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【UFC FOX10】ベン・ヘンが接戦制す。裁定には一考の余地…

<ライト級/5分5R>

ベンソン・ヘンダーソン(米国/1位)

Def.2-1: 48-47, 47-48, 49-46

ジョシュ・トムソン(米国/4位)

サウスポーの構えから右ジャブ、左ハイを繰り出すベン・ヘン。右のガードを高くして左ジャブを見せたトムソンは、ベン・ヘンの前進に合せて組みつくと、バックに回って寝技に持ち込む。四の字ロックから完全にバックを制したトムソンが、ベン・ヘンの背中を伸ばしに掛かる。うつ伏せの状態から仰向けになり、腕十字のフェイントからRNCを仕掛けるトムソン。

喉元を守るベン・ヘンにパンチを入れる。ベン・ヘンは立ち上がるがバックマウントを取られたままだ。残り2分、足のフックを解いて着地したトムソン。胸を合せたヘンダーソンがケージに押し込んでいく。右腕を差し返したトムソンだが、外掛けでベン・ヘンがテイクダウンを奪い、起き上がったところでスタンドの肩固めを見せる。引き込んで絞めを続けたベン・ヘンだが、頭を抜かれるとスタンドに戻り際に大きく股間をすくわれ投げ捨てられた。

2R、打撃の間合いから距離を詰めてケージにトムソンを押し込むベン・ヘン。ブレイクが掛かり、打撃の間合いに戻ると左ミドルを放つ。通常より打撃が少ないトムソンは、ここでも組みついて腰をコントロール、そのまま後方にテイクダウンしてバックマウントという初回と同じ流れに持ち込む。手をついて立ち上がったベン・ヘン。すぐに足を下ろしたトムソンは、首に手を回されそうになると、自ら距離を取り直す。

サウスポーに構えたトムソンに、右ボディから距離をつめて組みついたベン・ヘンだが、ここはすぐに距離を取る。残り30秒、距離をつめてきたベン・ヘンにショートのフックを放つトムソンは、ボディフックを受けた直後に蹴り足を掴んでケージに押し込む。ベン・ヘンが体を入れかえたところで2Rもタイムアップに。

3R、スーパーマンパンチでトムソンの出鼻を砕いたベン・ヘンが、寝技に持ち込みバックを取る。立ち上がったトムソンは、ワキを潜って胸を合わせると打撃の間合いへ。ベン・ヘンの左をかわして、右ストレートを伸ばしたトムソン。これも空振りに。ベン・ヘンはショートのボディフックから組みついてケージにトムソンを押し込む。体を入れ替え、間合いを取ったトムソンが右エルボーを見せる。

テイクダウンを警戒してか、蹴りをほとんど見せないトムソンは組みついてテイクダウンを狙うも、ベン・ヘンが耐える。ケージ際でエルボーを見せたトムソンは、まるでパンチを使わないかのようなファイトだ。ベン・ヘンのヒザ蹴りをキャッチし、ギロチンを防いだトムソンがバックへ。胸を合わせると同時に、シングルでテイクダウンを狙ったトムソン。これをすかしたヘンダーソンが、逆にトップを取りにいきスクランブルの攻防へ。両者スタンドに戻って間合いを取り直したところで3Rが終了した。

4R、左ミドルをキャッチするが、倒せないトムソン。やや肩で息をしたと思った直後に、組みついて腰をコントロール。即テイクダウンへ。今度はバックではなくイン・ハーフガードに留まる。フルガードに戻したヘンダーソンはミッション・コントロールから細かいパンチを入れる。腰を起こすが、頭を上げることができないトムソンは、ハイガードの状態になると頭を抜いてパウンドを入れる。起き上がろうとしたヘンダーソンを、フォールの要領でクレイドルからバックへ。

バックを取られそうになりながら立ち上がったベン・ヘンは、背中を離れ前方に回ったトムソンからテイクダウンを奪いスクランブルを制した。トムソンは、続くスタンドの展開で再びバックに回り、スタンドでも四の字フックを続けると、客を煽ってから後方に倒れRNCへ。直後に4Rもタイムアップとなった。

最終回、パンチのフェイントから左ヒザをボディに入れたベン・ヘン。足下にパンチという、独特の攻撃を見せる。トムソンは前蹴りで距離を取ると、ローキックへ。ようやく足技を見せると、右ストレートを打ち込む。サウスポーから左ロー、オーソに戻して右ストレートから、左の足払いで尻餅をつかせたトムソン。組み主体の試合の組み立てから、最終回はリズムを変えて打撃を多用する。

ベン・ヘンの右ボディフックに前蹴りを返したトムソンは、右ローから蹴り足をキャッチして、ケージ際までベン・ヘンを押し倒すと、ここでバックを奪取。胸を合わせたベン・ヘン。ケージレスリングが続き、試合は残り30秒に。20秒で距離を取った両者、間合いを探り有効な打撃のないまま試合終了を迎えた。

テイクダウン&バックグラブが細かい打撃を上回り、オクタゴン・ジェネラルシップを取れるのであれば、1、2、4Rはトムソンのもの。果たしてジャッジの判定は49-46、48-47、47-48でベン・ヘンのものに。決定打がない攻防の末、ジャッジに判定を委ねた結果、どちらに転んでも致し方ない勝負だったが、バックコントロールは膠着誘発なのか――49-46という裁定結果は、またもや一考の余地を残したといえよう。

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