【UFN123】護身MMA=ブライアン・オルテガが、フェザー級の生き字引=カブ・スワンソンと対戦
【写真】気持ちを持たせるのには技術が必要で、技術を有効利用するには気持ちが重要。スワンソン×オルテガは、その仕掛けと反応にMMAの妙が見られる試合となりそうだ(C)MMAPLANET
9日(土・現地時間)、カリフォルニア州フレズノのセーブマート・センターで開催されるUFC Fight Night123「Swanson vs Ortega」。メインは大会名にあるようにカブ・スワンソン×ブライアン・オルテガのフェザー級ランカー新旧世代交代対決が用意されている。
2007年3月のWEC出場以来、10年に渡りフェザー級戦線のトップに君臨し続けてきたスワンソン。ジェンズ・パルバー、高谷裕之、ジョゼ・アルド、チャド・メンデス、リカルド・ラマス、シャーウス・オリヴェイラ、ダスティン・ポイエー、フランキー・エドガー、マックス・ホロウェイ、川尻達也、チェ・ドゥホとその時代を代表するファイター達と戦いを繰り広げてきた。
それでいて世界王座挑戦が、WECからUFCを通して一度もない――まさにピープルズ・チャンピオンといえる。34歳になった今もそのアグレッシブなスタイルは健在で、現在4連勝中のスワンソンは最後に土をつけられたホロウェイへのリベンジ&王座奪取を諦めていない。
そんなスワンソンと戦うオルテガは26歳でキャリア12連勝中のグレイシー柔術黒帯だ。RFAフェザー級王者からUFC入りをしたヘナー・グレイシーの愛弟子はオクタゴン初戦でドーピング違反が発覚し白星の取り消しと9カ月の出場停止処分を受けた。戦線復帰後はこれまで4連勝中でディエゴ・ブランダォンやヘナート・モイカノという同世代、クレイ・グィダやチアゴ・タヴァレスといったスワンソン世代のファイターを全てフィニッシュしている。
グレイシー柔術黒帯で一本勝ちが多いとはいえ、そこに行き着くまでオルテガはボクシングに特化したファイトを見せることも少なくない。そして長いリーチを生かした左ジャブや左リードアッパーから右ストレートというコンビネーションを得意としている。打撃を効かして、相手の動きに反応するか、ダメージを蓄積させておいてからのフィニッシュがオルテガの勝利の方程式といえる。
超アグレッシブな印象の強いスワンソンは、その通り接近戦の殴り合いで決して引くことがない、中間距離で殴り勝てる喧嘩屋だ。ただし、接近戦に強いだけでなく、スワンソンは遠い距離から自分のレンジに持ち込む踏み込みや間の取り方に長けている。
加えて前述した折れない心を持つことで、ここ一番のテイクダウンやスクランブルに抜群の強さを見せることができる。逆に対戦相手は気持ちが切れ、ダメージを蓄積にスワンソンに黒星を献上する。
対してオルテガは1試合を通して、いかに勝つかを師ヘナーから授けられ、その策を忠実にこなすことができる。よってこの5回戦、最終的に一本勝ちを取りに行くのであれば、最初の4つのラウンドを落としても最終回にフィニッシュするという極端な作戦をオルテガが実行しても驚くべきことではない。
あるいは判定勝ちを狙うのであれば、どのラウンドを取りに行くのか。基本、ヘナー&オルテガの戦い方は相手の動きに合わせて、自らのすべきことを実行するために、序盤は様子や反応を見ることが基本だ。そして、相手を動かしておいて深みに追い込んだ結果、受け身であろうが、能動的であろうが最後はグレイシー柔術で一本を狙う。
グレイシー柔術は護身だ。護身に本来作戦はない。あるのは体に落とし込んだ技術と対処のみ。よってオクタゴンのなかでも自らは一定の動きを守り、相手が何か仕掛けてきたところで、いくらでも持つ対応策と技を使う。それが一対一でケージのなかで戦う、グレイシー柔術の護身MMA。その戦いの担い手であるオルテガが、フェザー級の生き字引を相手にどのような対応を見せるのが、非常に楽しみなメインイベントだ。
■ UFN123対戦カード
<フェザー級/5分5R>
カブ・スワンソン(米国)
ブライアン・オルテガ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト(豪州)
ガブリエル・ベニテス(メキシコ)
<バンタム級/5分3R>
マルロン・モラエス(ブラジル)
アルジャメイン・ステーリング(米国)
<ライト級/5分3R>
スコット・ホルツマン(米国)
ダレル・ホーチャー(米国)
<ミドル級/5分3R>
アリク・アンダース(米国)
マルク・ペレス(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
ベニト・ロペス(米国)
アルバート・モラレス(米国)
<女子フライ級/5分3R>
アレクシス・デイヴィス(カナダ)
リズ・カモーシェ(米国)
<バンタム級/5分3R>
ルーク・サンダース(米国)
アンドレ・スークムタズ(米国)
<フライ級/5分3R>
アレックス・ペレス(米国)
カールス・ジョン・デ・トーマス(フィリピン)
<バンタム級/5分3R>
フランキー・サエンツ(米国)
マラブ・デヴァリシビリ(米国)
<バンタム級/5分3R>
ユーリ・アルカンタラ(ブラジル)
アレハンドロ・ペレス(メキシコ)
<フライ級/5分3R>
エリック・シェルトン(米国)
ジェネル・ラウサ(フィリピン)
<ライト級/5分3R>
クリス・グラッツマーカー(米国)
ダヴィ・ハモス(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
アントニオ・ブラガ・ネト(ブラジル)
トレヴィン・ジェイルス(米国)