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【Bellator170】未知の領域=グレイシーの組み技越えへ。加藤久輝がハレック戦に臨む

Hisaki Kato【写真】ハレックの組み技&寝技が怖いことは確かな加藤。ただし、ハレックも加藤の打撃が怖いことは間違いない (C)MMAPLANET

21日(土・現地時間)、カリフォルニア州イングルウッドのザ・フォーラムで開催されるBellator 170「Ortiz vs Sonnen」に日本から加藤久輝が出場する。世界第2位のMMAプロモーションで活躍する唯一の日本人ファイターが、この加藤だ。


道着&フェイスガード着用、全局面武道的競技ともいうべき空道出身、北斗旗全日本無差別級を2010年から4連覇、この間にMMAでもデビューし現在7勝2敗という戦績を残している。

そのうちベラトールで挙げた勝利は2つで黒星も1つ、文字通り加藤は今回のハレック・グレイシー戦でベラトール3勝目とタイトル戦線での前進を目指す。サウスポー、空道で鍛えあげられた強烈な左のパンチと蹴りを持つ加藤の打撃は、MMAで戦う上でTSジムでのキック&ムエタイ流のミット打ちを消化し、より精度が上がっている。それでいて決してキックボクシングよりではなく、奥足からの重いキックは米国MMA界ではまだ見切られることはない。

ただ、この試合に限っては加藤が荒っぽい大味なストライカーだろうが、繊細かつパワー溢れる完成度の高いファイターだろうが、あまり関係ない。ハレックは組んで上になる、あるいは引き込んで加藤をガードの中に収めるしか勝ち目はないからだ。

そのためにハレックはすぐに体を合わせるぐらいの勢いで組みを狙うしかない。パンチや蹴りをかわして、タイミングを図るというような意志が働くようだと、加藤の打撃の餌食となる。一方、加藤としてはハレックが純粋なMMAファイターでなく柔術家、グレイシー柔術家という側面をどうしても警戒しないわけにはいかないだろう。

ハレックの組みには得体の知れない、MMAではない強度の高さや深度があるかもしれない。同時にそこを警戒し過ぎると加藤が本来持つ、打撃の威力が削がれてしまう可能性もあるから厄介だ。

加藤はハレック戦、今後を見据えて名古屋から東京に出て来て、岡見勇信や長谷川賢らとのトレーングを始めた。フィジカルではハレック以上のMMAファイターとのぶつかり合いは、彼の身体能力の限界を引き上げ、その本来持つポテンシャルを組みの展開でも有効に発揮する手助けになることは間違いない。

加えてMMAはスタンドの離れた距離で始まる競技。慎重に戦うことがより許されているのは加藤の方で、組まれることよりもバックを許さないことを頭に入れて戦えば、彼が有利だと考えられるのだが──、果たして。

■Bellator170対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
ティト・オーティズ(米国)
チェール・ソネン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ポール・デイリー(英国)
ブレナン・ワード(米国)

<ミドル級/5分3R>
ハレック・グレイシー(ブラジル)
加藤久輝(日本)

<フェザー級/5分3R>
ジョージ・カラキャニャン(米国)
エマニュエル・サンチェス(米国)

<ライト級/5分3R>
デレック・カンポス(米国)
デレック・アンダーソン(米国)

<ウェルあt-級/5分3R>
ガブリエル・グリーン(米国)
ジャリン・ターナー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
クリスチャン・ゴンザレス(メキシコ)
ダニエル・ロドリゲス(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・ロザレス(米国)
イアン・バトラー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ジョニー・シスネロス(米国)
カーティス・ミランダー(米国)

<ライト級/5分3R>
マイク・セグーラ(米国)
トミー・アーロン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ロブ・グッチ(米国)
ジェイムス・バーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
シンゾー・マチダ(ブラジル)
ジャマール・オカンポ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャック・メイ(米国)
デイブ・クライヤー(米国)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ボーリンガー(米国)
ヘンリー・コラレス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ケビン・ケイシー(米国)
キース・ベリー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ギヘルメ・ヴァスコンセーロス(ブラジル)
ジョン・マカリオ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
レベッカ・ルース(米国)
コリーン・シュナイダー(米国)

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