【Invicta FC23】ヴァンスースト、華麗なコンビネーションを披露しフェレアに快勝も……
<ストロー級/5分3R>
ティファニー・ヴァンスースト(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
クリスティーン・フェレア(米国)
左ジャブを伸ばすヴァンスースト、フェレアは左ハイ、そしてローを繰り出す。鋭いローを入れたヴァンスースト、ファレアが左を当てる。完全にキックボクシングマッチの中、ヴァンスーストは右ストレートを届かせ、ローとのコンビネーションをベースに戦う。前に出てくるファレアに右ロー、左を打ち込み、首相撲からヒザと攻勢のヴァンスースト。ファレアは蹴り足をキャッチしてケージにヴァンスーストを押し込む。
打撃戦上等的なコメントとしかなかったフェレアは、十分に予想できた攻撃だ。ケージを背にして倒れなかったヴァンスーストが、フェレアのスピニングバックフィストに合わせて離れると、ハイとローを蹴っていく。ファレアは左ミドルを返すが、純粋キックの打撃での精度の差は明らか。ただし、これはMMAだけにフェレアはもっと組んで削っていくべきだろう。
2R、素早いワンツーから左ロー、そして左ハイを繰り出すヴァンスースト。この展開だと際立ったテクニックが目立つ。ヴァンスーストは左リードとほぼ同時に左インサイドローを繰り出すと、フェレアのジャブをサークリングでかわしてローを蹴っていく。ガードの上からの右ハイも威力十分のヴァンスーストが、組み合いのなかで逆にフェレアを金網に押し込む。
自ら離れ、スイッチを織り交ぜながら着実にパンチを入れるヴァンスーストに対し、フェレアの振りが大きくなってくる。ローのタイミングが抜群のヴァンスースト、ファレアは左ハイを空振りしてバランスを崩す。背中をつけたフェレアにローを入れたヴァンスーストは、当然のようにグラウンドにいくことはない。荒いフェレアにサークリング&下がりながらのパンチを打ち込む。粗い展開にも持ち込めないフェレアは、MMAが必要だ。
最終回、左ジャブを勢いよく入れるヴァンスーストは、組み合いのなかでフェレアを崩してトップ&バックを奪取する。ヴァンスーストはパンチを入れるが、乗り過ぎて前方に落とされクローズドガードを取る。残り3分、トップを取ったフェレアの姿勢が悪い。ヴァンスーストはハイガードもエルボーを被弾。スラムでクローズドを割ったフェレアの飛び込んでのパウンドにヴァンスーストがヒールからスクランブルへ。
ここは上を取れず、逆にサイドを許したヴァンスーストは足を戻そうするが、フェレアはこれを許さずマウントを取りに行く。ここでハーフになったものの、残り10秒でマウンドを許したヴァンスーストは寝技の劣勢を盛り返せないままタイムアップを迎えた。
最初の2Rの貯金があり判定勝ちを収めたヴァンスーストだが、そのキックの強さをMMAに活かしきるには、よりMMAのトレーニングが必要だろう。「ケージファイティング……MMAの練習をハードにしてきたし、ようやく勝てて嬉しい。彼女も打ち合いを望んだし、自分の試合ができた」と勝者は試合を振り返った。