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【UFN90】勝利に拘りTDゲームを仕掛けたロイ・ネルソンだが、デリック・ルイスに下る

<ヘビー級/5分3R>
デリック・ルイス(米国/12位)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ロイ・ネルソン(米国/10位)

思い切り右オーバーハンドを空振りしたネルソンだが、組みついてルイスをケージに押し込む。そのまま残り3分まで同じ状況が続き、レフェリーがブレイクを命じる、右ハイから前に出たルイスに再び組みついたネルソンが、ここでテイクダウンに成功。ハーフから右エルボーを落とす。右腕を差して立ち上がったルイスのヒザをボディに受けて下がったネルソン。ルイスはヒザ蹴り、右アッパー、そしてヒザ蹴りからフックの連弾と猛攻を仕掛ける。

ネルソンは組みついて何とか難を逃れるが、一回り大きなルイスを相手に思うような試合に持ち込めない。2度目のブレイク後もアッパーからフックの連打、ハイキック、エルボーに左右のフックを被弾。それでもテイクダウンからマウントを奪ったネルソンだが、かなり疲弊した初回となった。

2R、ネルソンは右ストレートの奇襲もルイスが距離を取る。ルイスは走り込んでヒザ蹴り、ネルソンのオーバーハンドを見切っているか。ローを蹴り合った両者、ここで一旦試合が落ち着き、ジリジリとネルソンが前に出る。手数が減ったルイスに対し、ネルソンは組んで両差しの状態でケージに押し込んでいく。差し合いからボディにパンチを入れるネルソン。ダブルレッグに出ると、テイクダウンに成功し一気にパスに成功する。

ルイスの立ち上がり際にバックに回ったネルソンは、胸を合わせてきたルイスをまたもテイクダウン。ルイスはすぐに立ち上がったが、かなり体力を消耗しているようだ。3度目のテイクダウンからトップを取り、サイドで抑え込むネルソン。何と上体を起こすだけでスペースを作り立ち上がったルイスだが、このラウンドは完全に失った。


最終回、右を振るう両者。ともに空振りとなったが、ルイスがハイキックからヒザ蹴りを狙う。ヒザを受けながら組んだネルソンは両足の後ろがグリップし、肩から押し込みテイクダウン奪取。ネルソンは懸命にハーフで抑え込み、ルイスが立ち上っても胸をつけた状態を許さない。

またもダブルレッグでテイクダウンしたネルソン、ルイスが倒されて立ち上がるという展開が続き、打撃戦に持ち込むことができない。残り1分20秒で神の恵み、ブレイクが命じられると、ルイスは左ミドル。アッパーの連打から左フックを打ち込む。わき目もふらず組み付いたネルソン、ルイスは離れるとアッパーからフックお打ち込む。右フックがアゴをかすめたルイスが、思い切り右フックを逆に打ち込む。モロにパンチを受けながら、立ち続けたネルソンはタイムアップと同時に舌を出して右手を突き上げると、笑顔を浮かべた。

初回はルイス、2Rはネルソン、最終回のテイクダウンとパンチの連打──ジャッジがどちらを評価するか。その判断は分かれ、ルイスが凱歌が挙がった。ファンの喜ぶ試合が信条のネルソンは、勝利に拘った試合をしたが判定負け。最後のラウンドはダウンをしていないだけに──しょうがないとはいえ、MMAという攻撃手段の多いコンバットスポーツの競技特性を考慮すると、気の毒な判定負けだ。

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