【WSOF34】サウスポーに構え、シールズのテイクダウンを潰したフィッチ。王座防衛後に引退を発表
<WSOF世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
ジョン・フィッチ(米国)
Def.3-0:49-46.49-46.49-46
ジェイク・シールズ(米国)
いきなり右ハイを放っていったシールズ。何とサウスポーに構えたフィッチは左ミドルを返してパンチから組んで、テイクダウンに成功する。クローズドのシールズをケージにつめてボディにパンチを落とすフィッチ。バタフライスイープを潰されたシールズはケージを背にして座った形になり、両者が細かいパンチを打ち合う。
シールズはギロチンを狙うも窮屈な姿勢で極めるのは難しい。頭を抜いたフィッチはトップをキープするも、残り65秒でレフェリーがブレイクを命じた。シールズの右ミドルに左ストレートを合わせたフィッチは、シールズをケージに押し込みヒザ蹴りを繰り出し初回を戦い終えた。
2R、細かい打撃の交換からシールズがシングルレッグでテイクダウン。フィッチはケージを背にして即立ち上がる。小外掛けで2度目のテイクダウンを決めたシールズは右腕を差してフィッチが立ち上がることを許さず、巧みにマウントを奪取しパンチを落とす。ハーフに戻したフィッチのバックに回ったシールズが両足をフックも、手首を掴んで攻撃を防ぐフィッチに思うようにパンチを落とせない。背中を預けたフィッチは、亀の態勢を取るがシールズは両足を再びフックして腹ばいのバックマウント。シールズがラウンドを取り返した。
3R、左から右を伸ばしたフィッチ。シールズが右ミドルを返すが、続いて2度に渡りテイクダウン狙いを切られる。クリンチでケージにフィッチを押し込んだシールズだが、体を入れ替えられダブルレッグでテイクダウンを許す。両足を束ねられた状態でギロチンを仕掛けたシールズは、首を取りながら立ち上がる。ここでキムラロックに切り替えたシールズに対し、フィッチが背後を伺いつつ胸を合わせる。
シールズの小外を潰し、ダブルレッグを狙うフィッチ。防いだシールズが逆にダブルからフィッチを肩に抱え上げ、ヒザをついた状態で上を取る。立ち上がったフィッチは態勢を入れ替え、ダブルレッグでテイクダウンを奪いきる。シールズはヒザ十字狙いを潰され、パンチを被弾した。
4R、フィッチが左ミドル。シールズは右ミドルを返すも、両者スピードに欠けた嫌いがある。右を当てたフィッチがシールズのシングルをスプロールし、スタンドに戻る。直後にシングルを潰されたシールズはハーフも作れず、クローズドで下になってしまう。シングルから上体を起こしたシールズだが、ここでも断ち切れず足関節を狙う。50/50もフィッチはヒザを畳み、シールズは横回転からヒザ十字を狙い立ち上がる。ケージ際の組み合いにブレイクが掛かり、最後の25秒のスタンド戦はフィッチが右を振るって前に出てクリンチ。フィッチのラウンドが続いた。
最終回、フィッチが右ストレート、左フックで前に出る。シールズは右ローを繰り出し、シングルはまたも切られる。立ち上がったシールズに蹴りを入れたフィッチは続くシングルも簡単に切る。シールズはまたも引き込みヒザ十字狙い。完全に読んでいるフィッチがすかし試合はスタンドに。フィッチは右から左のコンビネーションを見せ、サウスポーに構える。
今度はダブルレッグを切られ、バックを取られそうになると引き込んだシールズが三角を狙う。これを潰されヒールも足を引き抜かれたシールズは立てる機会も、引き込んでガード。ヒザ十字からヒール、鉄槌を入れて、さらにヒールと足関節を多用したシールズ。最後まで極めることはできず、シングルを潰されてガードという展開に持ち込まれる。フィッチはスクランブルからバックという得意の展開に持ち込むことはできなかったが、サウスポーで構えることでシールズのテイクダウンを殆ど防ぎ文句無しの判定勝ちで王座防衛となった。
ベルトを肩に掛けたフィッチは、なんと「この試合をラストファイトにする一番の機会だ」と引退宣言。首の負傷に悩まされ、ドクターと相談して決めるということだった。敗者は「サウスポーに構えるとは……凄い作戦だった」と話した。