【UFC106】チアゴ勝利、ヴォルクマンはスタイル見直しを
■第8試合 ウェルター級/5分3R
パウロ・チアゴ(ブラジル)
Def.3R終了/判定
ジェイコブ・ヴォルクマン(米国)
【写真】上下の入れ替わりが激しい一戦はチアゴが勝利。なぜか“クリスマス”というニックネームが付けられたヴォルクマンは、UFCデビューウィンならず (C) ZUFFA
牽制の打撃を出し合う両者。チアゴがヴォルクマンをケージ際に追い込んで、右ハイキックを繰り出す。前に出てきたヴォルクマンをいなしたチアゴは、首相撲の状態から組みつくが、反対にヴォルクマンにケージに押し込まれてしまった。しかし、ここでテイクダウンを奪ったのは押し込まれていたチアゴ。ただし、優勢は長く続かず、サイドこそ取ったものの、すぐにハーフに戻される。ならばとギロチンを狙った際に、ヴォルクマンは立ち上がり形勢を逆転した。
一度はケージ際で倒されそうになったチアゴだったが、立ち上がって反対にテイクダウンを奪うと、直後にマウントを奪取したチアゴに、ヴォルクマンは足を一本入れハーフに戻す。チアゴは自ら距離をとり、ヴォルクマンをスタンド戦に誘うが、打撃戦とはならず組みつかれてケージに押し込まれる。
離れ際に放ったヴォルクマンの左右のフックが不発に終わり、場内からブーイングが起こったが、次の展開では、チアゴの右フックでヴォルクマンが吹っ飛びダウン。ここで1Rがタイムアップとなった。
2R、加速度を上げたチアゴはヴォルクマンのローをキャッチし、豪快に倒す。グラウンドを選択しなかったチアゴ。これが裏目に出て、立ち上がったヴォルクマンにテイクダウンを許した。さらには、立ち上がろうとした際に、バックを許しそうになり、クォーターからパウンドを落とされる。右手をヴォルクマンの両足の間にいれ、バックを許さなかったチアゴは立ち上がり、組みつこうとするヴォルクマンを懸命に突き飛ばした。
ここでシングルレッグを狙ったチアゴだったが、頭を潰されバックを許してしまう。ニアマウントからバックマウントを許したチアゴは、体をロールしてトップを奪い返し、豪快なパウンドを落とす。ヴォルクマンが足をきかせたため、その後はやや攻めあぐねたチアゴだったが、ラウンド終了間際に足を払い豪快なパウンドを落とした。
最終回、右を伸ばしたチアゴ。ヴォルクマンは前に進みながらパンチを放つが、アゴがガラ空きになっており、そこにチアゴの右フックがヒットしてダウン。ダメージよりも引き込んだような形のヴォルクマンは、立ちあがってシングルレッグを仕掛けるが、これも失敗してしまい、自ら引き込んだことで、観客から大ブーイングを受ける。
それでもかまわず、直後にシングルレッグでテイクダウンを奪ったヴォルクマンは、後方からパウンドを落とし、半身のチアゴからパス、サイドを取る。マット・ヒューズ・ポジションから右エルボーを落とすヴォルクマン。腕のロックを外したチアゴが四点ポジションから立ち上がり、逆にトップを奪いパウンドを落としていく。ガードを取ったヴォルクマンはチアゴが頭を下げてくると、その刹那、アナコンダチョークへ。これを外したチアゴはトップを奪い返し、ハーフからパウンドを連打する。
両者、何度も態勢を入れ換え、勝機を伺った一戦は、ここでタイムアップとなり、勝負の行方はジャッジの裁定に委ねられることに。結果は、3-0でチアゴに軍配があがった。打撃で大袈裟に倒れ込んだヴォルクマン、簡単に下になるスタイルでは、今のUFCで判定勝ちを得ることは難しい。