【PJJC2017】残念過ぎる芝本&橋本の欠場。ライトフェザー級に嶋田&山田が出場
【写真】2試合のミヤオ戦が山となる──とはいえ、初戦から気を抜ける戦いがあるわけではない。まずは初戦突破という気持ちで嶋田にはパンに挑んでほしい (C)MMAPLANET
16日(木・現地時間)から19日(日・同)にかけてカリフォルニア州アーヴァインのブレン・イベントセンターにてIBJJF主催のブラジリアン柔術パン選手権が行われている。実に5日間もかけて行われるこのイベントは、世界選手権に次ぐ規模のブラジリアン柔術大会だ。世界選手権への前哨戦ともいえ、多くの強豪が顔を揃えた同大会アダルト黒帯の部の見所──プレビュー第一回は、日本人選手も多く出場する軽量3階級の見所を紹介したい。
【ルースター級】
これまで実に8度世界王者に輝き、14年から昨年までも世界大会3連覇中のブルーノ・マルファシーニ(アリアンシ)がエントリー。カイオ・テハ、ジョアオ・ミヤオ、マイキー・ムスメシ等ライバルとなりそうな選手が出場していない今回、まさに不動の大本命だ。長年世界の頂点に君臨しているため大ベテランと思われがちだが、実はまだ31歳。驚異的な瞬発力を誇る最軽量級最強柔術家が、世界4連覇に向けてどのような動きを見せてくれるか。
このマルファシーニの対抗馬と考えられていた芝本幸司(トライフォース)、橋本知之(カルペディエム)は両者揃って、負傷欠場。ベテランと若武者、世界の頂点と真っ向からぶつかり合う姿はお預けとなってしまった。
そんななか、マルファシーニと頂上を争うことが予想されるのが、昨年の準優勝者のルーカス・ピニェーロ(AMBJJ)だ。昨年の今大会では準決勝で芝本幸司に勝利し、決勝ではマイキー・ムスメシに逆転負けしたもののパスガードを奪ってみせている。最低でも表彰台を争うポジションにあった芝本と橋本の欠場は残念でならない。
【ライトフェザー級】
本命は昨年の本大会ルースター級を制したマイキー・ムスメシ(ブラザCTA)か。モダン柔術におけるポイントゲームの勝負どころを知り抜いた米国の若き天才は、今年のヨーロピアンの今階級も制覇しており、その勢いに翳りは見られない。
対抗は、おなじみジョアオ・ミヤオ(PSLPBシセロ・コスタ)か。世界を席巻した革命児も最近は不調。ここのところムスメシには得意のモダン柔術戦でことごとく競り負け3連敗を喫し、また今年のヨーロピアンでは準決勝でガブリエル・モラエスにまさかのパスガードを許して敗退、ムスメシにたどり着くことすらできなかった。深刻な負傷を抱えると言われながらも、変わらぬ驚異的なペースで試合出場を続け、修行層の如きひたすらストイックな姿勢で競技柔術に取り組み続ける若者の復活なるか。
日本からは、山田秀之(トライフォース)と嶋田裕太(ネクサセンス)の2人が参戦。山田は一回戦で強豪のチアゴ・バホス(PSLPBシセロ・コスタ)といきなり試練の一戦となる。
一方の嶋田は、これまで紫帯、茶帯における世界のトップで戦ってきた後、昨年満を持して黒帯に昇格。同年のアジア大会を、準決勝で山田から裸絞めで一本勝ちをするなど安定した強さで制してみせた。黒帯として初めての世界的舞台となる今大会では、一回戦でレネ・ロペス(ブラザCTA)と対戦。これを突破すればミヤオとの大勝負が待っている。
【フェザー級】
世界を4度制したコブリーニャことフーベンス・シャーレス(アリアンシ)がエントリー。強靭な肉体と長い手足を用いた豪快なスイープと卓越したパスガード力を誇るレジェンドは、37歳にして今年のヨーロピアンでも圧勝。今回もその優位は揺るがないだろう。
さらに反対のブロックには、そのコブリーニャの愛弟子のアイザック・ドーダーラインと、今年ヨーロピアンの決勝をコブリーニャと同門決勝戦を戦ったジャンニ・グリッポという、米国モダン柔術の旗手二人が並ぶ。最強の布陣で臨むアリアンシがヨーロピアンに次いでワンツーフィニッシュを決める可能性は限りなく高い。
このアリアンシ勢に食い込む最有力候補は、ノーギ・ワールズを現在3連覇中のケイシーニョことオズワウド・モイジーニョ(アレス)か。