【WJJC2016 No-Gi】大混戦ライト級にゲイリー・トノン&タンキーニョ、マーシオ・アンドレが参戦!!
【写真】ヒールのないIBJJFルールで、トノンがどのようなノーギ柔術を見せるか。非常に楽しみだ (C)POLARIS
5、6日(土、日・現地時間)の両日、カリフォルニア州ダリーシティのカウ・パレスにて、IBJJF(世界ブラジリアン柔術連盟)主催の世界ノーギ柔術選手権が行われる。ADCC世界大会に次ぎノーギ・グラップリングの最高峰の舞台と言えるこの大会には、今年も注目すべき強豪が多数エントリーしている。以下、アダルト男子黒帯の見所を、ここでは軽量2階級から紹介したい。
【フェザー級】
昨年、元先輩のタンキーニョことアウグスト・メンデスとのクローズアウトで優勝を飾ったケイシーニョことオズワウド・モイジーニョ(アレス)がエントリーし、二連覇を狙う。ここに、その盟友であり昨年のライトフェザー級準優勝のサミール・シャントレも参戦。ケイシーニョとシャントレによるクローズアウトの可能性は高い。
その阻止を狙うのが、彼ら二人の元チームメイトのキム・テハ(ブラザCTA)。ケイシーニョとシャントレは、もともとキムの兄のカイオのアソシエーションに所属していたが、そこと縁を切る形で独立して新チーム=アレスを結成したという経緯があるだけに、テハ弟との試合は因縁対決となる。
【ライト級】
昨年優勝の大ベテラン・マイケル・ランギこそ出場していないものの、多くの大注目選手がエントリーし、今年の最激戦区と言えるのがこのライト級だ。何と言っても一番の注目株は、ゲイリー・トノン(グレイシー・エリート・チーム)。名伯楽ジョン・ダナハーの弟子として、盟友エディ・カミングス、弟子のゴードン・ライアンとともに最先端の足関節システムを使いこなし、近年盛り上がりを見せているサブミッション・オンリー・シーンの中心にいる存在だ。英国のポラリスにおいて今成正和をヒールフックで極め、体格とパワーで遥かに勝る壊し屋ホウジマール・トキーニョをもサブミッションに次ぐサブミッションを仕掛け圧倒してみせたことは記憶に新しい。
必殺のヒールフックが禁じられており、さらに10分という制限時間内でのポイントやアドバンテージ争いで決着が付くIBJJFルールの下、トノンがどのようなノーギ柔術を見せるのか。得意のトラックポジションからの波状攻撃や、従来の発想を打ち破るような上半身と下半身のサブミッションの連携に期待したい。
そしてトノンを凌ぐ優勝候補として、2人の超一流柔術家が参戦する。一人は元ギあり柔術世界王者にして、前回のフェザー級の覇者タンキーニョことアウグスト・メンデス(ソウルファイターズ)。ギィとハファのメンデス兄弟の天敵として君臨するなど、モダン柔術の仕掛けに滅法強いだけでなく、トノンの盟友エディ・カミングスと2度対戦し、その足関節の仕掛けをことごとく防いでみせたこともあるタンキーニョ。体格に勝るトノンのダイナミックな攻撃をも封じることができるのか、実現したらまさに夢のカードだ。
もう一人は、今年の世界柔術にてコブリーニャことフーベンス・シャーレスからパスを奪って勝利するという大仕事をやってのけたマーシオ・アンドレ(ノヴァウニオン)だ。その上攻めのプレッシャーの強烈さは、ギあり柔術において、コブリーニャのオープンガードやミヤオ兄弟のベリンボロをも圧倒できるほど。ノーギにおいても大いに威力を発揮することだろう。
さらに昨年準優勝のマンシャー・ケラとモダン柔術の雄ジャンニ・グリッポというアリアンシコンビ、極めを凌ぐ強さと相手を怒らせる口撃力においてはグラップリング界随一のAJアガザーム(グレイシー・バッハ)等、楽しみな選手が多数エントリーしている。