【Pancrase】パンクラス・オフィシャルルール改訂。グラウンドポジションの定義、判定基準など新解釈へ
【写真】新規定はこの状態で顔面にヒザを入れて良いこととなった (C)MMAPLANET
1日(水)、Pancraseよりオフィシャル・ルールが改訂され、新ルールが5日(日)のディファ有明大会=Pancrase284から施行されることが発表された。
2916年度ルールからの変更は以下の5点。
第2条 計量
第5条 バンテージおよびテーピング
第14条 判定
第19条 グラウンドポジション
第20条 反則
第38条 タイトルマッチ
度重なる体重オーバーが見られた計量に関してだが、本計量でパスしなかった選手の再計量は1時間後、最終計量は4時間後という規定に変更は見られない。が、これまでは体重を落とせなかった選手は「失格となり処罰の対象に」なっていたのが、ここに「契約上のペナルティが課せられる」こととなった。
また再計量や最終計量で前回よりも体重が重くなっている選手も誠意が見られない態度をとった場合も同様に、処罰の対象から「ペナルティが加重される」という一言が加わり、計量不合格によるペナルティ不履行に掛かる裁判の管轄は東京地方裁判所、または主催プロモーターの住所・所在地の裁判所となることも明記されている。
バンテージ及びテーピングは拳の前面部(ナックルパート)に巻いてはいけなくなり、指と指の間に通すことは認められるという規定が加わった。
判定基準においては──効果的な打撃、効果的なグラップリング、試合のコントロール、効果的な積極性、およびディフェンスなどの技術を先に挙げたものより評価していたものが、効果的な打撃、効果的なグラップリング、効果的な積極性及びファイティング・エリア・コントールを評価し、その優先順位は効果的な打撃とグラップリングを同等に。この2点において優劣がない場合は効果的な積極性、そこも同等の場合はファイティング・エリア・コントロールを考慮することとなった。
効果的な打撃は、これまでは「ダメージ及び正当な打撃のクリーンヒット」で判断されていたものが、「試合の決着に向かって影響力を有するインパクト」が評価され、打撃を放った数ではなくインパクト重視となった。
効果的なグラップリングも同様に「サブミッション、正当なテイクダウン及びリバーサルの成功」から、試合の決着に向かって影響力を有する──テイクダウン、サブミッションの仕掛け、リバーサル、有利なポジションの──インパクトが重視されることとなった。その例としてポジションよりもインパクトの大きさ、効果的な結果が重視されると明記されている。
グラウンドポジションは『競技者の足部(足裏及び足首より下の部分)以外の体の部位がマットに着いている状態』から、片手と両足以外の体の部位が床に就いたポジション(グラウンドポジションであるために、両手の掌/手首、またのその他の体の部位が床についてはならない)とされ。
以下のようにグラウンドか、そうでないかは判別されることとなった。
【グラウンド】
・どちらか一方でもヒザがマットに着いている。
・背中や尻がマットに着いている。
・どちらか一方でもヒジがマットに着いている。
・両足と両掌がマットに着いている。
【グラウンドでない】
・両足と片手がマットに着いている
・両足と両手の指先がマットに着いている(両手であっても掌/手首まで接地しなければグラウンドとの見なさない)
反則については、これまで反則だった『カカトを使っての腎臓への蹴り』と『鎖骨を掴む』行為が認められるようになり、『相手の顔や目に向けて、広げた指を向ける行為』が新たに反則に加えられた。
最後のタイトルマッチは挑戦者が体重を落とせなかった場合、これまでは『勝敗に関わらず王座は移動しない』決まりだったのが、『王者はタイトルマッチとして行うか否か選択ができる』──上で、『タイトルマッチを選択して敗れた場合はノーコンテストなるが、王座は空位になる』こととなった。
デカゴン内の戦いにおいて重要なのは反則とグラウンドポジションの定義。これまで見られたような──がぶられたり、バックコントロールをスタンドで許した場合に手を一本マットに着けてグラウンドポジションとし、顔面や頭部へのヒザ蹴りや蹴りを防ぐという手段は採れなくなる。
またガードを取ってヒールキックでキドニーへの攻撃が許されることで、ホイス・グレイシー時代のガードからの蹴りが復活することになる。ヒールキックの復活や鎖骨を掴む行為よりも、注意したいのは指を開いて相手の顔面に向けてはいけないという点。スタンドでマットと水平に指を伸ばす行為は、指を開いていると反則なる。レフェリーの判断は難しいところだが、ファイターが意識することでアイポークは減るかもしれない。
これら反則&有効技、グラウンドポジションの新しい定義はユニファイドルールの新規定に則してのもの。10-8のビッグラウンドを以前よりつけるという点に関しても追従され、インパクト&ドミナンス(優位性)&デュレーション(支配時間)の3要素のうち、2要素において優勢が顕著であれば10-8を考慮に入れて判断することとなっている。
3つの要素全てにおいて優勢が顕著であるなら、10-8のスコアが与えられるべきとされ、同様に『一方の競技者が攻撃的な兆候をほとんど見せなかった場合、ジャッジは9点でなく8点を与えることが望ましい』と明記されたことで、昨年度よりも10-8がつくラウンドが増えることが予想される。