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【WJJC2019】ライト級 新時代の旗手ジョーンズレアリーは初日で消え、レプリが4連覇=6度目の頂点に

Light【写真】ブラジリアン柔術新時代の旗手と目されていたリーヴァイ・ジョーンズレアリーは、初日で姿を消すこととなった(C)MMAPLANET

5月30日(木・現地時間)から6月2日(日・現地時間)にかけて、米国カリフォルニア州ロングビーチのカリフォルニア大ロングビーチ校内ピラミッドにて、IBJJF主催のブラジリアン柔術世界選手権が行われた。競技柔術世界一を決定するこのムンジアル・レビュー第11回は4連覇、6度目の世界王座奪取に挑むルーカス・レプリと豪州の新鋭リーヴァイ・ジョーンズレアリーの勝ち上がりが注目されたライト級の模様を振り返りたい。


01今年のヨーロピアンにて、ライト級絶対王者ルーカス・レプリ(アリアンシ)を下したオーストラリア出身の新星、リーヴァイ・ジョーンズレアリー(ユニティ)の活躍が注目された今年のライト級。しかしそのジョーンズレアリーが、2回戦のレオン・タファ・ラーマン(ブラザ)戦で消える大波乱が起きた。

初戦のダニス・ウェンフウ(ジウジツ・フォー・ライフチーム)との50/50ゲームを制したジョーンズレアリーだったが、ラーマン戦では開始早々、ともに引き込みから下のポジションにこだわり、立て続けに3つペナルティをもらってしまう。その後ジョーンズレアリーが上を選択して攻防がはじまるが、終盤ジョーンズレアリーはラーマンのラペルを絡めて掴むオープンガードに捕まり膠着。まさかの4つ目のペナルティを宣告されて両者失格となってしまった。

呆然自失の状態からしばしマットに突っ伏したジョーンズレアリーは、やはり失意のラーマンに慰められ立ち上がったものの、号泣したままマットを去ったのだった。

同ブロックにはもう一人の優勝候補、昨年準優勝のヘナート・カヌート(チェックマット)がエントリーし、初戦で51歳のレジェンド「メガトン」ことウェリントン・ディアス(グレイシー・ウマイタ)と対戦した。試合後にメガトンの柔道投げを少し恐れていたと告白したカヌートは、引き込みスイープからトレアナ・パス。バックから自らのラペルを利用したチョークで追い詰め、最後は腕十字で完勝した。

02カヌートは、2日目初戦となった準々決勝でレプリの同僚にして元世界王者のマイケル・ランギ(アリアンシ)と対戦。

開始早々に滑り込むように座ったカヌートは、そこでランギが引き込むと上のポジションに。これがテイクダウンと判定されて2点を獲得すると、残りの時間ランギの得意のスパイダーガードからの仕掛けを凌いで勝利した。なお敗れた34歳──3度のムンジアル王者ランギは、試合後にマットに黒帯を置いて引退を表明した。

03続く準決勝。カヌートは、一昨年末に黒帯に昇格したグレイシー・バッハ所属のルーカス・ヴァレンチ──同じ96年生まれの新世代だ──とのマッチアップに。

ヴァレンチの柔軟なオープンガードの対処に手こずり、下からのヒザ十字狙いでアドバンテージを献上してしまったカヌートは、最後までそれを挽回できずにまさかの敗戦を喫した。

04もう一つのブロックでは、絶対王者のルーカス・レプリが準々決勝をクローズアウトし、準決勝へ。

セミファイナルまで勝ち上がってきたホドリゴ・フレイタス(ホドリゴ・フレイタス)に対しては、レッグドラッグパスのプレッシャーからバックに付き、弓矢絞めで完勝して6度目の優勝に王手をかけた。

05<ライト級決勝/10分1R>
ルーカス・レプリ(ブラジル)
Def. by 0-0 レフェリー判定3-0
ルーカス・ヴァレンチ(ブラジル)

06試合開始早々引き込んだヴァレンチは、準決勝のカヌート戦同様、柔軟な体を利用してラッソー、スパイダー、デラヒーバといったオープンガードワークを駆使した攻撃を試みる。対するレプリもトップゲームの安定感においては天下一品。立ち姿勢のまま崩れないベースと巧みなヒジの使い方で、絡んでくるヴァレンチの足を着実にさばき無効化してゆく攻防が続いた。

両者譲らぬまま試合は展開していったが、試合が長引くにつれ、常に上半身でプレッシャーをかけてゆくレプリがニースライスの体勢に入りかけ、またヴァレンチの体を二つ折り07にしてパスを狙い、それをヴァレンチが柔軟な体と足を効かせて守る展開が目立ってくる。そのままレプリの盤石のベースが崩されることはなく、最後もレプリの強烈なニースライスによる侵攻を、ヴァレンチが右腕を張り出して懸命に守るなかで試合は終了した。

レフェリー判定は文句なしに3-0でレプリ。ポイントやアドバンテージこそ付かなかったものの、レプリが世界一のトップゲームを見せつけて6度目の世界一を獲得した。

■ライト級リザルト
優勝 ルーカス・レプリ(ブラジル)
準優勝 ルーカス・ヴァレンチ(ブラジル)
3位 ホドリゴ・フレイタス(ブラジル)、ヘナート・カヌート(ブラジル)

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