【TUF9】最高峰組技マッチは、スティーブンソンに軍配
■第6試合 ライト級/5分3R
ジョー・スティーブンソン(米国)
Def.3R終了/判定
ネイト・ディアズ(米国)
【写真】もはや説明する言葉もでてこない難解な攻防が随所にみられたライト級屈指のグラップラー同士の一戦 (C) ZUFFA
試合開始早々、スティーブンソンがテイクダウンを仕掛けるが、ネイトがギロチンで迎え撃つ。かなりタイトに入っていたが、首を引き抜いたスティーブンソンは足をたたみながらパスを狙う。サイドのネイトに対し、エルボーを落とすスティーブンソンは腹固めの状態からパウンド、さらにバックコントロールへ。
再び腹固めの態勢に入ったスティーブンソンをケージに押し込むネイトは、そのまま立ち上がろうとするが、腕を振り切ることができず、前転し、腹這いの状態に。ここで腕が外れ、トップをとることに成功したネイトだったが、すかさずスティーブンソンが得意のギロチンを仕掛ける。
リバーサルの要領でトップを奪ったスティーブンソン、マウントはすぐに崩れたがトップからパウンドを落とす。ネイトの三角狙いをつぶし、スティーブンソンはテイクダウンを仕掛ける。
アームロックを利した投げから、ギロチンを仕掛けたネイト。首を引き抜いて立ち上がったスティーブンソンが、ヘッドロックからヒザ蹴りを見舞っていく。ライト級らしいスピード感はないものの、重厚なグラウンドファイトが続いた1Rが終了した。
2R開始早々、テイクダウンを仕掛けたスティーブンソンに対し、1Rのディジャブのようにギロチンで応えるネイト。立ち上がったスティーブンソンが、またもがぶりからヒザ蹴りを脇腹に見舞っていく。ケージ・グラップリングに打撃が加わった北米MMAらしい攻防から、ダブルレッグのスティーブンソンが、サイド、そしてマウントを奪う。ハーフに戻したネイトにダースチョークを見せるスティーブンソンは、ネイトの体を伸ばしてパウンドを落とす。
ケージ際の三角は不発に終わったネイトに、スティーブンソンはバックコントロールで、ネイトの得意なアームロックからの崩しを許さずポジションを取る。頭を腹の前に持ってきて、アームロックを仕掛けさせた瞬間に逆側に回りテイクダウンを奪ったスティーブンソン。かつてグラップラーズクエストなどのグラップリングトーナメントで活躍した日々を思い出させる素晴らしい組技のコンビネーションをUFCで披露する。
ノンストップアクションの2R、トップを奪うスティーブンソンがポイントをリードした。最終ラウンド、一本もしくKO勝ちが必要なネイトだったが、アームロックを切り返され、すぐにスティーブンソンのペースに巻き込まれる。バックを奪ったスティーブンソンを腰投げで投げ捨てたネイト、この試合で初めてしっかりとトップを奪うことに成功する。
クローズドから、シッティングにガードを移行したスティーブンソン。その瞬間に距離をとってパウンドを落としたネイトは、ギロチンからバックへ周り、ボーアンドアロー・チョークのような形で一本を狙う。
すぐに体を入れ替え、立ち上がったスティーブンソン。またもヘッドロックからヒザをボディへ。ネイトは正対するとギロチンを狙われるため、真正面を向き返すことができず、つねにシングルレッグを取られた厳しい状態が続く。
残り1分、距離を取ったスティーブンソンは掛け逃げのようなテイクダウンを見せると、パンチを振るうネイト。試合序盤のギロチン以外は、常にスティーブンソンの掌の動かされ続けたまま15分間のファイトを終えた。
ジャッジの裁定は3者とも29-28で、スティーブンソンを支持。左耳が異様にわいた状態のスティーブンソンは、「子供たちに会う瞬間が待てない」とダディの愛称に相応しいをコメントするなど、崖っぷちのファイトに勝利した安堵感を漂わせていた。