【Pancrase289】粕谷優介に快勝した松嶋こよみ―02―「僕には時間がない」
【写真】目標を諦めなくて済んだ、勝利を収めた松嶋 (C)KAORI SUGAWARA
20日(日)、東京都江東区のディファ有明で開催されたPancrase289でUFC還りの粕谷優介に判定勝ちを収めた松嶋こよみインタビュー後編。
粕谷に勝利し、UFCへ行くという明白な目標を口にした松嶋に、今後のステップアップ方法を含め、いかに目標を現実としていくつもりかを尋ねた。
<松嶋こよみインタビューPart.01はコチラから>
──課題でもあった、カッとなる場面はなかったですか。
「今回は本当になかったです。冷静ではなかったですけど……なんかやりたくなってしまうので」
──それが持ち味なのでしょうね。そうなると、無鉄砲さも武器になるということです。
「世界の上の方の選手と戦って、そんな風にいくとは思えないですけどね(苦笑)」
──ベルトよりUFCというマイクでした。
「ハイ。本当に時間がないです。パンクラスは正直、ベルトまで時間が掛かりそうで。誰々が勝って、僕が誰かに勝つ。チャンピオンが防衛し、僕は誰に勝てば、誰かと誰かの勝者と戦う。そういう時間が僕にはない。だからベルトを巻くより、UFCへ行きたいという気持ちの方が強いです」
──パンクラスのベルトがUFC行きを近づけるというのは?
「それが明確であれば、ベルトを最短距離で取りに行きます。でも、それが明確ない状況ですし、UFCへ近づくならまた海外で試合をすることもあるでしょうし。
僕は外国人選手に勝つために、どんどん外国人選手と戦っていかないといけないので。海外で戦いたいという気持ちも変わらずあります。PXCで負けっぱなしというのも嫌な気分なので。
粕谷選手と試合をしたのも、ベルトのためじゃない。ベルトを目指すなら、ランキングが上の選手と戦います。そういう意図があって戦ったので、ここで勝てたからこそ、UFCへ行くために次につながる試合を戦いたいです」
──確固たる目標がある。若者らしい発言で、嬉しいです。
「話すのは難しいです……。マイクとかも疲れすぎて、何を話しているのか分からなかったですし。でも、1年目にKO勝ちを続けて良い気になっていた時よりも、こういう試合で勝てて本当に良かったと思います。
と同時にパンクラスという場は強い選手が揃っていて、日本でトップレベルだと思うので、ここで戦えていることは今後への糧になるはずです」
──そして今日のような勝利を続けることが、力をつけ目標に近づくのでしょうね。
「本当に色々な人に教えてもらったことが、試合で出せました。試合後に粕谷さんと話をした時も『三日月蹴り、効いたよ』と言ってもらえ、ちょっと嬉しかったです(笑)」
──前蹴りも三日月気味でした。
「ハイ。最近は、そっち側を狙っています。普段から考えていることで、試合では考えずに動けたと思います。繰り返しになりますが、あのがぶりも本当に練習でずっとやってきたことなんです。
あの場面、どうしても殴りに行ってしまっていたのが、北岡さんの教えを守り試合で実践できたことが嬉しかったです。5分×3Rで勝てることが、フィニッシュに通じると思います。MMAをMMAとして戦って勝てた、それが今日の試合だったと感じています」
──期待がさらに高まり、ハードルも高くなると思います。
「ハイ、また次の試合でも成長した姿を見せたいと思います。宜しくお願いします」