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【UFC FOX26】ロビー・ローラー=要塞&大砲×ハファエル・ドスアンジョスの1人人海戦術

Lawler vs dos Anjos【写真】ローラーは突き放すパンチでないので、中間距離からゼロ距離のせめぎ合いが見られそうなメイン (C)MMAPLANET

16日(土・現地時間)、カナダはマニトバ州ウィニペグのMTSセンターで、UFC on FOX 26「Lawler vs Dos Anjos」が開催される。メインはイベント名にある通り、ウェルター級5回戦の階級を越えた元王者対決=ロビー・ローラー×ハファエル・ドスアンジョス戦が組まれている。


昨年7月に2度王座防衛戦を果たした世界ウェルター級王座を失ってもローラーの人気は健在、その漢気ファイトも変わりなく今年の7月にドナルド・セラーニを倒して復活している。対するドスアンジョスはローラーがベルトをタイロン・ウッドリーに献上した3週間前に世界ライト級王座をエディ・アルバレスに敗れ、手放している。

その後、トニー・ファーガソンに完敗を喫したことでデビュー以来、一貫してライト級で戦ってきたドスアンジョスはウェルター級転向を決意。6月にタレック・サフィジーヌ、9月にニール・マグニーと身長&リーチで上回る相手に続けて勝利してきた。

今回の大切でも身長で6センチ、リーチで8センチとローラーがドスアンジョスを上回っている。ただし、ドスアンジョスは圧力を掛けて内へ内へと入って行くファイターだ。サウスポー同士の対戦でも、ローで距離を測り自らの左ストレートが届く位置まで勇みよく歩を進めるであろう。

パンチも蹴りも同じ姿勢で、高さを調節できるドスアンジョスは、攻撃を散らすことでプレッシャーを強め、ケージに対戦相手を追い込んでいく。そこでダブルレッグを仕掛け持ちこたえられると首相撲からヒザ、さらにテイクダウン狙いとケージ際でも二の矢、三の矢を有している。

一方のローラーのストレートは、ミドル級でも通じていたKOパンチの持ち主だ。あまりにもパンチが強く、ボクシングだけで勝てることで蹴りやレスリングの対策が後回しになったものの、その弱点を克服するとによりコンプリートな喧嘩屋に消化した。

ローラーがKOアーチストでなく、喧嘩屋なのは──相手の攻撃も被弾するが故。彼が中間距離、自らのパンチも当たるが相手の攻撃も受ける位置で戦うためだ。その結果、根性の殴り合いを制し、ファンの支持を得ている。

その左のパンチに並ぶ武器が、右フック。ジャブを見せておいて、左ストレートに慣れた相手に対し、返しの右フックもまた一発で試合を終わらせることが可能だ。ドスアンジョスと対した場合、この当たる距離をいかにキープできるか。前手の右が勝敗を分ける可能性も十分にある。

また組み対してはがぶり、バックコントロールから勢いのあるパウンドを打ち込めるスペースを作ることにもローラーは長けている。右と左の大砲を持つ要塞ローラーに対し、ドスアンジョスは一人人海戦術──左右の手足で手を変え品を変えて、自らのペースを作ることが非常に大切になってくる。ドスアンジョスの回転数の早い打撃からの踏み込み、ここに対するローラーの右、特に前に出てきた時は右エルボーにも注目したい。

再び、乱打戦歓迎時代を迎えたUFCに合って外れの無い、技術と気持ちに裏付けされた打撃戦が展開されるに違いないメインイベントだ。

■ UFC FOX26対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
ロビー・ローラー(米国)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
リカルド・ラマス(米国)
ジョシュ・エメット(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
グローバー・テイシェイラ(ブラジル)
ミシャ・サークノフ(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ(アルゼンチン)
マイク・ペリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
アレッシオ・デキリコ(イタリア)
オオワレ・バンボゼ(ナイジェリア)

<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ(カナダ)
エイブル・トゥルージロ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
チャド・ラプリーズ(カナダ)
ガロー・ボファンド(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョーダン・メイン(カナダ)
エリック・シウバ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
ジャレッド・キャノニア(米国)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
ピエトロ・メンガ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ノーディン・タレブ(カナダ)
ダニー・ロバーツ(英国)

<ミドル級/5分3R>
ジュリアン・マルケス(米国)
ダレン・スチュワート(英国)

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