【Glory36】試合前からファンが乱闘。世紀の一戦はハリの負傷で、ヴァンホーベンのTKO勝ち
<ヘビー級/3分3R>
リコ・ヴァーホーベン(オランダ/ヘビー級王者)
Def.2R1分20秒by TKO
バダ・ハリ(モロッコ)
先に入場したヴァーホーベンは花道をダッシュで駆け抜ける。対してハリの登場には試合前にもかかわらず、ファンがリングサイドに押しかけてスマホで写真撮影と大変な騒ぎに。
レフェリーの呼びかけにもリング中央に出てこないマイペースなハリ。当然のようにタッチグローブはなく、この時点でヴァーホーベンがセコンドとハグを繰り返すなど場内は異様な雰囲気に陥っている。リングサイドでファンが乱闘騒ぎを始め、いよいよ収集がつかないなかコーナーで試合開始を待つ両者、ついにゴングが打ち鳴らされた。
右を見せた両者がクリンチ、離れてヴァーホーベンが右ロー、ハリが左フックを振るい、ヴァーホーベンが左ミドルを蹴っていく。ハリは右ロー&左ジャブ、ヴァーホーベンの左ミドルをよけて左ジャブを当てる。さらに右ストレート、左を入れたハリが右フックをヒットさせる。ヴァーホーベンの攻撃は当たらず、左ボディをブロックしたハリは左ジャブ、左アッパー、左ボディ、右アッパーと攻勢に出る。ボディストレートを入れたヴァーホーベンだが、初回は場内の雰囲気と対照的に冷静なハリが取った。
2R、コーナーで大きく深呼吸を繰り返すハリ。ヴァーホーベンは鼻の付け根をカットしている。右ローを蹴ったハリが左、右とパンチを当てる。ヴァーホーベンも右を返し、右ハイを狙うと、続くローが急所に入り試合が中断される。
再開後、ハリが左ジャブもヴァーホーベンが右から左を入れる。直後にパンチをまとめたハリに対し、ヴァーホーベンが組みに行きロープにハリを詰めて2発ヒザを放つ。直後にブレイクが入ると、ハリは試合再開に応じない。レフェリーがカウントを始めても、右手をブラリと下げたままのハリはコーナーに戻り、再開不可能に。
世紀の一戦は、何とも呆気ない形で終了し、ヴァーホーベンのTKO勝ちとなった。勝者は「ハリをリスペクトしている。ベルトを賭けて再戦したい」と語った。リング上で右手首に添え木が当てられ固定されたハリは、笑顔でヴァーホーベンと言葉を交わした。
「とても残念だ。ファンのことを愛している。俺の人生はくそったれなことばかりだった。多くの人間が俺が終わったというなかで、ファンが俺を信じてくれた。リコは本物のコンテンダーだ。ベストの一人、まだベストじゃないけど本当にデンジャラスだ。こんな負け方は嫌だった。リコもこんな勝ち方は納得でないだろう。もう一度、やろう。来年、この男を俺は倒す」と話し互いに再戦を誓い合った。