【ONE101】ジャカルタでジョニー・ヌネスと戦う、徳留一樹「この体調ならもうチョイ上を目指せる」
【写真】パン戦の勝で満面の笑みを浮かべた徳留(C)MMAPLANET
25日(金・現地時間)にインドネシアはジャカルタのイストラ・セナヤンでONE101「Dawn of Valor」が開催され、徳留一樹がジョニー・ヌネスと戦う。
5月のエイドリアン・パン戦で1年10カ月振り、そしてONEで初めての勝利を挙げた徳留が、連勝を目指して未知のブラジリアンと戦う。
徳留を大いに成長させた打撃の向上。そして、ぶつかった壁。現状を打破するためにスタイルチェンジを敢行した徳留の当時の心境と、今回の試合についてジャカルタ入りした直後(※取材は21日)に尋ねた。
──ジャカルタに着いたばかりだそうですね。急激に寒くなった東京と比較して、そちらの様子はいかがですか。
「今は夜の7時ぐらいで、それほど暑くはなくて。明日の朝になってどんな感じなのかと」
──ジャカルタは初めてですか。
「初めてです。渋滞が凄くて、バイクが危ないなぁって思いました」
──ジャカルタの渋滞は東南アジアでも最悪かと。会場からホテルも相当に時間が掛るかと思います。
「本当ですかっ!! 頭に入れておくようにします」
──ところで5月のエイドリアン・パン戦で、ONE初勝利を挙げました。
「ようやくですね。久米さんの試合から3連敗していたので、とりあえずホッとしました。まだ続けられる。それ以外は考えられなかったです」
──久米選手とのパンクラスのベルトを賭けた2試合に敗れ、ONEを新天地にした。そしてフェザー級でジャダンバ・ナラントガラグ、クリスチャン・リーに連敗。非常に厳しい時間を過ごしました。
「クリスチャンに負けた時もショックでしたが、久米さんの時のように『辞めよう』とか考えたことはなかったです。そして、スタイルを一から見直すことにしました」
──それが打から組み、テイクダウンという流れで戦いスクランブルからエルボーでTKO勝ちに結びついたのですね。しかし、思い切ったスタイルチェンジでした。
「クリスチャン・リーに敗れたあと、シルバーウルフを辞めたんです。あの試合でも館長(塩田歩パラエストラ八王子代表)と大宮司(進・シルバーウルフ代表)さんにセコンドに就いてもらっていました。でも、どうしても相手のパンチが見えない。そして、金原(正徳)さんなんからも『お前は組みの選手だろう』って昔から言われていて。一度、見直さないとこのままズルズルいってしまうと考えたんです」
──しかし、思い切った決断でしたね。
「クリスチャンに負けた時に、このままじゃいけない……打撃はやめようって金網の中で想ったんです。大宮司さんも『思うようにやった方が良い』と言ってくれました。ただ、パンとの試合にしても左ストレートを当てて眼窩底骨折したようで、大宮司さんに習ってきたパンチが鍵になりました。
今も教えてもらったことは、自分で繰り返し練習していますし、そこを捨てないで僕の強みとミックスして戦うよう意識しています。以前は打撃と組み技が別々だったので」
──その5月の勝利から5カ月空いて、日本大会の2週間後のジャカルタでの試合です。
「あぁ、日本で戦うというのは意識していなかったです。僕はどちらかといえば海外でやりたいと思っているので」
──今回の対戦相手ジェニー・ヌネスは未知ではありますが、TUFベテランでWSOFやBellatorでも勝利している選手です。特にWSOFではオジー・ドゥグルバゴフにスプリットながら判定勝ちしている点は引っ掛かります。
「映像はTUFでの試合でしか残っていなかったのですが、僕としては好きなじゃないタイプです。久米さんのあんまり激しくないバージョンというか……。精度が低い久米さんのような。でも、苦手なタイプですね。そこを前回からのスタイルを変えた今の自分が、どのように戦えるのかは楽しみです。
理想をいえば勢いよく前に出てくると思うので、そこで真っすぐ下がらないこと。打撃でもジャブで突き放して、距離があえば蹴りもいれていきたいです。自分の距離で戦って、相手が下がるようだと組んでいく。組み負けはしない自信があるので、そこでもしっかりと勝負したいですね。背中をつかさせると立たせないよう戦います」
──今回はケージですよね。
「ケージです。キックの試合も多いけど、ケージですね。僕としてはケージの方が良いです。向こうも組んでくるだろうし、押し込まれても壁があるとヒジを打つことができるので」
──前回の試合前に77キロで戦う方が、70キロで戦うよりずっとコンディションが良いと言われていました。
「ハイ。やっぱり普段から飯を我慢しているより、飯を食っている方が全然良いです。今も水を多めに飲んでもほとんど77キロなので」
──水抜きしてリカバリーの時と比較しても、普段から77キロの方が体に良さそうですね。
「ハイ、水抜きに関して僕はそれほど苦しいということはなかったのですが、それでも試合の前々日に体重を一度落とすより、今の方が体調は良いです。ただ水抜きなしで、普段から飯も好きなような食べることができない70キロの試合が一番しんどかったですけど(苦笑)。
同じ77キロでも、落としてリカバリーするよりキープできている方が、パワーもありますね」
──ONEライト級、クリスチャン・リーが徳留選手に勝った後に頂点に立ち、あのダギ・アサラナリエフにも勝利しました。今後をどのように考えていますか。
「う~ん、クリスチャンと戦ってわけが分からない状況で負けて……とにかく強かったです。クリスチャンは初回からマックスで戦えます。そこは参考にさせてもらって、初めて最大の力で戦うよう練習の時から準備するようになりました。
僕自身は残りの契約の間で、良い結果を残し──契約を更新してあと2年は戦いたいですね。この体調で戦えると、もうチョイ上を目指せると思います」