【UFN27】殴りのセラーニ×首相撲&レスリングのドスアンジョス
【写真】同じ全局面ファイターでも、全く持ち味が違うドナルド・セラーニ×ハファエル・ドスアンジョス。持ち味を発揮し合うのか、消し合うのか。前者でセラーニ、後者でドスアンジョスという見方も成り立つ(C)GONGKAKUTOGI
28日(水・現地時間)、インディアナ州インディアナポリスのバンカーズライフ・フィールドハウスに開催されるUFC Fight Night27「Kampmann vs Condit」。そのセミで同じようなスタイルの格闘技を修得しながら、その持ち味がまるで違うライト級ファイターの対戦=ドナルド・セラーニ×ハファエル・ドスアンジョスが組まれている。
ランキング的にいえば6位のセラーニと、10位のドスアンジョス。世界最高峰UFCライト級戦線に置いて、このランクの違いは決して実力の差に比例しない。セラーニのUFC戦績は9勝2敗、対するドスアンジョスは8勝4敗。ドスアンジョスは2連敗からここまで盛り返してきた。そのドスアンジョスが敗れた相手は、主にテイクダウンを主力としており、スプリットを含めた判定負け、負傷TKOという負け方をしている。一方、セラーニがここまで喫した2敗はネイト・ディアス、そしてアンソニー・ペティスに打ち負けてのもの。
ムエタイやK-1がベースで、重心が高い構えのためにテイクダウンを許すことが多く、ガードワークを中心とした極める柔術をマスターしてきたセラーニ。UFCで戦うようになってからは、テイクダウンを要所で決めるようになった。ドスアンジョスはグレイシー・バッハ=柔術の総本山の黒帯で、そのMMA部隊を引っ張ってきた。グレイシー・フュージョン時代から打撃を取り入れてきたが、フュージョンがイヴォルブMMAに進化するや、ムエタイ流の首相撲とレスリングを融合させたケージ・クリンチで一躍脚光を浴びるようになった。彼のケージ・クリンチはヒジやヒザ、そしてダブルレッグとの連係でMMAに新たな技術革新をもたらしたといっても過言でない。
ともにムエタイ、柔術、レスリングのエッセンスを取り入れながら、スリルを求めた殴り合い上等スタイルで人気を博すセラーニと、マニアや選手間で評価が高いドスアンジョス。身長で8センチの差があるため、ドスアンジョスが如何に首相撲の展開に持ち込むことができるか。もちろん、その前にセラーニが打撃戦でドスアンジョスの前進を止める可能性もあるが、その場合、気を付けないといけないのは、組み立てに使うローキックがドスアンジョスにキャッチされると、テイクダウンを許すリスクを持つということだ。組みたいドスアンジョスに対して、セラーニの足払いがどれだけ有効か。引き出しの多い両者だけに、この試合の行方を占うのは簡単ではない。それだけ実力が拮抗しているライト級ランカー対決といえる。
■UFC Fignt Night 27 「Condit vs Kampmann 2」対戦カード
<ウェルター級/5分5R>
カーロス・コンディット(米国/2位)
マーティン・カンプマン(デンマーク/6位)
<ライト級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国/6位)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル/10位)
<ウェルター級/5分3R>
ケルヴィン・ガステラム(米国)
ブライアン・メランソン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
コート・マクギー(米国)
ロバート・ワイッタカー(豪州)
<バンタム級/5分3R>
水垣偉弥(日本)
エリック・ペレス(メキシコ)
<ミドル級/5分3R>
ブラッド・タヴァレス(米国)
ロバート・マクダニエル(米国)
<ミドル級/5分3R>
ディラン・アンドリュース(ニュージーランド)
パピー・アベディ(スウェーデン)
<ウェルター級/5分3R>
ジャスティン・エドワーズ(米国)
ブランドン・ザッチ(米国)
<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
日沖発(日本)
<ウェルター級/5分3R>
ジェイムズ・ヘッド(米国)
ジェイソン・ハイ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ザク・カミングス(米国)
ベン・アロウェイ(豪州)
<ライト級/5分3R>
ロジャー・ボウリング(米国)
エイブル・トゥルージロ(米国)