【UFC106】グリフィン、オーティズにリベンジ成功
■第10試合 ライトヘビー級/5分3R
フォレスト・グリフィン(米国)
Def.3R終了/判定
ティト・オーティズ(米国)
【写真】グリフィンはリベンジに成功。一方のオーティズは、2006年10月のケン・シャムロック戦での勝利以来、約3年間勝ち星を挙げていない (C) ZUFFA
両者向かい合い、小刻みにジャンプを続け、試合はスタートの時を迎えた。左を繰り出しながら前に出たオーティズが再び左を繰り出したところに、グリフィンは右のローをヒットさせる。左から右を伸ばしたオーティズは、グリフィンの左ミドルをしっかりとブロックする。打撃戦が続くと思われた瞬間、オーティズは低い姿勢でシングルレッグを仕掛け、テイクダウンを奪うことに成功した。
クローズガードのグリフィンにパウンドを落としたオーティズだが、アームロックからリバーサルを許すと下に。すぐに組みつき立ち上がったオーティズに、グリフィンも態勢を入れ換え、オクタゴン中央に戻る。大きく息をついたグリフィンが、左から右を入れると、オーティズもパンチを繰り出すが、さらに右を受けてしまう。
直後のシングルレッグをかわされたオーティズは、左ハイを放つも完全にブロックされる。残り1分を切り、左フックから左ロー、組みついてオーティズをケージに追い込んだグリフィンだったが、初回はそのままタイムアップとなった。
2R、グリフィンの右ローに合わせ、オーティズがシングルレッグでテイクダウン。インサイドからエルボーを落とすが、手首を掴まれ思うように攻めることができない。ガードから両脇をさしたグリフィンは、シングルを狙いながら立ちあがった。
ダブルレッグを失敗したオーティズに、グリフィンの前蹴りが決まり、マウスピースが大きく吹き飛ぶ。左ローから右、さらに左ミドルをヒットさせたグリフィンに対し、オーティズはボディ・クラッチからまたもテイクダウンを奪う。フックガードでリバーサルを試みるグリフィンに、オーティズは鉄槌を落とすが、連打は打てない。
アームロックから、さらにコムロック、バタフライとガードから試合をコントロールしようとするグリフィンだが、オーティズは態勢を起こし左エルボーで流血に追い込む。直後にグリフィンがリバーサルに成功すると、ティトは細かい右パウンドを受けながら2Rを終える。
最終ラウンド、右から左ハイを見せるグリフィンが、続いて放った左ストレートでオーティズはケージに後退する。深追いせず、オクタゴン中央からプレッシャーを掛けるグリフィンは、右ストレートから左ハイと足技を織り交ぜて攻撃を続ける。
手数が少なくなったオーティズは、スタミナを切らしたのかガードが低くなり、動きもスローモーションに。グリフィンは右フックをヒットさせ、左ハイを蹴り込んだがこれは空振りに。それでも前に出てこられないオーティズに、パンチを単打で打ちこんでは中央に歩を戻す。
だが、いきなり踏み込んで、テイクダウンを狙ったオーティズ。それでも、グリフィンは完全に受け止め、突き放す。左ジャブ、右ストレート、さらに左右のフックから右ハイ、突っ込んできたオーティズに右を叩き込むなど、試合は一方的なグリフィンのペースに。
右を打ち込まれ、後ろにさがるオーティズは、パンチを打ちながら組みつこうとしたが、足は完全についてこない。左ハイ、左ロー、右から左ストレート、面白いように打撃を決めるグリフィンは、オーティズのテイクダウンを遮断し、攻撃を続けた。距離をとり、オーティズを突き放してパンチを放つグリフィンに、オーティズは最後の力を振り絞るように前進しフックを連打したが、決定打にはならず試合はタイムアップとなった。
判定は28-29、30-27、29-28で勝者はグリフィンに。「嬉しい、ありがとう、サポートしてくれたみんなに感謝したい。この場に誘ってくれたティトはグレートファイターだ」とコメントした勝者は、解説者のジョー・ローガンと2Rに決めたスイープについて振り返った。
一方、敗者ティトは頭に負傷があったことを告白したが、ここで観客はブーイング。と、グリフィンがマイクを握り、「ブーイングはやめてくれ。ファイターは大変なトレーニングを積んでいるんだ」と観客に訴えかけ、さらに大きな歓声を浴びる。マイクアピールでもティト・オーティズという大物超えを果たしたグリフィンであった。