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【Glory31】精度が勢いを凌駕、シッティチャイがスプリットでロスマーレンを下し新Gloryライト級王者に

<Glory世界ライト級選手権試合/3分5R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/1位)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
ロビン・ヴァン・ロスマーレン(オランダ)

ロスマーレンが右を振って前に。シッティチャイがヒザで待ち受ける。そのシッティチャイは淡々とヒザ、アッパー、ロー、前蹴りを繰り出す。さらに左ミドルハイから左ストレート、ガードを固めたロスマーレンが前に出ようとすると前蹴りとミドルで突き放し、ヒザを狙う。ロスマーレンはローから左ジャブ、サイドへ踏み込もうとしたがミドルを受けて前に出ることができない。シッティチャイは右フックから左ミドル。そして跳びヒザへ。左ストレートを打っていったシッティチャイに対し、ロスマーレンも右からローを返したが、最後に左ストレートを被弾し初回を失った。

前回の試合とは違い前蹴りよりも、左ミドルを多用したシッティチャイ。2Rになると王者が前に出ようとするが、シッティチャイは左ミドル、左ローからヒザを決める。さらに左ストレートから左ヒザを入れ、ボディフックと攻めるシッティチャイは前蹴りで突き放すと、アッパーを決める。ロスマーレンが左ジャブを返すも、ローとヒザから左ストレートをチャレンジャーが打ち込み、ヒザにつなげる。

残り1分、ロスマーレンの右ミドルはブロックされ、左ストレートは届かない。シッティチャイは左ローを入れて、左ストレートから左ミドル、ロスマーレンも右フックを返していくが、ここもシッティチャイのラウンドとなった。

3R、攻撃を続けながら、解説者から「軽い、フィニッシュを狙う必要がある」とその正確さを否定し、粗さがしされるような言葉が出るなか、シッティチャイは左ミドルを蹴り込む。王者は左ジャブから右ロー。ローを蹴り合い、シッティチャイは左ミドルから左ロー。ロスマーレンの右ストレートに、アッパーから左ストレートを返す。続いて左ヒザを蹴りこんだシッティチャイは、首相撲からもヒザを見せる。

左フックを打ち合った両者、シッティチャイは左ヒザを2発、続いて左ミドルを入れる。左の蹴りに前に出ることができない王者は、接近戦でショートフックを纏め、右をヒット。シッティチャイのヒザにフックを合わせるという賭けに近いトライをしたロスマーレンだが、挑戦者は左ミドルで突き放した。

4R、右フックから前に出たチャンピオン。細かいパンチからローにつなげる。さらに右をヒットさせるなど精度が上がったロスマーレンに対し、シッティチャイは左ミドルにフックを合わされる場面も見られる。ワンツーから右アッパーと攻勢のロスマーレンは、右でシッティチャイの動きを一瞬止める。

シッティチャイの左ミドルをブロックして前に出る王者は蹴りを受けても、勢いのあるパンチで前に出てショートを連打。ポイントを取り返す攻撃に加え、シッティチャイが明らかにスローダウンしたこともあり、ロスマーレンが明確にラウンドを取った。


最終回、前のラウンドの失速がこの3分間のためだったのか、本当に疲れたのか──シッティチャイのローが急所に入り試合が中断。再開後、ロスマーレンが左フック、シッティチャイは左ミドルからローを見せる。パンチの打ち合いに持ち込んだチャンピオンは右フックをヒット、直後にシッティチャイがヒザを決める。

右フックを入れたチャンピオン、挑戦者は左ミドルから左ヒザを返す。残り1分、左をヒットさせたシッティチャイが、ロスマーレンの前進に右を決める。さらにワンツー、ここに来て王者は疲れたか。左をヒットしたシッティチャイは左ミドル&ロー、最後はクリンチから離れパンチを交錯するなかで、ヒザから左フックをシッティチャイが決め、ロスマーレンは打たれても下がらない姿勢を見せた。

精度でいえば1~3Rはシッティチャイだが、接近戦で力を込めたパンチの数と前に出る姿勢ではロスマーレンを取るジャッジがいることも十分にあり得る。4Rは確実に王者のラウンド──、最終回も本来はシッティチャイが優勢だが……。ポイントで勝利することの難しさを試合前に語っていたシッティチャイは、倒す試合ができなかったことも事実。

と、結果はスプリット判定でシッティチャイに凱歌が挙がった。両手を広げ勝利を喜ぶ新チャンピオン、対してロスマーレンは即リングを後にした。「僕の方がよりアグレッシブで、彼はディフェンシブだった。チャンピオンになれた夢が現実となった。ロビンは凄く良いファイターだけど、今夜は僕の方が良かった」とシッティチャイは語った。

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