【IF-Project】デラヒーバ杯2016に25名の教え子を送り込むヒロブラジリアン柔術、馬場弘樹代表に聞く
【写真】コパカバーナにあるデラヒーバ柔術でも修行を行っている馬場代表はオズワルド・アウベスの黒帯(C)IF-PROJRECT
27日(日)、東京都台東区の台東リバーサイドスポーツセンターで日本ブラジリアン柔術連盟(JBJJF)公認の『ヒカルド・デラヒーバ杯2016』が開催される。25名が参加するヒロブラジリアン柔術アカデミー横浜の馬場弘樹代表に、大会への意気込みを聞いた。
Text by Takao Matsui
――ヒカルド・デラヒーバ杯2016に、25名も参加すると聞いて驚きました。
「うちのアカデミーは、横須賀基地で働くアメリカ人生徒も多いんですが、来月、茶帯のカイル・ローデス選手が帰国することになりまして、記念にデラヒーバ杯へみんなで出場しようという声があがっていったんです。今回は25名ですが、今年の8月には別の大会に80名が出場しました」
――柔術熱が高い生徒が多いようですね。
「それは間違いないです。でも、みんな忙しいようですね。40歳の生徒が多いためか、家族や仕事の都合でなかなか練習に参加できない方も多いです。週2回、練習日を確保するのがやっとの人も多いようですし。練習時間が残り30分前に顔を出してスパーリングのみ参加する人もいますので、日々の生活の調整が大変そうです」
――馬場代表は、ブラジルで初めて黒帯を獲得した日本人として有名ですが、練習環境において両国の差を感じることはありますか。
「ブラジル人は、バイタリティのある人が多いです。もちろん環境やレベルの違いはありますので単純な比較はできませんが、そこは感じますね。ただ、ブラジル人は技がかかると早く諦めることもありますが、日本人はもう少し粘る印象があります」
――なるほど。そういう違いもあるのですね。指導している中で、心掛けていることはありますか。
「自分が学んだことや感じたことを伝えるようにしています。2年に1回は、課題を持ってブラジルへ行きアップデートしていますので、そこで得たことを教えるようにしています」
――例えば、具体的にどういうことがありましたか。
「そうですね……。少し前ならばベリンボロの攻略法や体重移動、細かいテクニックについてなどを向こうで確認したことがありました」
――モダン柔術と呼ばれるテクニックについては、どう考えていますか。
「柔術は古くからやっていますので、原形から変化していった過程や経緯を知っています。それを理解した上で取り組むのはいいと思いますので、否定はしません。しかし最先端の技の研究も大切ですが、やはり重要なのは基本。日本人は動画を見て覚えた流行りの技に飛びつく傾向がありますので、基本も同じように大切にしてほしいとは思っています」
――どのジャンルにおいても、それは同じなのですね。
「あと指導していて思うのは、できないことがあっても諦めずに続けてほしいということですね。ブラジル人は、壁にぶつかると『そのうちできるようになるよ』とよく言うんですけど、その通りだなと思います。根気強く続けていると、必ずできるようになる日がきますので、そこまで辛抱できるかどうかが勝負なんですよね」
――今回、大会に出場する選手へアドバイスはありますか。
「初めて出場する選手もいますので、1勝できるといいですね。練習したことを出してほしいと思っています。柔術は、学校や会社、家庭といった生活の中に組み込まれる存在になれる可能性がある競技だと思っていますので、できる限り継続してほしいです」
――アカデミーを設立して今年で13年目。新しい支部が横浜市緑区にオープンしたと聞きました。
「はい。6つ目の支部になります。仲間がオープンしましたので、応援してあげてください(中山トゥーカンブラジリアン柔術」
――馬場代表も多忙な日々を送っているようですね。
「おかげ様で、あまり休みもなく働いています。昼2時から夜10時まで、ほぼ稼働しています。でもブラジルでは道場に寝泊まりして毎日練習していたので、あまり生活は変わらないんですけどね(笑)。ともかくデラヒーバカップをがんばります!!」