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【Special】月刊、青木真也のこの一番:11月─その壱─マスヴィダル✖ネイト「UFCは回っている」

UFC244【写真】BMFのベルトが賭けられ、ザ・ロック=ドウェイン・ジョンソンも登場したマスヴィダル✖ネイト・ディアス (C) Zuffa LLC/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2019年11月の一番、第一弾は2日に行われたUFC244からホルヘ・マスヴィダル✖ネイト・ディアスの一戦を語らおう。


──11月の青木真也が選ぶ、この一番。最初の試合は?

「ホルヘ・マスヴィダル✖ネイト・ディアスですね。マスヴィダルってトップ戦線は入ってきて、大物になっているんだなって。セラーニに勝って、アスクレンにも勝ってウェルター級のトップになっていますよね。戦極でホドリゴ・ダムにやられている選手が、ここまでくるって面白いですね」

──ネイトに関してはどのように思っているのですか。

「ネイトはもう落ちないですね。ちょっと休んで試合をしてもバリューが保たれている。まぁレジェンドっていう表現が良いのか分からないですが、レジェンド感はあります。レジェンド路線でなく、本当のレジェンド。それはマクレガーとの2連戦でそうなれた。勝って、負けてという2試合とも世界が注目していた。そういうビッグマッチをしていると、発言権も出てくるし、知名度も当然挙がってくる」

──ネイトはTUFシーズン5出身ですし、UFCからすると自分たちが育てたファイターという気持ちもあるかもしれないですね。

「とにかく大事にされていますよね。そこはありますよ」

──やはりレジェンドをBellatorに持っていかれたくないでしょうし。

「ハイ。そこは凄く大切な部分ですね。割と出て行ってしまっていますからね。それは歴史を持っていかれるようなものですし。敵味方というのは変かもしれないですが、可愛がられるのか、反目し合うのか。そんな感じまであります。

さんざっぱら良い支払いをしていて、力が落ちてきた選手に条件を厳しくすると文句を言ってベラトールに行ってしまう。ベラトールもそうやって高いファイトマネーを払って首を絞めている気もします。下から育つ選手が、どこまでなのか分からないし。供給源として、ベラトールはまだまだ。そこの説得力、ブランドの価値はやはりUFCです。

プロレスに例えると、新日本にいることがブランド力。MMAではそれがUFCですよね」

──説得力に関してもMMAはUFC以外は、全て欠ける部分はあります。

「ハイ。UFCトップファイターだと、他で戦う時も説得力がありますしね」

──その意味ではネイトとマスヴィダルには説得力があり、MSGで世界戦が組まれなく両者の試合がメインになりました。

「BMFとかいうベルトを無理やり創って……。ただし、そこに背に腹は代えられないという空気感はなくて、キャラ立ちしている2人の試合をさらにお祭りにしようみたいな。それがあるのも強みですよ、UFCの。他でそれをやると、おちゃらけになる。だいたいレジェンド・ファイトって、UFCで戦ってきた人間の特権ですしね。

しかも結果的にTKO、ドクターストップなのがちょうど良いっていう部分も笑っちゃいます。普通はああいう終わり方は『もっと見たい』という風になるのが、『まぁ、これで良いか』という空気があって。あのストップだとネイトも価値が落ちない。良い終わり方になっています。

これが世界タイトルマッチだったら『おい、おい、やらせろよ』ってなるのが、この2人だと──また2年後ぐらいにやっていそうだし」

──しかもマスヴィダルはレジェンド路線ではなく、レジェンドのようなネイトに勝ってなおタイトルにも絡めそうな位置にいます。

「う~ん、チャンピオンシップまで行きますかねぇ……。タイトル戦線で見たいというマッチアップってありますか? 僕はないかなぁ……でも、コビー・コヴィントン✖マスヴィダルは見たいですねぇ。それにマスヴィダルだけだと立たないし、レジェンドとしてはネイトとの再戦限定だから、やはりタイトル戦線に活かす方が良いかと思います。

そういう部分でもUFCは上手く回っていて、商売が成り立っている。それがまた面白いところです」

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