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【ONE】バンコク大会のメインでWBC世界スーパーフライ級王者シーサケット・ソー・ルンヴィサイが戦う!!

Srisaket Sor Rungvisai【写真】10月6日、ONEのリングに上がるWBC世界スーパーフライ級王者シーサケット・ソー・ルンヴィサイ(C)ONE

9日(月)、ONE ChampionshipがタイはバンコクのWホテルで10月6日(土)にインパクト・アリーナで開催する「Kingdom of Heroes」の記者会見を行い、同大会に出場することが決まった現WBCスーパーフライ級王者シーサケット・ソー・ルンヴィサイらが出席した。


Super Seriesのランチにより、MMAを一つの競技スタイルとしムエタイやキックボクシングと並行マッチメイクするようになったONEが、さらにその世界観を一歩進めた。日本や米国を例に見るまでもなく、ボクシングはコンバットスポーツ界の雄として、揺るぎない地位を世界に築いてきた。

もちろん現役の世界チャンピオンがMMAのリングで戦うことなど過去に例はなく、昨年8月にフロイド・メイウェザーが、コナー・マクレガーと戦った場合もボクシングファンの反発は大きく、ボクシングがMMAに対して優位な立場にあることは絶対的であった。

チャトリ・シットヨートンCEOとシーサケット・ソー・ルンヴィサイ、そしてティエンチェイ・ピシットチナン(C)ONE

チャトリ・シットヨートンCEOとシーサケット・ソー・ルンヴィサイ、そしてティエンチェイ・ピシットチナン(C)ONE

今回、ONEのリングにシーサケット・ソー・ルンヴィサイが出場するのは、ラジャ3階級制覇からボクシング4戦目でWBA世界バンタム級王者となったタイの英雄ウィラポン・ナコンルアンプロモーションを育て上げたティエンチェイ・ピシットチナン率いるナコルアン・プロモーションズと共同開催で同大会を行い、この一戦がWBCの認可を受けることになったから。

東南アジア全域でMMAを普及させてきたONEだが、チャトリ・シットヨートンCEO&チェアマンの出身地タイでは、観客動員という部分で苦戦を強いられていたのも事実。そこで8月に予定されていた大会を延期し、今回の仕掛けの交渉を水面下で進めてきた。今日の会見にはシーサケット・ソー・ルンヴィサイ、ティエンチェイ・ピシットチナンの両者だけなくラジャダムナン・スタジアムのプロモーターまで出席しており、これはチャトリがONEを根付かせるためにボクシングとムエタイの中枢にまで、影響力を持つようになった表われかもしれない。

そのチャトリは会見で「この惑星で最も偉大なマーシャルアーチストがONEで戦うことを光栄に思う。これはONEが他のプロモーションと一線を画していることを示している。10月、タイではボクシング、MMA、ムエタイの最高のタレントが集結する。我々はアジアで最大のカルチャーであり、宝を一つの屋根の下で一体化するんだ」と話した。

ティエンチェイ・ピシットチナンは「今回のONEとの共催は、ボクシング界のレガシーの名を世界に知らしめることになる。MMAファイターとボクサーにはそれぞれの有り方が存在するが、世界チャンピオンになるという同じ夢を持っている。ONEは世界のファイターの夢をかなえるビジョンを持ち、我々と協力しあえることを嬉しく思っている」と話した。

肝心のシーサケット・ソー・ルンヴィサイは「この歴史的な大会に参加できることを幸せに思う。今年の3月にONEのバンコク大会を観戦したけど、そのファイトとエンターテイメントの合体に心が揺れた。世界的な大会で僕と同じように、他のアスリートにもその力を試せる舞台を作るために協力してくれた全ての人々に感謝している。これは新たな挑戦、そして僕はチャレンジが好きなんだ。ONEでWBC世界王座の防衛できることを楽しみにしている」とコメントしている。

今大会を日本に置き換えると、MMAプロモーションが帝拳プロオーションと共同イベントを開き、村田諒太がメインで戦う──ようなものだ。そのようなことは決して起こり得ないわけで、ビジネスとしてONEは高い壁を乗り越えたことになる。ONEのタイでの浸透とMMAの普及が同時進行となれば、万々歳であるが……。10月6日──これ以上ない大きな花火が打ち上げられることは確かだ。

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