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【ONE92】1年7カ月ぶりの実戦復帰&ONE初陣へ、高橋遼伍「世界中のフェザー級のヤツに負けない」

Ryogo Takahashi【写真】自信と不安、そして高い志を持つ高橋 (C)MMAPLANET

3日(金・現地時間)にインドネシアはジャカルタのイストラ・ゲロラ・プン・カルノで開催されるONE92「For Honor」で、高橋遼伍がケアヌ・スッバと2017年10月の青井人戦以来となる復帰戦と戦う。

修斗環太平洋王座を防衛し、国外に目を向けていた高橋は実際にPFLと契約を結ぶところまで話は出来上がっていた。しかし、思わぬ落とし穴が彼を待っており、長期欠場を強いられた。

その間、ONEで戦う意志を固めた高橋だが──常に北米と伍するつもりでいることを明言する。そして、対戦相手のスッバを65点の選手と言い切った。


──2017年10月に青井人選手に勝った時点で、高橋選手はキャリアアップをどのように考えていたのでしょうか。

「海外です。年が明けてPFLと契約を交わしたぐらいの時に骨髄炎になってしまい、断念せざるを得なくなってしまいました。いきなり太腿が痛くなり歩けなくなったんです」

──そんなタイミングだったのですね。

「ハイ。病院に行ったら太腿の筋肉の間に膿が溜まっていると言われ、その日に入院をして手術をしました。でも治りきらず、膿が骨の中にまであるということだったので専門の病院へ行き、また手術をして骨の中から膿を取り出しました。

それから1カ月ぐらいは点滴を打つ必要があり、退院してから練習を再開したんです。それで大学のレスリングの練習に行った時に……」

──田中路教選手に足を折られたと。

「そういうことです(笑)。いや、本当にスパーリングでも何でもなく、技の確認をしていた時に転びそうになったので踏ん張ったんです。そうしたら、バキバキバキって大腿骨が折れてしまって」

──想像するだけで恐ろしいです。

「骨髄炎を治療するのに、骨に穴を開けて洗浄をしたので骨の強度が落ちていてしまって。それでバリバリバリと」

──それは長期欠場になってしまいますね。

「ハイ。6月に手術をし、太腿にプレートを入れてました。それを抜いたのが12月です」

──その間、トレーニングは?

「少し上半身の筋トレをしただけです。でも、あまり体は小さくならなかったです(苦笑)。ただ、悶々とはしていましたね。その治療している時に……ケガが治ってから良いので、日本大会に出てほしいという話をONEからもらっていたんです。

ケガ前は米国で戦うことを第一に考えていました。それが入院したり休んでいる間に色々な人に助けてもらい、励ましてもらって……米国で試合をするとその人たちに試合を見てもらえないという気持ちが出てきたんです。だから日本大会のあるONEで戦おうと決めました。でも1月になって、3月には間に合わないことが自覚できました」

──12月にプレートを抜いたばかりで、それは難しいですよね。ただ、今回の試合にしても日本大会からほぼ1カ月後です。万全なのかはやはり気になるところです。

「日本大会が無理になったので、焦らずにゆっくりしようと思い、そのまま過ごしていたので練習を再開したのは3月になってからでした。で、4月の2週目にオファーがあり、そこで正式に契約をした感じです」

──それだけブランクがあり、準備期間は3週間で!!

「ハイ。ONEは日本人選手の数が凄く増えたじゃないですか?」

──ハイ、本当に多くなりました。

「そうしたら、これからは契約することが難しくなるっていう話も伝わってきたので、やるしかないって。突貫工事で試合で戦えるスタミナを作るしかないと腹を決めました」

──対戦相手はマレーシア人のケアヌ・スッバです。どのような選手でしょうか。

「全部が65点です(笑)」

──それは……誉め言葉ではないですね。

「まぁ、普通にやれば負けないです。アジアで負けていられないですから」

──ラカイ勢やオンラ・ンサン、フェザー級王者マーチン・ウェンを見て、なおそのように思えるわけですか。

「もちろんスッバと戦うことに関して、油断はしてないです。一切、舐めていない。でも、65点の選手は65点の選手です。その一方で、試合から遠ざかっているのでいくら練習で動けても、どうなるのか自分でも分からないという部分はあります。

だから対戦相手とかでなく、短時間で試合ができるコンディションを作ることに不安がありましたし、実戦の勘という部分もそうです。実際に戦ってみないことには、本当に分からないです。自分では動けていると思っても、それは試合を見てもらって他の人にどういう風に見えるのか。それを聞かないと、自分では分からないと思います」

──ONEで戦う他の日本人選手の存在は気にならないですか。

「中原(由貴)選手、山田(哲也)選手、(松嶋)こよみもいますよね。自信はあります。パフォーマンスに関しては。だから多分、大丈夫やと思います」

──では、次の試合に向けてあの一言をぜひ。

「ローは蹴りますよ」

──アレ……。

「ローは蹴ります。でも、米国に向けてという想いを今も持ち続けているので、組み……レスリングでも圧倒したいですね。ローキックだけでは限界がありますから。これからONEで戦っていきますが、僕としては世界中のフェザー級のヤツに負けないつもりで戦っていきます。

ONEの勢いもあり、ウェンとか以前と比較ならないほど強くなっています。でも、その彼に勝たないといけない。ベルトを獲らないといけない。と同時にウェンに勝っても、マックス・ホロウェイに勝てないと意味がないです。UFCが世界最高峰と言われている以上、ONEと契約して勝ち続けても、そこから目を逸らすことは良くない。やっぱり強さを求めてやっているので」

──そこまで高橋選手が言われるのであれば、65点のスッバにはしっかりと勝ってもらわないといけないです。

「そうですね。志は高くて、試合内容がついてこなかったから夢見がち野郎で終わってしまいますからね。だからスッバとの試合は解体ショーにします!! 順序良く、バラします」

■ONE92対戦カード

<Super Seriesムエタイ・世界フライ級選手権試合勝/3分5R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジョナサン・ハガディ(英国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
岡見勇信(日本)
キャムラン・アバソフ(キルギス)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
山田哲也(日本)
マラット・ガフロフ(ロシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ヨードパノムルン・ジットムアンノン(タイ)
テイラー・ハードキャッスル(豪州)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
プリシーラ・ガオール(インドネシア)
ノウ・スレイ・ポブ(カンボジア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
タン・リー(米国)
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
キム・デフォン(韓国)
アイディン・ジュマイ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
高橋遼伍(日本)
ケアヌ・スッバ(マレーシア)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ポール・ルミヒ(インドネシア)
スノト(インドネシア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
山田健太(日本)
ディヴィダス・ダニラ(リトアニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ルーディ・アグスティアン(インドネシア)
チャン・ロタナ(カンボジア)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アンドリュー・ミラー(英国)
モハマド・ビン・マフムード(マレーシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アドリアン・マテイス(インドネシア)
ヒマンシュ・コシィック(インド)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
グントゥール(インドネシア)
アンジェロ・ビモアジ(インドネシア)

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