【HEAT43】ペレイラと変則タイトル戦へ。バットムンク「モンゴル人の心の強さはチンギス・ハスの遺伝子」
【写真】ジャダンバもそうだが、バットムンクも本当に朴訥としている (C)MMAPLAET
17日(月・祝)に愛知県刈谷市の刈谷市産業振興センターあいおいホールで開催されるHEAT43で、ミシェウ・ペレイラとHEATウェルター級王座決定戦を戦うレンゾリク・バットムンク。
Special Thanks to Mr.Junichi Arai
ペレイラと同様に一度目の計量で体重オーバーだったバットムンクは、再計量でパスし明日のタイトル戦に挑む。韓国在住のモンゴリアンは、同地のAngel’s FightでHEATライト級王者オク・レユンに勝利している。
HEATをフォローしているファンにとっては、待望の来日となったパットムンク──ペレイラの計量ミスで変則タイトル戦となった状況やこれまでのキャリアについて尋ねた。
──最初の計量でミスをし、再計量でパスできました。
「2回目でパスできたのでホッとしています」
──対してペレイラは体重を落とすことができなかったです。
「再計量でも落とせていないことに関して……そうですね。明日、私が勝てばチャンピオンになれるということですが、やはりチャンピオンシップなので同じ条件で戦いたかったです」
──明日、ペレイラはかなり大きくなることが予想されます。
「彼はミドル級でもチャンピオンになったことがあると聞いています。だからこそ、先ほども言いましたが同じ条件で戦いたかったという気持ちが大きいです。体重を落とせなかったのだから、イエローカードの提示から試合がスタートするということはないのでしょうか」
──ROAD FC流というやつですね。そこは確認する必要がありますが、変則タイトルマッチになった場合はあまり採り入れられない方法かと思います。
「そうですか……。とにかく、試合を戦うので全力を尽くします」
──ペレイラのあの宙返りやケージを蹴って戦うスタイルをどのように思っていますか。
「試合のビデオを見ましたし、コーチとも戦略をたててきました。あのような攻撃に対しては距離を取っておけば問題ないかと思います」
──バットムンク選手はパンチ力の強さが印象強いですが、ベースとなっている格闘技は何だったのでしょうか。
「最初に習った格闘技は極真空手でした。ただし、極真の試合はあまりしたことがなく、忍ツグトアマラがモンゴルで開いたインペリアルという色々なルールを用いた大会で一度、極真ルールで戦ったことがあります。あと日本で佐藤塾のポイント& KO空手のルールの試合に出たことがあります。ただ、それからはキックボクシングの試合に6年ほど出ていました」
──MMAに転じたのは?
「モンゴル軍にいたときに、ガルダンというロシアの格闘術の訓練がありました」
──ガルダン?
「ハイ。道着を着て、面や防具をしているのですがMMAのようなルールで戦うモノでした。ガルダンの練習をして、試合で戦うことでMMAもできるのはないかと思ったんです」
──今は韓国をベースにしています。
「韓国に住んで、もう2年以上になります。妻が韓国で勉強をしており、彼女についていった形です」
──韓国在住のモンゴル人ファイターといえば、ムングントスズ・ナンディンエルデン選手も有名です。
「実はナンディンエルデンとは2006年のキックボクサー時代にトーナメントで戦ったことがあったのですが、今では良き友人で練習仲間です。同じジムに所属しています」
──ちなみにキックでの試合、結果は……。
「私が勝ってチャンピオンになりました」
──昨年、Angel’s Fightでオク・レユンに勝って以来、バットムンク選手は日本のコアファンが注目していました。あの試合以降、エンジェルズ・ファイトで試合をしていないですし、ロードFCでも100万ドル・ライト級トーナメントに欠場して以来、試合が組まれていません。
「日本で注目されることは嬉しいです。ありがとうございます。試合に関してはロードFCでは、トーナメント前にモンゴルで練習している時に肩を負傷し、またそこをやってからチャンスが回ってきていない状態です。エンジェルズ・ファイトからは2度ほどオファーがありました。詳しい理由は話せないですが、そのオファーを断ったんです」
──オク・レユン選手はHEATのライト級チャンピオンです。HEAT彼で彼とバットムンク選手に、日本のライト級選手が絡むのも非常に興味深いです。
「オク・レユンがHEATのチャンピオンだとは知らなかったです。それほど減量をしたくない、動きやすい体重で試合をしたいというのはあります。今回は急なオファーで体重が82キロあったので、ウェルター級はちょうど良かったです。ただ、準備の時間を1カ月くらい貰えるならライト級でも試合をしていきます」
──明日のHEATでの試合を経て、どのようなキャリアの積み方を考えていますか。
「特に考えていません。韓国に戻って、好きなMMAの練習をしようと思っています。オファーが来れば、また考えます」
──明日、どのようなところをファンに見てほしいですか。
「具体的な技術とかではなく、モンゴル人の我慢強さを見てほしいです。その我慢強さで明日は絶対にチャンピオンになります」
──同胞のジャダンバ・ナラントンガラグ選手もそうですが、モンゴル人選手は本当に心が強いです。なぜ、あのような強い精神力を持てるのでしょうか。
「モンゴル人の強さ、心の強さ、怖がらない、勇気を持って戦う……こういう強さはモンゴルの厳しい気候で育まれたモノではないかと思っています。そしてチンギス・ハンの遺伝子です」
──なるほどっ!! 今日は試合前にありがとうございました。
「こちらこそ、ありがとうございます。最後に一つ良いですか?」
──もちろんです。
「今回、私がHEATで戦うことができるのはロードFCが推薦してくれたからです。このチャンスを与えてくれたロードFCに感謝しています」
■HEAT43計量結果
<HEAT総合ウェルター級王座決定戦/5分5R>
ミシェウ・ペレイラ: 78.0キロ
ブレンゾリク・バットムンク: 77.4キロ→77.0キロ
<キック・スーパーヘビー級/3分3R>
マイティ・モー: 131.0キロ
楠ジャイロ: 116.0キロ
<HEAT総合バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]キム・ミョンギュ: 61.2キロ
[挑戦者]春日井たけし: 61.1キロ
<キック・ミドル級トーナメント決勝/3分3R>
TBA
TBA
<HEAT総合ヘビー級王座決定戦/5分5R>
イ・サンス: 115.6キロ
カルリ・ギブレイン: 114.2キロ
<HEAT総合ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
チョン・ダウン: 92.7キロ
中島佑斗: 91.9キロ
<キック73キロ契約/3分3R>
ダニロ・ザノリニ: 73.2キロ
ゴ・ウヨン: 72.4キロ
<キック57キロ契約/3分3R>
鈴木万李弥: 57.0キロ
ジョイス・リッチャー: 56.8キロ
<キック・ライト級/3分3R>
ヘンリー・セーハス: 60.2キロ
安川侑己: 59.9キロ
<キック・ミドル級トーナメント1回戦/3分3R>
デイヴィッド・スリータ: 69.0キロ
ブルーノ・ガザーニ: 69.7キロ
<キック・ミドル級トーナメント1回戦/3分3R>
ヒマラヤン・チーター: 70.0キロ
裕平: 69.8キロ