【RFC35】クォン・アソル戦前夜の佐々木信治「いよいよ本気だな、と」
【写真】「覚悟はできている」、そう佐々木は語った。写真は公開計量での佐々木 (C)MMAPLANET
いよいよ本日、10日(土・現地時間)に韓国ソウルのチャンチュン体育館で行われるROAD FC 35で、佐々木信治がクォン・アソルの持つロードFCライト級王座に挑戦する。
これまでロードFCでは見られなかった日韓関係の歴史、政治、領土問題を用いて挑発してきたチャンピオンに対し、佐々木は乗らされることなくクォン・アソルの実像を見続けてきた。
その結果、どれだけの猛者かを誰よりも理解している。とにかく、前に出て戦う――それだけの覚悟が佐々木はできている。そんな佐々木が試合前夜、夕食から宿泊先に戻ってきた直後に話を聞いた。
――ずいぶんと長い食事でしたね(笑)。
「いつも行っている店で、同じサムゲタンを食べに行ってきたんです。そうしたら、今回はホテルが違っているから思った以上に遠くて。加えて物凄い渋滞でめちゃくちゃ時間が掛かったので、帰りはタクシーでなく地下鉄で帰ってきました」
――午後4時ぐらいに食事から戻って話を聞かせていただくことなって、実に6時間以上も……。試合前日に大丈夫ですか。
「ハイ。ゲン担ぎという意味もありますけど、これまで韓国で勝ってきた時と同じ味の食事をじっくりと時間を掛けて食べてきたので問題ないです。よい腹ごなしにもなりました」
――このデモで道路規制の多いソウルの反対側へ、しかもデモの方に向かっていることになると韓国の知人が言っていました。
「散歩をしてきたような感じです」
――ところでクォン・アソルの挑発に対して、見事な切り返しを見せた佐々木選手ですか、彼がああいうことを言ったから、明日の試合に絶対に勝ってという流れもホントは違っていて。ああいうこととは関係ないところにMMAというスポーツを置いておきたいというのが本音なのですが……口にしたことを省略するのも捏造といえば捏造ですし。
「僕もそうですね、だから倒せとコメントしてくださった人たちにどのように返答をするのかは考えましたね。試合が決まってからああいう挑発をずっとしてきたので、それに乗っからないというか、そこの部分は彼のパフォーマンスと捉えてきたので。だからクォン・アソルという選手に対する感情や、試合に対する気持ちで変わったことは全くないです」
――挑発に乗らず、実像を見てきたと。
「ハイ。そして映像を見て、チェックすればするほど強い選手でした。でも穴があったり、ポカをすることもある。それは明らかに気合が入っていなかったり、自信過剰になっている時なんですよね」
――久米鷹介選手に勝った時のクォン・アソルが一番嫌な相手だと思います。
「あのクォン・アソルが来るんじゃないかと思っています。あと、エドゥアルド・フォラヤンとONEで戦ったアソルも判定負けはしましたけど、強かったです。
試合に対するモチベーションで強さがかなり変わる選手なので、今回どっちかなって思った時に――あれだめ舐めたような発言をする分、警戒しているのかと。アレだけの発言をするということは、結果的に自分自身を追い込んでいるわけですし。強い方のアソルが来るんだろうなって覚悟はしています(苦笑)」
――強い方、つまり嫌な方ですね。
「できれば舐めていてほしいぐらいです(笑)。あれだけ体が大きかったので、計量の失敗とかしてきたら舐めているなって思えたのが、きっちりと合わせてきていましたし。ちゃんときれいに水抜きもできていて、げっそりすることなく脂肪を落としていた。いよいよ本気だな、と。ああいう姿を見ると気合は入ります。
やはり、どこかで強いクォン・アソルと戦いという気持ちもあるんです。同時に強い方が来ると怖いなぁとか、弱い方が来ると気が抜けるなぁとか色々な感情がありました。でも、強い方が来る前提で仕上げてきたので、だから気持ちが揺れることはないです。強い人と戦う想定でやってきたので」
――覚悟はできていると。
「もちろんです。久米(鷹介)君との試合も何度も見たので、よくあれだけ動けるなと。自分ができることも限られてきます。器用ではないのでぶつかっていくしかない。前に出続けて戦います」
――試合前夜に言うべきことではないでしょうが、厳しい戦いになると思います。勝利者予想をすれば、それこそ不利でしょう。でも、今の佐々木信治にはそこを跳ね返す可能性がある。そういう期待感があることがファイターとして大切だと思います。
「ファン目線で、自分が他の選手を見た時もそこを見ています。それに自分としても有利より不利な方がモチベーションも上がりますし。この試合を自分が第三者としてみた場合、佐々木が不利だと思っているはずです。格闘技が好きで、結構見る目は肥えている。その自分が見て、相手の方が有利と思える試合でもどうにかできてきたのは、覚悟の違いだと思っています。
もう年齢的にも後がないので、何かを起こさないと。いつも通りの食事も摂ったし(笑)。きれいにテイクダウンを狙ってパスを仕掛けるなんて、そんな風にできる相手でもないので。一発ぶちかますしかないです。技術的なことで勝負しようとは思わなくて、とにかく前に出続けます」
■ Road FC35計量結果
<ウェルター級チャリティーマッチ/5分2R>
キム・ボソン:76.7 キロ
武士正: 77.4キロ
<ROAD FCライト級選手権試合/5分3R>
[王者] クォン・アソル: 70.5キロ
[挑戦者] 佐々木信治: 70.4キロ
<ROAD FC無差別級選手権試合/5分3R>
[王者] マイティー・モー: 131.5キロ
[挑戦者] カルロス・トヨタ: 114.4キロ「
<ROAD FCミドル級選手権試合/5分3R>
[王者] チャ・ジョンファン:84.4 キロ
[挑戦者] RYO: 83.9キロ
<バンタム級/5分3R>
キム・スーチョル: 61.8キロ
清水俊一: 61.6キロ
<ライト級/5分3R>
キム・スンヨン:70.1キロ
ブルーノ・ミランダ:70.5キロ
<ライト級/5分3R>
パク・ウォンシク: 70.4キロ
ムングオスズ・ナンディンエルデン: 70.4キロ
<80キロ契約/5分3R>
イ・ウンス: 80.1キロ
ヤン・ポン:79.9 キロ
■ Young Guns31計量結果
<フェザー級/5分2R>
パク・ヒョングン: 65.9キロ
キム・ヒョンス:65.9キロ
<ライト級/5分2R>
キム・ギョンピョ: 70.4キロ
パク・デソン: 70.5キロ
<フェザー級/5分2R>
キム・セヨン: 65.8キロ
イ・チャンジュ: ――キロ
<フェザー級/5分2R>
イ・ジョンヨン: 65.9キロ
キム・ホジュン: 65.4キロ
<フライ級/5分2R>
カン・ヨンス: 57.2キロ
ワン・デユ: 56.7キロ
<ライト級/5分2R>
玉木壽成: 70.4キロ
キム・ギュヒョン:70.2 キロ
<フライ級/5分2R>
キム・ウジェ: 57.1キロ
コ・ドンヒョク:56.2 キロ