【UFN133】ダウンを奪ったスコッギンスだが、距離のコントロールがマイナスに働きサイドに敗れる
<フライ級/5分3R>
サイド・ヌルマゴメドフ(ロシア)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ジャスティン・スコッギンス(米国)
左ハイ、サイドキックを繰り出すスコッギンス。さらに右ハイを狙う。長身のサイドはローから前蹴り、そしてヒザへのサイドキックを見せる。スコッギンスは後ろ回し蹴り、サイドが飛びヒザと遠い距離で試合が続く。
距離が近づくとサイドがスピニングバックフィスト。バランスを崩したサイドにスコッギンスがパンチを入れるが、すぐに距離が戻る。その遠いレンジからダブルレッグで組み付いたサイドだが、ケージに押し込むまででテイクダウンを奪えなかった。残り90秒、後ろ回し蹴りに組んだサイドがバックに回り、胸を合わせて来たスコッギンスに投げを打つ。スコッギンスはスクランブルから間合いを取り直し、左ストレート。サイドは右オーバーハンドを当てて距離を詰めるようになったところで、初回が終わった。
2R、左ストレートを当てたスコッギンスは、距離を詰めて組んできたサイドをすかす。引き続き前に出て来るサイドにスコッギンスは左フックを当て、ヒザをマットにつかせる。すぐに立ち上がったサイドは、ローシングルに出るがスコッギンスが切る。ダウンが効いたか、踏み込みの勢いが落ちたサイドは、振りの大きなパンチで前に出る。
スコッギンスはカウンターでなく、避ける方向で試合を進めるため、ダウンを取ったとはいえリアクションファイトが続くとジャッジはそれほど評価しない可能性もある。残り70秒で組んだサイドは、テイクダウンもバックテイクにも失敗する。スコッギンスは右サイドキックを顔面に届かせ、右ハイを狙うなどロングレンジの維持を果たした。
最終回、開始直後にダブルレッグを決めたサイドが初めてトップを奪取する。クローズドのスコッギンスが頭を引き寄せて、大きなパンチを受けないようコントロールする。頭を抜いたサイドだが、何とレフェリーがブレイクを命じる。
米国人ファイターが救われる場面にも関わらず、ブーイングが起こったブレイクを経て試合がスタンドに戻ると、スコッギンスはサイドキック、後ろ回し蹴りを繰り出す。サイドの右オーバーハンドからシングルを狙う。余裕をもって防いだスコッギンスは、サイドキックをボディに当てサークリングへ。サイドは距離を詰めることができないままタイムアップを迎えた。
2Rはスコッギンス、最終回は見過ぎておりサイドか。初回の遠距離ファイトがどのように判断されるか──結果はスプリットでサイドに軍配が上がった。スコッギンスは距離を取り過ぎたか。スコッギンスの蹴りが、ジャブだったら勝利は彼が手にしていたかもしれない。それが北米MMAだ。