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【RFC44】160キロの巨漢アオルコロと対戦、藤田和之の旅─02─「格闘技界にお世話になってきたことを」

Fujita【写真】明るい笑顔で25歳年下の対戦相手について語る藤田 (C)MMAPLANET

11日(土・現地時間)に中国・河北(ホーベイ)省の石家庄(シーチャーチュワン)のホーベイ体育館で開催されるROAD FC44でアオルコロと対戦する藤田和之インタビュー後編。

47歳となった彼が、どのような想いでロードFC、そして中国で戦う決意に至ったのかをameba TVが制作する格闘家の1日を追うドキュメンタリー番組=ONE DAY密着取材した。

中国で若いアオルコロと対戦する藤田の踏み台発言、その言葉の真相とは。

<藤田和之インタビューPart.01はコチラから>

──今言われた、身長も気になるところです。重さがクローズアップされがちですか。

「大きさは武器ですね。そういう意味では、他の選手達と違って同じ人間として並んだ時にアドバンテージ。武器がその時点でいっぱいあるわけだから。

そのなかでこういう勢いのある選手と……去年の把瑠都もそうだし、彼も可能性を凄く秘めている。今回のアオルコロもそう。そういう彼らと戦うことは俺にとっても良い刺激になります。

スタッフから聞いたんですが、アオルコロのお父さんより俺の方が年上みたいで。『エェ? そうか』ってね(笑)。今までで一番若い対戦相手ではないですかね」

──なるほどぉ。ところで10月28日のロードFC43をソウルのチャンチュン体育館で観戦され、アオルコロとも実際に顔を合わせました。

「とても大きな若者でした。手を握った瞬間に若さ溢れる肌の感触、張り具合とかから彼は瞬発系、瞬発力のある選手だと思いました。握った瞬間に分りますよね」

──ではロードFCにはどのような印象を?

「いや、まだまだこれからですね。これから発展していくところだと思うし、お客さんの熱も段々と熱くなってきているところでしょう。MMAを理解して物凄く興味を持って見に来ているお客さんがいっぱいいる。そんな印象を受けました。

PRIDEや今のUFCも凄いけど、さらに昔の初期の頃のヒリヒリするような緊張感が会場には満ち溢れていましたね」

──打撃系の選手がロードFCには多いです。

「打撃だけの打撃でなく、全てがあるなかの打撃なので。グローブも小さいし、凄くアグレッシブで良い大会でしたよ」

──ロードFCから1カ月後、12月23日にはHEATに出場しイ・サンスと対戦します。名古屋のインディ大手に出場するのも、残された時間が限られているという気持ちが関係しているのでしょうか。

「色々と体験しようと思います。これまで欧米人とばかり戦ってきて、できるなら日本人、韓国人、アジアの選手と戦って、俺を踏み台にしてくれよっていうぐらいの気持ちです。若い選手のところに飛び込む、それぐらいの気持ちがないとやっぱりダメだと思うし。

俺がこれまでやってきたことを皆が活かせるなら、活かしてほしい。最後はそういう形で燃え尽きたいと思います」

──もうTV中継だとか、ビッグステージに拘ることもない?

「恩返し……恩返しの気持ちも込めてだけど、やるからには勝ちに行くから。そういう気持ちが根本にあるから、若い選手にもチャンスが生まれるだろうし。そういうことですよね」

──ロードFCばかりか藤田選手のHEAT出場は、出るではなく出てくれるという感覚です。

「いやいやいや」

──名古屋で精力的に活動を続けても、どうしても首都圏の大会より注目度は低い。そんなHEATが藤田選手の出場で注目されると嬉しい限りです。

「まぁ、そう言ってもらえると……。やっぱりね、格闘技界にお世話になってきたし。最後、そういう形で次につなげることも大事じゃないかと思うし。

もし倒せなかったら、選手も潰れていくと思うし。俺を踏み台にしろっていう気持ちがあって参戦しますが、そんなもん口にはしても、試合をやるからには叩きこんでやるっていうつもりでね、やりますよ。キレーに言うならそういうことで、本音を言うなら『そうはさせねぇよ』ってことですよ(笑)」

──最初から振り切ったような試合になりそうですか。

「ハハハ。振り切らないで、やってどうなるんだって話になるんですが。お客さんはお金を払って見に来るのだから、そういう戦いを見せるのが基本だと思うし。ヘビー級の迫力をしっかりと見せたいと思います」

──韓国では日本人選手に実はブーイングがない。ただし、中国・石家庄大会はかなりのアウェイ感があると聞いています。

「やりがいがありますよ。この仕事をしているなら、それが一番のやりがいですよ。声援も大事だけど、ブーイングも大事ですからね。お客さんに対して、存在を意識させることが一番大事なことだから」

──その石家庄、北京から車で4時間半も離れており、他の日本人選手からも「遠い」という声が聞こえてきます。加齢とともに移動は厳しくなると思われるのですが、この移動については?

「ノーコメントです。大人ですから(笑)」

■ 対戦カード

<無差別級/5分3R>
アオルコロ(中国)
藤田和之(日本)

<ライト級T準々決勝/5分3R>
シャミール・ザフロフ(日本)
アマチュシン・フーヘンフウ(モンゴル)

<ライト級T準々決勝/5分3R>
下石康太(日本)
バオ・インカン(中国)

<ライト級T準々決勝/5分3R>
ホニ・トーレス(ブラジル)
トム・サントス(ブラジル)

<ライト級T準々決勝/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
ムングントスズ・ナンディンエルデン(モンゴル)

<72キロ契約/5分2R>
シャ・イーラン(中国)
ブルーノ・ミランダ(ブラジル)

<無差別級/5分2R>
ウー・ラーハン(中国)
ワン・イーチャン(中国)

<無差別級/5分2R>
ジェイク・フン(米国)
マ・アンディン(中国)

<女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
アリーニ・サテルメイヤー(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
ウー・ジェ(中国)
ウー・シャオロン(中国)

<バンタム級/5分2R>
根津優太(日本)
バーサンクフー・ダムランプレウ(モンゴル)

<ライト級/5分2R>
岩田啓輔(日本)
ホアン・ツェンユー(中国)

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