【Bellator220】GP準々決勝=世界ウェルター級戦、ロリ・マク✖フィッチ。マクファーレンは3度目の防衛戦
【写真】マクドナルド✖フィッチ、トーナメント準々決勝でベルトが賭けられた一戦が組まれた(C)BELLATOR
27日(土・現地時間)、カリフォルニア州サンノゼのSAPセンターでBellator220「MacDonald vs Fitch」が開催され、メインはウェルター級ワールドGP準々決勝を兼ねたBellator世界ウェルター級選手権試合=王者ローリー・マクドナルド✖ジョン・フィッチ戦が組まれている。
シングルマッチの積み重ねがMMAというスポーツの根底にあるなか、昨今はトーナメント=グランプリ形式という伝わりやすいフォーマットをUFCに続くプロモーションが取り入れるケースが増えている。ベラトールもヘビー級に続き、ウェルター級、さらにフェザー級でGPが行われることが決まっている。
そんなGP形式にあっても現チャンピオンが出場し、トーナメント戦が世界戦を兼ねるというケースは前例がないものだ。実際、ベラトール・ヘビー級ワールドGPは王座決定戦を兼ねた決勝戦のみが5分✖5Rで、他の試合は5分✖3R制が採用されていた。ただしウェルター級ワールドGPでは、王者の試合のみ5Rになると公平性を欠くこともあり、トーナメント全戦で5分✖5R制が敷かれている。
世界の頂点を争う試合がトーナメント準々決勝で組まれるのは、現状のMMAにあっても非常に稀なケースといえる。そして、トーナメント準々決勝最終戦ではベラトールという戦場を得て円熟期を迎えようとしている王者マクドナルドに、早いもので41歳になったフィッチに挑戦する。テイクダウン&スクランブル、バックコントロールというMMAグラップリングの王道を構築したフィッチにとって、今回のトーナメントが恐らくは最後の大舞台といえよう。
昨年9月にミドル級王者ゲガール・ムサシに挑戦して大敗を喫したマクドナルドに対し、約11カ月振りの実戦となるフィッチが、如何に組みの形に持ち込み、テイクダウンを決めることができるのか──そこが全てといっても過言でない一戦となる。よって前進=テイクダウン狙いというフィッチをマクドナルドが、如何に遮断するかが見どころだ。マクドナルドとしては左ジャブと右ロー、この2つで削ることは絶対だろう。
同時にマクドナルドは組まれた際のケージの利用方法に加え、背中をマットつかされた際は5Rという長丁場を考慮してガードに収まるのか、それともバックを譲るリスクを犯しても立ち上がるのかも大きな焦点になってくるだろう。25分間の戦いだけに、1度や2度はフィッチの形になる時間が必ず訪れる。その時のマクドナルドの対処の仕方が、非常に興味深い世界ウェルター級選手権試合となる。
今大会でもう一つ組まれた世界戦は、女子フライ級王者イリマレイ・マクファーレンがヴィータ・アルテガを相手に3度目の防衛戦を迎える。
バンタム級で戦っていたこともあり、フィジカル的にはアルテガが上回るが、固い打撃から組んでテイクダウン勝負を仕掛けるスタイルでは、その目的を果たしたところでチャンピオンの庭といえるグラウンドに局面が移る。
寝技の完成度の違いは圧倒的なうえに、テイクダウンゲームにしても、打撃にしてもタイミングという部分でマクファーレンがアルテガを大きく上回っている。キャリア5勝2敗のチャレンジャーはどこまで体力で押し、スタミナが切れないように戦えるのかが、タイトル奪取に掛ってくる。
■ Bellator220対戦カード
<Bellator世界ウェルター級選手権試合&ワールドGP準々決勝/5分5R>
[王者]ローリー・マクドナルド(カナダ)
[挑戦者]ジョン・フィッチ(米国)
<Bellator世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者]イリマレイ・マクファーレン(米国)
[挑戦者] ヴィータ・アルテガ(米国)
<ライト級/5分3R>
ベンソン・ヘンダーソン(米国)
アダム・ピコロッティ(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
フィル・デイヴィス(米国)
リアム・マクゲリー(英国)
<フェザー級/5分3R>
ガストン・ボラノス(ペルー)
ネイサン・ストーレン(米国)