【UFC106】体重問題再燃、コスチェック×ジョンソン
ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターで21日(土・現地時間)に開かれるUFC106「ORTIZ vs GRIFFIN 2」。メインはそのタイトル名が示すようにティト・オーティズとフォレスト・グリフィンが2年半振りに顔を合わせるライトヘビー級戦だが、決定していた対戦カードからカロ・パリシャン×ダスティン・ハザレー戦が、パリシャンの欠場によりキャンセルされることになった。
【写真】ダン・ハーディのチャレンジャー決定に、「そのことについては試合後に話したい。今はこの試合に集中している」と含みのある発言をしているジョシュ・コスチェック (C) MMAPLANET
全11試合が10試合になり、PPVカード4試合、恒例となりつつあるSpikeTVカードが2試合、宇野薫が出場するプレリミナリーが4試合。そんな今大会で、メインと並びプッシュされているのが、ウェルター級のジョシュ・コスチェック×アンソニー・ジョンソンの一戦だ。
10月のUFC104で体重オーバーにより、キャッチウェイト戦となった試合で吉田善行にKO勝ちしたジョンソンがフューチャーされるのは微妙なところ。試合前の話題も7戦のUFCキャリアのうち、2度も計量に失敗している点に集中した。
コスチェックは「ジョンソンが体重を落とさなくても平気だ。190ポンドだろうが、180ポンドだろうが戦うよ。奴のファイトマネーの20%をもらえるんだから戦う。チャック・リデルが『体重を落としていないなら戦うな』って言ってくれたけどね」とチクリ。
この発言に対し、「ラスベガス入りした時点で180ポンド、問題はない。ただ、僕の体重問題を気にして発言するのは分かる。なんせ、これまでに2度も体重を落とさなかったんだから。前回の試合から1カ月で試合をするのは問題ない。ヨシダ戦では全く負傷していないし」というジョンソンは開き直りとも取れるコメントを発している。
ともあれ、この一戦は体重問題だけでなく、ファイトそのものにも興味が持たれている。UFCでは5勝2敗とはいえ、インパクトの強いKO勝ちをしてきたジョンソンと、TUFシーズン1卒業生として、トップ戦線で長く活躍を続けているコスチェック。
マチャド柔術とシュートボクセUSAでMMAのキャリアを始めたジョンソンは、その後、カン・リーの下でトレーニングを積んでいる。忙しい映画出演の合間をぬって、12月19日のストライクフォースの出場をカン・リーが決めたのは、ジョンソンとのトレーニングでグッドシェイプをキープできているからだという。
【写真】カン・リーの下で、間合いの妙を習得しつつあるアンソニー・ジョンソン。体重問題という色眼鏡がなければ、本当に良い選手だ (C) MMAPLANET
バネのある体から繰り出される蹴り、ヒザは、スピードかつ重量感に溢れている。ただし、これまでの2敗では、目の負傷でTKO負けとなったケビン・バーンズ戦はともかく、リッチ・クレメンティにはリアネイキドチョークで敗れており、レスリングと柔術の経験があるものの、寝技に持ち込まれると、どれだけ戦えるのかは不安が残る。
対してコスチェックは、レスリングをベースに打撃&柔術を磨き、試合では打撃+テイクダウンを中心に戦うものの、寝技になってもまだまだ見せていない武器を持っている。ただし、強気に攻めすぎて取りこぼしてしまうという欠点をコスチェックは持っている。
UFC通算戦績12勝4敗、4敗のうちGSPとチアゴ・アウベスは文字通り完敗だったが、残りの2試合は圧倒的に支配し、残り時間僅かになったところでハイキックを受けて敗れたドリュー・フィケット戦、パンチで攻勢に出てフィニッシュの段階になりカウンターを受けてKO負けを喫したパウロ・チアゴ戦と、各下の相手に逆転を許している。
そのアグレッシブなスタイル、フィニッシュを求める性格はそれでも変わらず、「この試合は判定になることはない」と断言したコスチェック。勝負は蓋を開けてみるまで、どのような試合展開になるか予想もつかない。
■UFC106対戦カード
<ライトヘビー級/5分3R>
フォレスト・グリフィン(米国)
ティト・オーティズ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・コスチェック(米国)
アンソニー・ジョンソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
アミール・サダロー(米国)
フィル・バローニ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ルイス・カーン(ブラジル)
アントニオ・ホジェリオ・ノゲイラ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
ベン・サンダース(米国)
マーカス・デイビス(米国)
<ミドル級/5分3R>
ケンドール・グローブ(米国)
ジェイク・ロショルト(米国)
<ウェルター級/5分3R>
パウロ・チアゴ(ブラジル)
ジェイコブ・ヴォルクマン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ブロック・ラーソン(米国)
ブライアン・フォスター(米国)
<ライト級/5分3R>
宇野薫(日本)
ファブリシオ・カモエス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
ジェイソン・デント(米国)
ジョージ・ソティロパロス(豪州)