作成されているランキング──2020年1月1日付ランキングから、今回はウェルター級と女子アトム級を中心にランク変動について話してもらった。

<大沢ケンジ2020年1月度ONE勝手にランキングPart.01はコチラから>。


──ユン・チャンミンに厳しめの意見の大沢さんですが、バンタム級に続きフェザー級もランク変動なし。そしてライト級は試合が組まれなかったので、続いてランキングに動きが見られたのはウェルター級になります。

【ウェルター級】
C キャムラン・アバソフ(タジキスタン)→
1 ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)→
2 ジェイムス・ナカシマ(米国)→
3 テイラー・マグワイア―(米国)→
4 ルイス・サッポ(ブラジル)→
5 アギラン・タニ(インドネシア)↑
6 岡見勇信(日本)↓
7 コズモ・アレッシャンドリ(ブラジル)→
8 セイジ・ノースカット(米国)→
9 ムハンマド・カラキ(レバノン)→
10 手塚裕之(日本)→

Agilan Thani defeats Dante Schiro「アギランは最高でした。実は事前にダンテ・シーロの映像をチェックして、僕はシーロが勝つと思っていたんです」

──ONE初参戦のシーロはしっかりとレスリングができて強い選手でした。

「アギランが寝技で勝負をすると思わなかったんですが、した。コイツは凄いと思いましたね。スゲェって。秋山さん、岡見との試合で自信をつけたと思います。自分はやっていけるって」

──モナキーMMAで、しっかりと柔術やノーギの基本練習を繰り返していて、技術がしっかりとしていますね。

「マレーシアで練習しているんですよね」

──ハイ。マレーシアは柔術も力をつけていますし、アマチュアのMMA大会がある。そういうことで、これから力をつけてくる可能性が高い国ですね。

「へぇ、だからアギランのような選手がいるんですね。なんといっても心が折れない。ゼバスチャン・カデスタムと戦った時に、まだ迷いが見られたんですよね。戦っている最中に。それでも気持ちは強くて仕掛けていく。そこに粘り強さが加わりましたね。本当に藤井伸樹選手のように、絶対的に諦めないで戦っています。

それと、あのマレーシアのファンの声援ですね。あれだけの応援があると、頑張ることができると思います。それもあって、本人の凄さが秀でている。藤井伸樹選手もそうなんですが、誰でもできることを続けて、諦めずに勝つ。それって素晴らしいことだと思うんです。

皆、できることなんです。でも、こんなに頑張れないよねって。そういうところで勝つ選手、僕は好きなんです。MMAの良いところって、誰もがどこかしらでストロングポイントを見つけることができること。キックボクシングとボクシングではやれる範囲が狭いから、それ自体ができないともう勝てない。そしてセンスのあるヤツは、練習しなくても勝てることもあります。

でもMMAって努力しないと勝てない。強いヤツは努力している。そして、そうでない人間でもストロングポイントを見つけることができる。それが藤井伸樹選手とか、アギランなんですよ。

打撃は全然凄くないし、寝技も目を見張るような技術があるわけじゃない。テイクダウンも特に秀でていない。でも、皆がやれることをだけを並べて行って凄く頑張る。あの試合を見ていると、ファンも次の日から頑張ろうって思えますよね。ホントにアギランは素晴らしかったです」

──そのアギランが、日本大会で敗れた岡見選手を入れ替わったウェルター級でした。ミドル級より上の男子の試合はなかったので、ここからは女子アトム級をお願いします。デニス・ザンボアガがジヒン・ラズワンを破り、ランクインです。

【女子アトム級】
C アンジェラ・リー(米国)→
1 シィォン・ヂィンナン(中国)→
2 山口芽生(日本)→
3 スタンプ・フェアテックス(タイ)→
4 ジーナ・イニオン(フィリピン)→
5モン・ボー(中国)NEW
6 デニス・ザンボアガ(フィリピン)NEW
7 ジヒン・ラズワン(マレーシア)↓
8 プリシラ・ガオール(インドネシア)↓
9 ボズビーナ・アントニヤ(ミャンマー)↓
10 ジェニー・ファン(台湾)↓

Denice Zamboanga「ザンボアガは結構デキましたね。ただラズワンがもうちょっと強いかと思っていたのですが……。女子アトム級は中盤以降は勝ったり負けたりでジャンケンみたいになっていますね」

──相撲の星の取り合いのようです

「ハイ、ゴチャゴチャですよね」

──そんななか11月の試合だったのですが、モン・ボーがアトム級だったので改めてランクインを果たしました。そしていきなりの5位です。

「モン・ボー、強いですよね」

──デビュー戦で、現UFC世界女子ストロー級王者ジャン・ウェイリに勝っている選手です。

(C)ONE

(C)ONE

「そうなんですか!! (笑)。V(山口芽生)との試合が2回ぐらいキャンセルになっている選手ですよね。『コイツ、来たな』って思いました」

──芽生選手は2回もドタキャンがあってので、気持ちは良くないでしょうが……両者の対戦は見てみたいです。

「僕ねぇ、V……きついかと思っています」

──なんで大沢タン、そんなことばっかり言うの……。

「それは山本真由美さんだから(笑)。Vはね、やっぱり打撃という部分と、体格面で厳しい面が色々とあると思うんです。打撃が怖くないから、今のままじゃ……。そこにモン・ボーが来るぞ、と。王者アンジェラとパンダ、V、スタンプまでの4強だと思っていたところに、モン・ボーです。だから5強ですね」

──えっ? なら、なぜジーナ・イニオンの下なのですか?

「あぁ、そうでしたね(笑)。まぁ、初戦ですしね。あんまりドカンと来ても……ということで」

──これで平田樹選手がランク外になってしまいました。

「平田さん、チャンミンじゃないですけど、いっこ強いヤツとやってくれということですね」

──では最後に女子フライ級です。ハイアニ・バストスが新規ランクインです。

【女子ストロー級】
C シィオン・ヂィンナン(中国)→
1 ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)→
2 アンジェラ・リー(米国)→
3 ティファニー・テオ(シンガポール)→
4 三浦彩佳(日本)→
5 ハイアニ・バストス(ブラジル)NEW
6 サマラ・サントス(ブラジル)↓
7 ラウラ・バリン(アルゼンチン)↓

「ハニアニ・バストス……あんまり覚えていないです。でも、まぁ極めて強かった。ストロー級はアトム級と比べると薄味ですね。一番強いのはミッシェル・ニコリニだと思います」

──大沢さんのトークも薄味の女子ストロー級ということで、ではMVPはじめ3賞の方をお願いします。

<この項、続く>

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