【Japanese National BJJ 2017】細川顕<02>「カルペディエムで表彰台独占か、ミドル級か……」
【写真】盟友というよりも、今を一緒に生きる同志といえる杉江と同じ階級のエントリーとなった (C)AKIRA HOSOKAWA
15日(土)、東京都墨田区の墨田区総合体育館でジャパニーズ・ナショナル2017が開催される。昨年はアダルト黒帯ライト級を制し、今大会にもエントリーしている細川顕インタビュー後編。
Text by Tsubasa Ito
カルペディエム・ホープの活動も順調に軌道に乗り、杉江アマゾン大輔とともに国際大会に参加するまでになった細川。しかし、細川がエントリーするライト級には杉江とともに本体からは新たにカルペディアムの一員となった世羅智茂も出場する。
クローズアウトはアカデミーの強さを証明する状況だが、IBJJF国際大会でポイント配分も高い。ブラジリアン柔術はムンジアルといえどもアカデミー対抗の個人競技。そんな複雑な事情に細川は何を想うのか。
<細川顕インタビューPart.01はコチラから>
――ただ、現時点でライト級にエントリーしている5人中3人がカルペディエムの選手で、その中には杉江選手も含まれています。
「そこなんですよねぇ……。杉江さんは減量がキツいのもあると思うんですけど、一番はワールドプロの前日計量を見据えてあまり落としたくないという考えからですね。こればかりは仕方がないことですし、カルペディエムというチームが拡大しているという証でもあるので、喜ばしくもありますね」
――カルペディエム同士の対戦となった場合、通常は試合を行なうことはないと思いますが、今大会には貴重なポイントがかかっています。
「世羅君を含め、今回も戦うことはないですね。勝ち上がった場合は、チームでポイントを分け合う形になります。ただ、来年も見据えるとより多くポイントが欲しい気持ちもあるので、少し複雑ではあります。1位は9ポイントで3位は1ポイントですから。まだ悩んでいますけど、ミドル級にエントリーしようかなという考えもあります」
――それは驚きです。階級を上げる可能性もあると。
「カルペディエムで表彰台独占もいいなと思いますし、ミドルで戦ってポイントを取るのもありだと思いますし……迷いますね(笑)。エントリー確定後に決めたいと思います」
――大会後にはUAEで行なわれるアブダビ・ワールドプロも控えています。昨年はジャパニーズ・ナショナルが終わってすぐに日本を発ちました。
「おそらく今年も同じ流れだと思うので、土曜日に試合をして月曜日に出発することになると思います」
――強行日程ですね。
「でも、今回は日本人選手が多いですよね。エントリーを見ると、僕と杉江さんの他にも中村大輔さんとか、戸所誠哲さんとか、湯浅麗歌子さんもいました。去年は僕ひとりだったので心強いです」
――ワールドプロはムンジアルと並ぶ大きな目標ですか。
「ムンジアルは王道というか、文字通り世界チャンピオンを決める大会なんですけど、ワールドプロはまた違った良さがあると思います。過去に2回出ているんですけど、メディアの取り上げ方がすごいですよね。テレビで生放送していますし、終わった後も録画放送をずっと流していて。航空券からホテル代から全部出してくれて、扱いも良くて」
――資金が潤沢なようですし。
「半端じゃないですよ。メンバーも揃いますし、選手としてはすごく魅力を感じます」
――今年はワールドプロ、ムンジアルともに杉江選手と揃って出場しますが、2人が不在の期間、道場のご指導は大丈夫ですか。
「もちろん、そこはメドが立っています。去年の段階ではそこまで持っていけていなかったですけど、今年は色帯の会員さんにも協力してもらって、ベーシックなクラスであれば指導がまわるようになりました。そこも一つ、道場としての前進だと思います。2017年は2人で出ることを目標にしていたので、達成できて嬉しいですね」
――昨年のムンジアルは映像でご覧になったということですが、杉江選手をはじめカルペディエム勢の戦いを見て気持ちは高まりましたか。
「それはもちろんです。若干のジェラシーもありましたし。やっぱり出たいな、あそこに行きたいなというのが選手としての本心ですよね」
――常にムンジアルを目指す気持ちは変わらないと。
「専業でやっている以上は、そこを目指さないとダメだと思います。今は本気になりつつある若い生徒も道場にいるので、そういう姿を見せないと彼らも乗ってこないとでしょうし」
――ムンジアルへの出場は2014年以来、3年ぶりとなります。
「ポイント制になってからは道場をオープンしたり、私生活では結婚もあってなかなかポイントが取れずにいたんですけど、やっと体制が整ったという感じですね。去年の今頃は道場をオープンしてからまだ1年も経っていなかったですし、今思えば今年のための1年だったのかなと思います」
――まずはジャパニーズ・ナショナルを連覇して、ムンジアルへ弾みをつけたいところですね。
「どこを目指しているかは人それぞれですけど、間違いなくジャパニーズ・ナショナルに出る人は心の中にムンジアルがあると思うんですよ。同じ志を持つ人たちとしっかり戦って、ムンジアルのためにポイントを取りたいです」