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【Asian Open】アラン・ペセダ(02) 「始まりは黒帯になってから」

Allan Cepeda

【写真】 ,目指すはアジア・オープン紫帯2階級制覇、レスリングを取り入れトップコントールに磨きを掛けるアラン・ペセダ(C)MMAPLANET

26~27日(金~土・現地時間)に東京・足立区の東京武道館で開催されるアジア・オープン柔術選手権大会

同トーナメントにはアジア太平洋地域の新興勢力グアムより、多くの選手が出場する。そんなグアムの紫帯柔術家、ミッドヘビー級と無差別級制覇を狙うアラン・ペセダのインタビュー後編。柔術と共に生きる青年像に迫る。

<アラン・ペセダ インタビュー、Part.01はコチラから>

──普段は働きながら、その合間にできるだけ柔術のトレーニングをするのがアランのスタンスなのですね。

「家族のために夜に仕事をしていて、日中はトレーニング。トレーニング後に家で休んで、仕事に向かうんだ」

──決して楽な環境ではないですね。

「タフだよ。でも、柔術が絶対に諦めない気持ちを僕に教えてくれたんだ。どれだけ疲れていても、練習にも仕事にも向き合う。『疲れた』って言葉は絶対に口にしない。それを言ってしまうと、絶対にチャンピオンにはなれない。そういう否定的な考えにエネルギーを費やすのではなくて、しっかりと前向きにエネルギーを使いたい。

柔術の試合に出るのも、家族を守るのも同じこと。マットの上以外では、家族のために戦っている。だから疲れたなんて言っている暇はない。ガールフレンドも少しでも僕が柔術のトレーニングに集中できるようサポートしてくれているんだ。彼女は『あなたは特別な人。アランのように目標に向かって、懸命になれる人に会ったことはない』と言ってくれる。そんな彼女に僕は支えられている。彼女だけなく家族、ピュアブレッドの皆、そして神様にも支えられているんだよ」

──アジア・オープンに再び、やってきます。その意気込みを聞かせてください

「アジア・オープンは日本で開かれる世界的なトーナメントだ。いつだって、あの場で戦えることを嬉しく思っている」

──ミドル級やミッドヘビー級は、日本では層の薄い階級ですが、アランより体格の小さな日本の柔術家には、どのような印象を持っていますか。

「日本の柔術家は強い気持ちを持っている。そしてガードが強い人が多いね。柔軟でパスをするのが本当に難しい。それこそ絶対に諦めない気持ちに通じている。僕は世界のベスト柔術家と戦いたい。日本には世界のトップに肉薄している柔術家がいる。彼らとコンピートできることは、とても光栄だ。

僕はそんなに日本の柔術家を知っているわけじゃないけど、ピュアブレッド大宮のトキトー(時任琢磨)さん、彼は素晴らしい柔術家だ。あとはシシド(宍戸勇)さんも本当に凄い。僕が初めてピュアブレッド大宮に行ったとき、シシドさんは白帯を巻いていた。なんて凄い白帯がいるんだって、本当に驚いた。そして、僕のインストラクターに『彼は何者なんだ?』って尋ねたら、『彼は黒帯だ。でも、ずっと練習して色が落ちて、白帯に見えるだけだ』って(笑)。

シシドさんとロールすると、これまで感じたことのない柔術だった。プレッシャーも強くない。力も使わない。ただ、ひたすらスムーズでテクニカルなんだ」

──時任選手や宍戸選手の名前が出てくることで、アランの柔術への姿勢が伝わってきます。世界に目を向けると、目標にしている柔術家はいますか。

「レアンドロ・ロ、ハファエル・メンデス、コブリーニャ、マーカス・ブシェシャ・アルメイダ。米国人ならJT・トーレス、キーナン・コーネリアス、グアム出身で今はサンディエゴにいるマイク・コーヴァネイド、僕の親友なんだけど、本当に強くなっている。憧れている柔術家はたくさんいるよ。僕も彼らのようになりたい」

──IBJJFの大会に出場しているアランですが、メタモリスのような柔術はどのように思いますか。

「サブミッション・オンリーっていうアイデアは好きだよ。僕もポイントを取るために戦っているつもりはない。少しでも早く試合にケリをつけたいんだ。でも、結着がつかなければドローっていうのは、どうなんだって思う。柔術っていうのは、一人の勝者と一人の敗者……違うな、一人の敗北から学んだ者が生まれるモノだと思っている。ドローで決着がつかない点は、改善して欲しい」

──なるほど。その結果、柔術はポイントシステムを導入したといっても良いでしょうしね。ところでアジア・オープンで目指すところは?

「どのトーナメントでも、ゴールは優勝だけだよ。自分の階級だけでなく、アブソルートでも優勝したい。過去2年、ケガが原因でアブソルートに出場できなかった。今年こそは、無差別も出て2階級制覇を実現させたい。でも、それはあくまでもアジア・オープンでの目標だよ。

柔術家として、可能な限り学び続けたいんだ。青帯から紫帯、茶帯と帯の色が変わっていくと、もう十分に柔術を教わったと思ってしまう人が多い。それは違うよ。黒帯を巻いて初めて、柔術家として出発点に立つことができるんだ。

僕は紫帯、柔術を習い始めて7年、でもスタート地点にも行きついていない。僕の本当の柔術ライフは黒帯を巻いてから始まると思っている。でも、いつ黒帯に巻けるのか――とか、そういうことは考えない。ただ、トレーニングして学ぶこと。今も1日、1日、学ぶことがある。柔術は心を開くことを教えてくれた。視野を広げて、ハードトレーニングを続けていると、自然と帯の色は変わっていくもんだよ」

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