【Special】挑戦、Evolve MMAトライアウト─01─柴田モンキー有哉「青信号なんやから前に進むだけです」
【写真】当然、当たり前──という言葉を何度も口にした柴田(C)KAORI SUGAWARA
8月29日(水・現地時間)、Evolve MMAが発表したトライアウトがついに9日(金・同)からシンガポールで始まる。
イヴォルブMMAでは、15日までのトライアウトで合格したファイターは3年契約で年俸48000ドル(約530万円)、住居の提供、マネージメントによるキャリアップとスポンサーの獲得のサポートを受け、イヴォルブMMAでのトーニングが約束される。
書類審査を通った70名のファイターから、20名という枠に残るのは誰になるのか。MMAPLANETでは日本から参加するファイターの意気込みをトライアウト開始までお伝えする。
Evolve MMAトライアウト・チャレンジ企画、第1弾は柴田MONKEY有哉の意気込みをお届けしたい。
──柴田選手は10月8日のDEEP大阪大会に出場し、鮎田直人選手に2RTKO勝ち、その時からKids MMAチーム絆所属として戦っていましたね。
「もともと子供だけのチームを4年ぐらい前からやっていて。それはSTYLEに所属している時から、子供の指導とは別で選手活動をしていたんです。
8月ぐらいからBLOWSを離れて、スパーリングはパラエストラやパラエストラ東大阪、コブラ会、そしてスタイルでやらせてもらい、僕が教えているところにも大人が少しいて、そこでは打ち込みをやってこの間の試合には備えました」
──4月には越智晴雄選手の持つDEEPストロー級王座に挑戦し判定負け、そして10月の試合ではフライ級に戻しました。
「もともと1回切りのつもりだったんです。一発目で挑戦させてくれるということだったので、ホントは1試合挟んでという予定だったのが、あの試合に照準を合わせた感じで。チャンピオンになってフライ級に戻るつもりでした」
──ストロー級の体を創るのは大変でしたか。
「正直、メチャクチャしんどかったです。楽な減量方法とかあるかもしれないですけど、栄養士さんについてもらってやったのですが、しんどかったですね」
──なるほど。今回、イヴォルブMMAのトライアウトを受ける……つまり書類審査に通ったわけですが、これは10月の試合前に申し込んでいたのですか。
「いえ、試合が終わってから知人に『これ、知ってるか?』って教えてもらって。これは受けるしかないって思い、自分で映像を創って英会話ができる友人に連絡をしてもらいました。で、書類審査が通ったという連絡を受けたのは10日とか、2週間前でした(※取材は11月1日)」
──どの部分に引かれ、すぐに受けようと思ったのでしょうか。
「選手にとって何も悪いコトがないです。環境に満足できていなく、強くなりたい人間やったら、誰でも応募するんちゃうんかなって。当たり前じゃないですかね。
基本ですよね。僕は大阪で強くなりたいというのがあって、仕事をしたこともあったけど、それでは上にいけない。だから自分でチームを持って、少ない時間で生活費を得て練習に集中できるようにしてきたので……だから、このトライアウトに出るのは当たり前ですよ」
──トライアウトでどのようなことをするのが、もうご存じなのですか。
「分かってないです。でも何を求められても、対応していくだけです」
──合格すれば、シンガポールに住居を与えられるということですが。
「それはもう合格してからの話ですが、自分にはチームもあるので、子供達を蔑ろにできないという気持ちでいます。とにかく今は合格すること、そこに集中しています」
──ではイヴォルブMMA所属となった場合、どのようなキャリアアップを考えていますか。
「それも合格してからの話なんですけど……」
──そうですよね(笑)。
「僕は可能であればDEEPでしっかりとベルトが獲りたいです。DEEPには恩もあるし、ステップアップするうえでDEEPのベルトを獲っておきたいんです」
──ある意味、格闘家人生の分岐点となるトライアウトです。
「元を正せば、強くなりたくて格闘技を始めたんで。そこを追及するのは、さっきも言いましたけど当たり前で。自分が理想としていたモノが一気に手に入るチャンスで。このチャンスを逃すと、もうこんな機会はないと思うんです。
リスクなんて考えることもなく、自分が望んだモノが手に入るんやから、深く考えることもなく青信号なんやから、ちょっと左右見て前に進むだけです」
──トライアウトではどのようなアピールをしたいですか。
「失敗を恐れず、試合のように勝ちにいくのでもなくて、自分の持っているモノを全て出し切ります」