【UFN129】チリ大会のメインはデミアン・マイア×新ジョン・フィッチことカマル・ウスマン
【写真】UFC7勝0敗、通算12勝1敗のカマル・ウスマン。TitanFCでは解説者を務めている (C) MMAPLANET
19日(土・現地時間)、UFCにとって初のチリ大会となるUFC Fight Night129「Maia vs Usman」が、首都サンチアゴのモビスタール・アリーナで開催される。日本から近藤朱里が出場する同大会のメインはデミアン・マイア×カマル・ウスマンのウェルター級マッチだ。
ウスマンは日本では名前は知られていないが、キャリア12勝1敗でUFCでも7試合戦って未だ負け知らずというファイターだ。ベースはレスリング、D-2オールアメリカンを3度獲得し、174ポンドでNCAA(D-2)王者に輝いている。
UFCでの7勝には英国のレオン・エドワーズやブラジルのセルジオ・モラエスという注目選手からの勝利も含まれている。ただし、これだけの結果を残していながら、それほど印象に残っていない。逆にレスリング主体でケージ際でコントロールするスタイルだけに、退屈だというネガティブなイメージの方が強いかもしれない。
ウスマンのファイトを分りやすく例えるなら、ジョン・フィッチ系という言葉が最もフィットするだろう。左右両構えで、拳が届く距離の打撃はほぼテイクダウンへの布石といっても過言でない。そしてケージに押しこんでテイクダウンを奪うと、立たせて倒すを繰り返し、疲弊した相手を抑え込んで勝つ。
マイアにとっては自らグラップリング・ゲームに持ち込んでくれる相手だけに、打撃でスタミナを大いに消耗するという悪いパターンにはハマらないことが予想される。しかし、ウスマンのコントロール力が、マイアの柔術を上回ると他のファイターと同様に削られて判定負けを喫してしまうだろう。
ウスマンの攻撃力=コントロールとマイアの防御力=ガードから仕掛け。マイアの攻撃力=ポジション奪取&フィニッシュに対し、ウスマンの防御力=スクランブルに持ち込む力のせめぎ合いとなることが予想される。
だからこそマイアとしては、一旦は下になることは覚悟し、ケージ・レスリング・ゲームを回避することが必要だ。組まれても、ガードを取り即スイープ系の動きでスクランブルに持ち込むべき。本来であればガードを取っても、上を取り返すなり、スクランブルからバック奪取を経てフィニッシュへという流れにも持ち込める。現在2連敗中のマイアの不安要素は、タイロン・ウッドリーの世界王座に挑戦しタイトル奪取に失敗した試合ではなく、昨年10月のコルビー・コヴィントンに敗れた時の試合内容だ。テイクダウンに拘り、強引なシングルやダブルを繰り返し疲弊した結果、ガードを選択をするようになった時には体力を消耗し、攻めのガードワークを駆使することができなかった。
ウスマンのテイクダウン能力は、攻守に優れている。幸い、打撃のプレッシャーはコビントンほど強くないので、マイアの勝機は組んでも組まれても思い切って攻めのガードワークに転じることができるかにもかかって来る。
下を取ってもポジションを取り返すことができ、フィニッシュにいっても疲れない。そのような精神状態でなければ、マイアはウスマンのケージレスリングに対して、取り返すことができないほど後手に回ってしまうことも十分に考えられる一戦だ。
■ UFN129対戦カード
<ウェルター級/5分5R>
カマル・ウスマン(米国)
ダミアン・マイア(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
タチアナ・スアレス(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
ジャレッド・キャノニア(米国)
ドミニク・レイエス(米国)
<バンタム級/5分3R>
グイド・カネッティ(アルゼンチン)
ディエゴ・リヴァス(チリ)
<女子フライ級/5分3R>
アンドレア・リー(米国)
ヴェロニカ・マセド(ベネズエラ)
<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
チャド・ラプリーズ(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
ミシェウ・プラゼレス(ブラジル)
ザク・カミングス(米国)
<フライ級/5分3R>
ブランドン・モレノ(メキシコ)
アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)
<女子ストロー級/5分3R>
ポリアナ・ボテーリョ(ブラジル)
近藤朱里(日本)
<フェザー級/5分3R>
ウンベルト・バンデナイ(ペルー)
ガブリエル・ベニテス(メキシコ)
<フェザー級/5分3R>
エンリケ・バルゾラ(ペルー)
ブランドン・デイヴィス(米国)
<バンタム級/5分3R>
エンリケ・ブリオネス(メキシコ)
フランキー・サエンツ(米国)
<ライト級/5分3R>
フィリッピ・シウバ(ブラジル)
クラウジオ・プエレス(ペルー)