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【ONE68】ゲイリー・トノンがラッシュガードを脱ぐ時=MMAデビュー!! 山田哲也も危険な相手と

Tonnon【写真】昨年5月にグラップリングマッチで青木真也を倒し、ONE初出場を果たしていたトノンがついにMMAへ(C)ONE

6日(火・現地時間)、ONE Championshipより24日(土・同)にタイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE68「Iron Will」でゲイリー・トノンがMMAデビュー戦を戦うことが発表された。


同大会ではONE世界バンタム級王者ビビアーノ・フェルナンデスが、ONE世界フェザー級&ライト級王者マーチン・ウェンの挑戦を受けることが既に決まっているが、さらなる注目カードが決まった。

エディ・カミングとともに新足関節時代をもたらし、サドルポジションというトランジッションも可能とした──極めるだけでない足のポジションを武器に一世を風靡しているトノンが、ついにMMAデビューを果たす。

小学生の頃にレスリングを始め、14歳で友人に誘われて柔術を開始。そこはMMAと柔術のジムだったこともあり、半年後にトム・デブラスがオープンしたオーシャン・カントリーJJへ。夢中に柔術を学ぶトノンは、デブラスの師匠にあたるヒカルド・アルメイダのところでもトレーニングを始めると、ジュベニウ青帯でムンジアルを制し、その後は特にノーギ柔術で頭角を現した。

そしてアルメイダの師匠筋のヘンゾ・グレイシーの下で、名匠ジョン・ダナハーと出会いサドルポジションでグラップリング界に革命を起こす。トノンはこの足関節だけでなく、柔術全般に優れており、レスリングとの融合も既に果たしている。

気になる階級だが、今回はONEのライト級で戦うこととなった。ADCCでは77キロ、EBIでは70キロと77キロ、Polarisで今成正和と戦った時は68キロだったトノン。彼自身は以前に北米ユニファイドであればフェザー級で戦うと語っていたこともあったが、ONEではユニファイドでライト級に当たるフェザー級で戦うことも視野にいれているのか、気になるところだ。

そんなトノンの対戦相手、リチャード・コーミナルはキャリア4勝2敗のフィリピン人ファイターでONDEでは1勝2敗の戦績を持つ。シャノン・ウィラチャイ、アルナウド・ルポンに初回で仕留められていることを考えると、無難な相手として選ばれたといって良いだろう。しかし、純粋グラップラーのトノンが打撃のある戦いで、どれだけ組み力の強さを発揮できるのか、試合を見てみないことには何も分からないのが現状だ。勝敗だけでなく、トノンの動きそのものが見逃せない一戦となる。

Tetsuya Yamadaまた同大会にはタイガー・ムエタイ所属の山田哲也が出場し、トルコ在住のダゲスタン人ファイター=サイー・フセイン・アサリエフと戦うことも明らかとなっている。アサリエフは戦績4勝1敗ながら、その黒星はサッカーボールキックで反則負けを喫したモノだ。

勢いあまってサッカーボールキックで繰り出してしまう点に象徴されているように、アサリエフは強引さとアグレッシブが紙一重という雰囲気を持つ。蹴り、打撃だけでなくテイクダウンもパワフル、当然パウンドも勢いがある。昨年、驚異的といっても過言でない8試合をこなした山田にとっては、打撃の圧力に負けず自分の試合ができるのか──という部分で、試金石となる一戦といえるだろう。

ヌグエンが同時3階級制覇を狙うビビアーノ戦、トノンのMMA初陣、そして山田にとってステップアップが掛かったファイト。楽しみな試合が揃ったバンコク大会はクリッサダ・コンスリチャイ、ウィラチャイ、リカ・イシゲというタイ人ファイターこそラインナップに加わっているが、イヴォルブMMA所属の著名なムエタイファイター=サゲッダダーオ・ペットパヤータイ、デェダムロン・ソーアミュアイシルチョークの出場はない(※デァダムロンの同大会出場が、その後発表された)。バンコク大会を彼らがスルー、これは立ち技ファイトのONE SSに転じるということを意味しているのか。

■ ONE67対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ジアーニ・スッバ(マレーシア)
リース・マクラーレン(豪州)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
アギラン・タニ(マレーシア)
アミテシュ・チョーベー(インド)

<フェザー級(※70.3キロ)/3分5R>
クリスチャン・リー(シンガポール)
横田一則(日本)

<63キロ契約/5分3R>
ソティル・キチュコフ(ブルガリア)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ルイス・サッポ(ブラジル)
キムラン・アバソフ(キルギスタン)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)
イリナ・シャパレンコ(ウクライナ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アマド・ムスタバ(パキスタン)
マー・ジャワン(中国)

<バンタム級(※65.81キロ)/5分3R>
モハメド・アイマン(マレーシア)
リン・サロス(カンボジア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジヒン・ナジヒン(マレーシア)
プジャ・トマール(インド)

<62.5キロ契約/5分3R>
リスキ・ウマー(インドネシア)
コン・シチャン(カンボジア)

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