【ONE94】青木真也に訊く、クリスチャン・リー戦後の青木真也─02─「あと2年半の間にやれることを…」
【写真】青木が語るレジェンド論は、第1戦で戦い続けることへの拘りでもある(C)MMAPLANET
現在発売中のFight &Life Vol.73で盟友・八隅孝平と5月17日のクリスチャン・リー戦における腕十字の攻防を実演&解説している青木真也インタビュー後編。
取材時点では明らかになっていなかった8月2日フィリピン大会の全容、そして10月13日の日本大会の骨子。そのような状況で青木はクリスチャン・リー戦後、さらに今後に対して何を語っていたのか。唯一無二ぶりをここでも醸し出していた。
<青木真也インタビューPart.01はコチラから>
──実際に次の試合はいつぐらいになると考えていますか。
「分からないですが、一つの着地点として日本大会はあると思います。日本大会前だとスケジュール的に8月のバンコク大会とかでやる可能性は当然のようにあると思いますけど。それは正式に話が来てからですね」
──もう10月の日本大会で良くないですか。
「そうですね、それでも年に3試合になるので。ただチャトリが1度イージーな相手を挟んでから、10月にハードな試合をって言ったこともあったので8月に一つ、あるかもしれないですね。それもチャトリのテンションですから。そうは言っていたものが10月にそのまま強い相手とってなることも十分にありえますしね」
──8月に青木選手が試合をすることで、日本大会のプロモーションになるのもビジネスとして有り得ると。
「でも、どうなるか分からないですね。日本大会を100回大会にするとか、9月のヴェトナムがどうなるのか……本当にどうやって選手を捌いていくのか分からない……見えないんですよ。
これは言っちゃって良いのか……僕はもう一周してしまって、金が欲しいとかでなく好きでやっちゃっているから。どこに着地したら良いのか分からない。ただし10月の日本大会も含めて、ONEでやらないといけないことは幾つかは絶対にあって」
──おぉ、それは何になりますか。
「ザイード・フセイン・アサラナリエフであり、ローウェン・タイナネスです。それからエディ・アルバレス(※インタビュー後に8月2日にマニラでエドゥアルド・フォラヤンと対戦することが発表される)。クリスチャンが次にやるのはフィリピン市場も考えて、フォラヤンで良いんじゃないかなって、僕は考えています。
クリスチャン✖フォラヤン……でも、クリスチャンはやらないんじゃないですかね。やらないと思う」
──青木選手のなかで、10月にクリスチャンと再戦はないですか。
「それはプロモーター側にしても、意味はなくないですか」
──シンガポール大会の終了後にマット・ヒュームが通路でそれらしいことを耳打ちしてきたんですよね。
「なんで?」
──それは分からないです。
「へぇ、なんだろうな。クリスチャンはライト級ならフォラヤン、それよりフェザー級でマーチン・ウェンともう1度っていうラインかと思っていたんですけどね。今だったら、クリスチャンとの方が強いんじゃないかと。ただ、ウェンも4月に強くなっていましたしね。今のONEはもう僕にも読めないですね」
──青木選手の試合に関してだと、エディ・アルバレスが3月のままだとレジェンドファイトになってしまいます。そこはエディ・アルバレスが、エディ・アルバレスに戻ってもらわないと。
「うん、それで言うと自分自身ももう1年半とか2年の間にできればダギ(アルサナラエフ)とタイナネスとやっちゃいたいです。これは本気で思っています。
レジェンドファイトは宇野さんが、身をもって事案として僕に教えてくれています。レジェンドファイトになるなら、39歳や40歳からでも行ける。俺だけですかね? そうやって思っているのは?」
──レジェンドファイトは、私のなかではレジェンド同士でないとレジェンドファイトにならないという感覚はあります。だから、3月のエディなら今の青木選手と見たくない。青木選手は現役なので。
「クオリティですよね。レジェンドファイトにはレジェンドファイトの質というものがあるので、それで皆に喜んでもらえるなら僕は39歳や40歳でも十分にできる。如何様にでもできる。だからあと2年、2年半の間にやれることをやらないといけない。そう思っています。ダギとタイナネス、本気でそう想っています。
それを想って……やれるところまでやりたい。よく、何を焦っているのと言われるんですけど……」
──焦りますよね!! そんなの年々……。
「そう肉体的には弱くなっていくんだから。俺には時間がないんだよって」
──そこを通り過ぎると、本当の意味で青木真也の第2のMMAファイター人生が始まると。
「何て言ったら良いのかな……。何て言ったら良いのか……レジェンド文脈でいえば、五味さんとかってずっとレジェンドをやっているじゃないですか。
UFCに出ていた時をレジェンドと表現すると失礼だと思うけど。割とレジェンドをやっているから、アレは芸風として長くできる。失礼な言い方だったら、もう謝ります。でも、ずっとレジェンドやっていますよね」
──いつレジェンドになるのか。それが知らない間になるのか、本人は自覚しているのか。そして周囲は分かっているのか。そういうこともレジェンドのレジェンドたる格付けというものが存在しているのかと。
「やり切ってからですね。全てをやり切ってレジェンド枠に入りたい。それをやった人って、実は日本のMMA界にはいないと思うので」
──第一線で戦いたいと思っていても、そうはいかなくなる。そういう現実があります。
「そこですね。自分の拠り所はそこしか……そこしか、僕にはないのかもしれないです」