【UFC97】王者防衛も鳴り響くGSPコール、リデルは完敗
4月18日(土・現地時間)カナダ・ケベック州モントリオールのベル・センターではUFC97『REDEMPTION』が開催された。
レデンプション=(約束の)履行というタイトルが付けられた今大会では、UFC世界ミドル級選手権試合アンデウソン・シウバ×ターレス・レイチのブラジリアン対決をメインイベントに、セミファイナルにはチャック・リデル×マウリシオ・ショーグンの一戦をラインナップ。ジョルジュ・サンピエールの名前がないカナダ大会をビッグネームの登用でカバーする格好となった。
だが、そんなメインイベントも、場内には“GSPコール”が鳴り響く。2R目こそアンデウソンからテイクダウンに成功したレイチも、その後は打撃を嫌がりテイクダウンも中途半端に。王者アンデウソンも仕留めに掛からないところから、試合は弛緩した空気となり、5Rを通じて面白味もないファイトに終始したアンデウソンが、大ブーイングとGSPコールの中で5度目の王座防衛、そしてUFC新記録となる9連勝を果たした。
また、セミファイナルでは、ショーグンが左フックでリデルからダウンを奪うと、追撃のパウンドを放って完勝した。試合後、彼の功績を最大限に称え、引退という言葉を引き出そうとするジョー・ローガンに対し、明言を避けたリデルではあったが、試合内容を見る限り、ダナ・ホワイトの引退勧告もあながち間違いとはいえない結果であった。
さらに、ライトヘビー級戦では、リデル×ショーグン意外にも元WEC王者組ブライアン・スタンとスティーブ・キャントウェルが出場。TUF8で注目を集めたクリジストフ・ソジンスキー、強豪ルイス・カーンとそれぞれ対戦したが揃って敗戦を喫し、昨今著しく厚みを増す同級の壁、その高さを感じさせた。
その他にも、日本から長南亮が出場を果たし、地元のMMAイベント・TKOで活躍したTJ・グラントと対戦したが、判定2-1で手痛い敗戦。スピリットながらもジャッジの一人は30-27を付ける首を傾げたくなるスコアでもあったが、これにより長南のUFC戦績は1勝3敗に。その一方で、デニス・カーンはDEEPに来日経験のあるプロフェッサーX=フォウパポッカムから判定勝ちを収めた。