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【Invicta FC23】ティファニー・ヴァンスースト、GLORY世界王者のインヴィクタ2戦目は??

Tiffany Van Soest【写真】どれだけMMAで対応力を見せているのか。米国での女子キックは格闘技界の裏街道、ヴァンソーストがUFCを夢見ないはずがない (C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)、ミズーリ州カンザスシティのスコティッシュ・ライトテンプルで行われるInvicta FC23「Porto vs Niedzwiedz」。大会名にある通り、メインは世界中に掘り起こしたが始めた女子フライ級からヴェネッサ・ポルト×アグニシュカ・ニエズビッチ、そしてセミもロクサン・モダフェリ×サラ・デレリオが組まれている。


そんなフライ級ウォーズが繰り広げられる今大会だが、MMAPLANETではストロー級でインヴィクタ2戦目を迎えるティファニー・ヴァンスーストに注目したい。

打撃を主武器にMMAを戦うファイターは数多い。そして最近では立ち技を主戦場としていながらMMAと二足のわらじを履くファイターも見受けられるようになってきた。ただし、ワールドワイドな場でキックの世界王座を所持したファイターが、MMAでもローカルショーでなく最高峰で戦う事例はまだまだ少ない。

空手をベースにアマ・ムエタイで活躍したヴァンスーストは、プロ転向後は米国ムエタイ界の頂点といえるライオンファイトでフェザー級王者になり、WBCムエタイでもインターナショナル・スーパーバンタム級王者に君臨。そして、GLORYとインヴィクタというキックと女子MMAの最高峰で同時契約を果たした。

しかし、昨年9月のインヴィクタ初陣ではバリバリのレスラー、キャル・ホリデーにテイクダウンを取られ、スクランブルではバックを取られて後方に投げ捨てられ、最後はRNCで一本負けに。組み技対策への課題を残した。

Van Soestその後、本職ではGLORYで貫禄の世界スーパーバンタム級王座を昨年12月に獲得している。左ジャブから右ストレートを中心に回転系の蹴りで制空権を作り、ローで削るスタイルは──キックボクシングでは──盤石だ。

スタイルマッチアップを考慮してか、今回インヴィクタが用意した対戦相手プロMMAキャリア1勝0敗のクリスティーン・フェレアだ。アマMMAではTuff-N-Uff(タフイナフ)、KOTCで3勝1敗の彼女は、それ以前はアマ・ムエタイで13勝0敗、プロで1勝0敗というストライカーだ。

インヴィクタ初戦となったレイチェル・オストビッチ戦ではハイキックを効かせてパウンドアウト、TKO勝ちを手にしている。「ファンは寝転がった試合なんて見たくない。立って殴るだけ」とオストビッチ戦前に断言した通り、組まれても倒れず打撃を入れるというスタイルを見せた。バックを取られても、後方へのエルボーを入れるなど徹底的に打撃に拘ったフェレアは、ヴァンスースト同様にテイクダウンで倒された後の完成度は低い。

ただし、今回の試合でヴァンスーストが組みにいくこと考えらず、フェレアも真っ向から打撃戦に挑むことができる。そうなれば、GLORY世界王者が上を行くのは当然──だからこそ、MMAに専念しているフェレアがどのようなMMA打撃を見せるのか、またヴァンソーストの対応力が上がっているのかが、勝負の流れを決めるであろう。

キックになるのか。ムエタイになるのか。あるいは打撃主体のMMAとなるのか。後者にいくほど、フェレアが有利といえる注目のキック世界王者のMMAマッチだ。

■ Invicta FC23対戦カード

<フライ級/5分3R>
ヴェネッサ・ポルト(米国)
アグニシュカ・ニエズビッチ(ポーランド)

<フライ級/5分3R>
ロクサン・モダフェリ(米国)
サラ・デレリオ(米国)

<アトム級/5分3R>
エリカ・チブルシオ(ブラジル)
テサ・シンプソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
エリザベス・フィリップス(米国)
ケリー・ファゾルズ(米国)

<フライ級/5分3R>
アンドレア・リー(米国)
リズ・トレイシー(米国)

<ストロー級/5分3R>
ティファニー・ヴァンソースト(米国)
クリスティーン・フェレア(米国)

<フェザー級/5分3R>
エジアネ・ゴメス(ブラジル)
パム・ソーレンソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
シャイアナ・リンコン(米国)
ブルックジー・ベイヤード(米国)

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