【Deep Cage】バンタム級選手権試合で惜敗──石司晃一─03─「来年、必ず再戦する」
【写真】非常に人当たりはソフトかつ確固たる自分を持つ石司だった (C)MMAPLANT
5月13日、DEEP CAGE IMPACT2017のメインでDEEPバンタム級チャンピオン大塚隆史に挑戦し、激闘の末2-3で判定負けを喫した石司晃一インタビュー最終回。
全てが自己流の石司、大塚戦の敗北によりRIZIN出場はなくなった。その事実を踏まえ、今後を彼が語ることによって石司晃一という反骨ムキ出しのMMAファイターの実像が見えてきた。
<石司晃二インタビューPart.01はコチラから>
<石司晃二インタビューPart.02はコチラから>
──なんと、全て自己流だったのですね!! では、今回の大塚戦の敗北を経験し、石司選手はどこを改善していかなければいけないと感じましたか。
「課題は色々と見えました。正直、勝った負けたは関係なく今のままでは全然ダメです」
――どこを基準にして全然ダメだったのでしょうか。
「世界のトップです。日本のトップとはやれても、世界のトップとは渡り合えない。だから根本的に変えていかないといけないですね。具体的なことは今ここで言うことはできないですけど、それはこれからの試合を見てほしいです」
――RIZINという大舞台に出る機会を逸してしまいました。
「RIZINを去年の大晦日に見て、演出も凄くて自分が経験したことがない舞台でした。ああいうところで試合ができるのかって、そういう興奮を覚えました。
僕はPRIDEもUFCも、当然BellatorもRoad FCもライブで見たことがないんです。RIZINはオープニングセレモニーからしびれました。『これ、すげぇな』って(笑)」
――ただ、純粋にMMAを追いかけていると違う部分もある格闘イベントであることも確かです。
「正直、自分たちのようなMMAファイターとしては、なぜキックボクサーをあんなにプッシュしているのか……キックボクサーなら、キックボクシングの大きなイベントで戦えよという気持ちはあります。
そうですね……厳しい試合もありますが、そうでない試合もある。TVがそこを必要するということは悲しい現実です。
そこもTVの事情を考えるとやむを得ないことだろうし。人気があるものじゃない。なんとか一般の人に届くことをしようと思うことは理解できます。そうじゃないと、格闘技中継をしてもらえなくなる」
――なるほど、現実問題として人気は必要だと。
「僕らが永遠に戦えるなら、いつか純粋MMAが世間に届く法が良いと考えるかもしれないです。でも、僕らの現役時代は限られている。次の世代でなく、自分たちの時代に格闘技人気が高まってほしい。そうやって考えると、TVのやり方も真っ向否定はできないです:
――リングという舞台に関しては、どのように考えていますか。
「ケージとリングは違います。MMAはケージでやるもの。リングだと外に出てレフェリーが介入するのは競技としておかしい。そこを利用して逃げる選手もいるので――と思っています」
――石司選手は、RIZIN以外にも海外も目指すところなのでしょうね。
「刺激を受けたし、RIZINには出たいと思いました。ただ、僕はバンタム級で世界一になりたくてMMAをやっています。『お前、バカか?』って言われるだろうし、こんなこと言える立場ではないのですが、世界のトップに到達したくて格闘技をやっています。今のままじゃ全然だめだとこないだ痛感しました。世界を口にするのは早いですが、確実にそこを目指してやっています」
――世界のトップで試合をするのと海外で試合をするのは違いますが、海外で試合をするということを考えることはありますか。
「世界のトップといえるのはUFC、あとはベラトールのチャンピンぐらいだと思います。そこに到達するために海外で試合経験を積むことはありだし、考えるところです。ただ、今の僕は大塚選手に借りを返すまでは、海外で戦う気持ちはないです。
来年、必ず再戦すると思っています。向こうはもう戦う必要はないと考えているかもしれないですが、これで終わったとは言わせたくないです。だから再び挑戦権を得るために勝ち続ける、それは絶対だと思っています」
――つまり海外で経験を積むのではなくて、DEEPで戦い続けるということですね。
「もちろん、そうです。また勝ち上がって、大塚選手と戦います。やり返さないと気が済まない――それだけです」