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【Strikeforce】 12/19 王座返上&復活=カン・リーに訊く

(C) MMAPLANET中国武道、散打+レスリングのエキスパートからキック、ロシアの投げあり立ち技格闘技ドラッカ、さらには、K-1 USAでの活躍を経て、MMAに転向。ストライクフォース世界ミドル級王者に君臨したカン・リーだが、全米第2位のMMAプロモーションに成長した同プロの世界王座を返上、11月7日にジェイク・シールズが王座を引き継いだ。

しかし、カン・リーは現役続行を表明しており、12月19日のサンノゼ大会「Evolution」でスコット・スミスとの対戦が決定している。稀代の立ち技スペシャリスト、米国ベトナム社会のヒーローでもある彼に、王座返上&現役続行についてインタビューを行なった。

【写真】UFCミドル級で活躍するアンソニー・ジョンソンを指導するカン・リー。ストライクフォースの世界王者時代には、映画のコマーシャルのためにUFC中継でインタビューを受けたこともある (C) MMAPLANET

――最初にストライクフォース世界ミドル級王座を返上した理由を教えてもらえますか。

「過去2年間、映画への進出が重なり、19カ月も防衛戦を行なっていなかった。今後もさらに3つの映画出演の話がある。プロモーターのスコット・コーカーは僕の試合を望んでくれていたけど、忙しいなか万全の体調ではないのに戦いたくないので返上することにしたんだ。

試合をするなら、しっかりとジムで練習を積む時間が取れる時、それが実は今だから、12月19日のイベントに出場することを決めたんだよ。

チャンピオンには防衛戦を行なう義務があるけど、その約束を果たすことはできない。ただし、スーパーファイトならムービーとの折り合いを見て、戦うことができると思うんだ」


――12月19日に戦えるのであれば、11月7日に防衛戦を行なうこともできたという声もあります。

「来年の予定もあり、中国に渡って、ちょっとした撮影を行なう必要があった。それも10日間ほど向こうに滞在しないといけないものだったから、11月に試合を行うことは事実上、不可能だった。

映画出演と並行して、時間が作れたときに戦うということで、5分×5R戦うコンディションを調整するのは正直、とても難しい。スーパーファイトなら5分×3Rだし、そのままメインイベンターを務めることも可能になり、ストライクフォースの役に立てると思っている。

スコット・コーカーはずっと僕のことを親身になって考えてくれていた。映画出演で忙しいからといって、彼の下を離れて、関係を断つようなことはできない。

可能な限り、ハイレベルの状態で戦い続けたいし、できるだけの戦いをストライクフォースで続けたいと思っている。MMAが大好きだし、マーシャルアーツがあったから、今のカン・リーがあると承知している。と同時に、映画にも情熱を注いでいるし、色々なプロジェクトが進行している最中だから、今回の結論に至ったんだ」

back spin kick01【写真】変幻自在な蹴りを放つカン・リー。トップどころとの対戦は実現するか (C) MMAPLANET

――今もMMAで戦い続けたいと思っているけど、もう世界のベルトがその目的ではないとうことでしょうか。

「チャンピオンだったのに、ファンの存在を考えると、19カ月も防衛戦を行なわないという状況はとても心苦しかった。だから、映画に出演する機会と、MMAで戦うチャンスを得るために王座を返上し、スーパーファイトで戦うことにしたんだ」

――ストライクフォースのミドル級は、ジェイク・シールズという新チャンピオンも決定し、ダン・ヘンダーソン参戦の噂、マット・リンドランド、ジャカレイ・ソウザ、ロビー・ローラー、メイハム・ミラーなど、強豪がぞくそくと集まっています。スコット・スミス戦以降、戦ってみたいという対戦相手はいますか。

「スーパーファイトでも、タイトル防衛戦でも、どれだけ時間が取れるかということなんだ。準備に十分な時間が割けるなら戦う。しっかりと準備ができないなら、ケージの中には入りたくない。このスポーツは安全なことばかりじゃないからね。と同時に、ハイレベルなステージで戦い続けたい。

中国から戻ってきて、試合ができるかスコット・コーカーから尋ねられた時、『2週間、待ってくれ』と返答したんだ。その間、AKAのハビエル・メンデスとトレーニングをして、自分の状態を確かめた。そして、戦うことが可能なコンディションだと判断したから、12月に戦うことにした。つまり、それだけ慎重にならないといけない状況なんだよ」

――今後、どれくらいのペースで、ケージで戦うことになるでしょうか。

「今回のように調整ができるなら、また戦うことになる。でも、例え明日のことでも、将来に関して誰とも約束できる状態ではないんだ。時間ができれば、また必ず戦うとしか言えない……」

――ありがとうございました。

「サンキュー。過去2年、僕が出演した映画を知りたい人は、www.imdb.com/から“Cung Le”でサーチしてもらえると、どんな人々と僕がムービーワールドで仕事をしてきたか分かってもらえると思う」

■Strikeforce Evolution 予定ラインナップ

<Strikeforce世界ライト級統一戦/5分5R>
王者ジョシュ・トムソン(米国)
暫定王者ギルバート・メレンデス(米国)

<ミドル級/5分3R>
カン・リー(米国)
スコット・スミス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ・ソウザ(ブラジル)
マット・リンドランド(米国)

<ミドル級/5分3R>
ロビー・ローラー(米国)
TBA

<ライトヘビー級/5分3R>
キング・モー(米国)
マイク・ホワイトヘッド(米国)

<ウェルター級/5分3R>
エバンゲリスタ・サイボーグ(ブラジル)
TBA

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