【Bellator166】根性&前進のウォーレンを遮断、ドゥドゥ・ダンタスが2-0ながら完全防衛
<Bellator世界バンタム級選手権試合/5分5R>
ドゥドゥ・ダンタス(ブラジル)
Def.2-0:49-44.48-46.47-47
ジョー・ウォーレン(米国)
腰と両手を下げた構えでまずウォーレンを挑発しダンタス。左ジャブで互い牽制するが、パンチのスピードはダンタスが上だ。左ジャブ、左ボディストレートを打ち込むダンタスは、ウォーレンの前進もサイドステップでかわす。完全に距離をコントロールする王者は、左ジャブ2発から右ストレートを打ち抜く。
ウォーレンは左ジャブを打たれ続け、前に出ることができない。結果、振りが大きくなりダンタスのワンツーを被弾。さらに左ジャブを打たれたウォーレンが右を届かせる。強引な組みを簡単に見切られてウォーレンは、胸が合っても右腕を差し切れないで離されてしまう。袋小路に迷い込んだようなウォーレンに対して、ダンタスはバックヒジを見せるなど初回を圧倒した。
2R、いきなり仕掛けたウォーレンが前に出て右を振るう。ダンタスは焦らず左ジャブ、前蹴りをキャッチしたウォーレンだが、ケージに詰めることなく足をリリースする。初回より思い切って前に出るウォーレンに対し、ダンタスは左フック、直後に右にステップを踏みワンツーを打ち込む。
ウォーレンの突進は手が前に出て足が続かず、チャンピオンを捉えることができない。近距離でのヒザをかわして、右ローを蹴り込むダンタス。前足を削られると、ウォーレンがいよいよ厳しくなってくる。追いかけても、追いかけても逃げられるウォーレンだが、これを続けるしかない。ダンタスは右と左のローでウォーレンの軸を崩し、ボディストレートで動きを止める。
ジリジリと仕留めに入るダンタスはロー、ウォーレンの右フックをダッキングでかわして右ローを続ける。その右ローをキャッチして、押し込むとヒザ蹴りを狙う。ここも防いだドゥドゥが、2Rも完全なラウンドとした。
3R開始直後にアイポークがあったと王者がアピールして試合が中断。再開後、すぐに左ジャブを入れたダンタスがウォーレンの前進にヒザを合わせ、右ローを思い切り蹴り込む。追いかけては攻撃を被弾するウォーレンは、右ローで体が固まる。続く右ローをキャッチしたウォーレンがこの試合、始めてバックに回り込む。
頭をケージについてクラッチをはがしにいくダンタスが、胸を合わせに来たウォーレンを絶妙のタイミングでいなして離れる。右ストレート、右ローを入れたダンタスは左右に回って右ストレート。体も気持ちもタフなウォーレンは右ロングを返す。右オーバーハンドをかわしたチャンピオンだが、この勢いは一瞬たりとも気を抜くことはできないはずだ。
と、ダンタスの右前蹴りが急所に入りまたも試合が中断。活きを整えたウォーレンは再開に応じると、続く前進で頭が当たる。ヒザ蹴りを続けたダンタス、構えを変えつつハイを蹴ると、これを避けようとしたウォーレンがバランスを崩す場面も。王者優勢、挑戦者が粘るというまま試合は4Rに。
引き続き左ジャブを伸ばすダンタスの右ローでウォーレンの足下がばたつく。手をついて蹴りを見せたウォーレンだが、ダンタスを余裕でスウェイバック。それでもウォーレンは組みついていくが、ダンタスがいなして距離を取り直す。ダブルを仕掛けても、真正面で受け止めてスプロールできるようなったチャンピオンは自在なステップでウォーレンを翻弄する。
残り90秒、ダブルアンダーフックでケージに王者をつめたウォーレン。ついに尻餅をつかせたが、ダンタスがすぐに立ち上がって離れる。左ロー、右前蹴り、左ジャブを繰り出す王者も、さすがに疲れたかスピードが落ちてきている。
当然ウォーレンも疲れているが、消耗戦で気持ちが持つのはどちらか。勝負は5Rにもつれ込んだ。最終回、いきなり距離を詰めたウォーレン。ケージ際を回って離れたダンタスは右フックを狙う。ダンタスの左ミドルがまたも急所付近に入り、ウォーレンにインターバル──さらにダンタスにペナルティで1Pの減点が告げられる。
再開後、組んでケージにダンタスを押し込んだウォーレン。狙いはスクランブルからバック奪取か。腰を落としてテイクダウンを防ぐダンタスは時間が過ぎるのを待つ。ハイクロッチをウィザーで防ぐチャンピオン、残り67秒でレフェリーがブレイクを命じる。王者の右前蹴りに対し、ウォーレンは飛び込んで左。ウォーレンの前進をかわしたダンタスが、ベルトは俺のモノというアピール。最後はダンスを見せるなど、余裕の距離のコントロールを見せた王者は、その露骨な態度にブーイングを浴びた。
それでもベスト尽くして戦った両者は、試合終了とともに笑顔で健闘を称え合う。結果、ジャッジ一人が減点があったとしても47-47をつけるという不可解なスコアをつけたもののダンタスがマジョリティ判定勝利で王座防衛に成功した。
チャンピオンは「僕が最強のチャンピオン。誰も僕のベルトを獲れない。欲しいヤツは誰でも取りに来い。コールドウェルとタイマングロ? 心配ない、僕がチャンピオンだ」と話し、最後に飛行機事故で多くの人命が失われた母国のサッカーチーム、シャペコエンセに追悼の言葉をおくった。