この星の格闘技を追いかける

躍進UK MMAの象徴ジョン・ハザウェイ インタビュー

2009.11.11

(C) MMAPLANET14日(土・現地時間)英国マンチェスターのイブニングニュース・アリーナで行われるUFC105「COUTURE vs VERA」は、ノーPPVの英国大会ということで、日本ではまだまだ知られていない英国MMAファイターが勢揃いしている。

そんななかでも、アンダーカードで英国勢同士の対戦となるポール・テイラー戦に臨むジョン・ハザウェイは、キャリア12連勝中の期待の新鋭だ。2001年に初めてUFCを観たという新世代、英国を基盤に置くUFCファイターの声をお届けしたい。

【写真】まだあどけなさが残るジョン・ハザウェイ。日本人の意識外のところで英国人ファイターは確実に力をつけている (C) MMAPLANET

Interview by Manabu Takashima

――日本ではほとんど知られてないUK UFCファイターのジョン・ハザウェイ選手です。これまでの戦績は13戦13勝ということですが――。

「12戦12勝だよ。次の試合で13勝になる予定さ(笑)」

――なるほど、失礼しました。ところで、まだ22歳ということですが、いつぐらいにMMAファイターになろうと決心したのですか。

「16歳の時にスカイスポーツで中継されたUFCを始めて見たんだ。BJ・ペンとディン・トーマスの試合が、僕にとって初めてのUFCで、BJが大好きになった。BJとカオル・ウノの試合も見たし、BJ×ジェンス・パルバー戦は、僕は初めて買ったUFCのDVDなんだよ(笑)」


――なるほど、BJ・ペン×ディン・トーマス戦のときには、会場で取材をしていた身にとっては、年齢の差を感じざるを得ないです(笑)。

「2001年にUFCを観るようになり、ラグビーをずっとやっていて体力には自信があったし、ファイターになりたいと思った。ラグビーはチームスポーツだから、個人戦で戦ってみたかったんだ。フットボール? あまり好きじゃない。もっとコンタクトするスポーツが好きだったから、ラグビーをやっていたし、17歳になってMMAを始めたんだ」

――17歳ということは5年前ですか。その頃からロンドン・シュートファイターズで練習を?

「僕はサセックス州のブライトンに住んでいたから、地元のZTファイト・スクールというジムに通うようになった。指導者はソル・ギルバートで、ここのジムに来る1年前までずっと彼とトレーニングをしていた」

――ところで、188センチという長身はウェルター級では群を抜いていますね。

「普段の体重は87キロぐらいだから、10㎏の減量で試合に挑んでいる。18歳にMMAデビューをしたときはウェルター級で戦い、その後は81㎏のキャッチウェイトを経て、それから3~4試合はミドル級で戦っていたんだ。普通にしていれば、ウェルター級で苦もなく戦うことができる体型だったけど、トレーニングを続けるうちに体も大きくなったし、ミドル級に階級を上げた。

でも、UFCで戦いたいって強く思うようになった時、ミドル級では十分に戦えないと思い、そこからまたウェルター級に階級を落とすことにしたんだ。UFCで戦う前はもうウェルター級だったよ」

(C) MMAPLANET【写真】6月のUFC99では、リック・ストーリーに判定勝ち。9月のブライアン・フォスター戦で勝利したストーリーのパフォーマンスを考えると、ハザウェイの実力の片鱗を見ることができる (C) MMAPLANET

――UFCでは2戦2勝ですが、それ以前は英国でキャリアを重ねたのですか。

「ブライトンの街で行なわれていたZTファイト・ナイツという大会からケージ・レイジの育成大会、ケージ・レイジ・コンテンダースで実績を残し、ケージ・レイジ本戦で戦うようになれた。でも、こんなに早くUFCで戦うという夢が現実になるとは、実は期待していなかった。もっと他でキャリアを重ねないといけないと思っていたからね。今もUFCで戦えることを嬉しく思い続けているよ」

――英国の一般の人々は、MMAについてどのような印象を持っているのでしょうか。

「どんどん人気が出ているよ。5年前は誰も感心がなかったけど、今は多くの人がUFCを話題にするようになった。他のマーシャルアーツとは違うポジションを築きつつあるんじゃないかな」

――次回、マンチェスター大会ではポール・テイラーという同じ英国人でも、一段階高いランクで戦っていたファイターが対戦相手になります。

「僕のキャリアのなかでも、とても大切な試合になるね。ポール・テイラーは既にUFCの英国大会に定着しているし、この試合で勝利できれば、大きなステップアップになると思う」

Hathaway in LondonSFgym(C) MMAPLANET【写真】英国MMA界の老舗ジム、ロンドン・シュートファイターズ・ジムで、ヘッドギアをつけてパウンド有りのスパーリングに挑む。同ジムにはDREAMウェルター級王者でストライクフォースと契約を果たしたマリウス・ザロムスキーも在籍している (C) MMAPLANET

――英国人ファイターの数こそ目立つUFCですが、その多くが英国大会、あるいは欧州大会限定で、米国での試合機会を与えられているファイターは限られている現状についてどのように思っていますか。

「米国大会に出場するのは、もう一つの僕の夢なんだ。これまでアイルランドとドイツで試合をしたけど、やはりそれはヨーロッパ要員、だからここで頑張って米国で試合ができるようになりたい」

――UFCはタレントの宝庫です。ただし、その頂点は一つ世界王座だけ。本格的に世界がマーケットになれば、欧州選手権のようなステップアップ・タイトルも必要になってくるのではないでしょうか。

「世界のベルトまでは、本当に長い道のりだからね、もしヨーロピアン・タイトルがあれば良いモチベーションにはなるだろう。世界戦に辿りつくには、誰もが2年ぐらいは必要になる。僕とGSPの間にある実力差を数年掛けて埋めていき、一度は世界戦を経験してみたい。そのためにもポール・テイラー戦は重要だし、これからもUFCに与えられた選手に勝つためにジムでハードトレーニングをこなしていくだけだよ。少しでも多く、強い選手と戦い続けることができれば、僕はそれで幸せになれるからね」

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