【Glory28】アルテム・ヴァキトフがボディを効かせ、カバラーリの前進止め新ライトヘビー級王者に
<GLORY世界ライトヘビー級選手権試合/3分5R>
アルテム・ヴァキトフ(ロシア/4位)
Def.3‐0:50-45.50-45.49-46
サウロ・カバラーリ(ブラジル)
重い右ローからワンツー・フックを見せ、ボディにもショートでワンツーを入れるカバラーリ。ヴァキトフは左フックから右ローを返す。ガードの上からワンツー、右ハイを放つチャンピオンは右ローに続き、右ミドルハイを蹴っていく。ともにガードを高くして、相手の攻撃を受けて、反撃に出るという展開のなかで手数は王者が多い。ヴァキトフは強烈な右ボディフックを効かせ、ガードを貫いて右フックをヒットさせる。コーナーを背にしらカバラーリの右前蹴りも、ヴァキトフのガードをすり抜けた。
2R、互いにミドルを見せ、やや遠い距離から王者がスピーディな左ミドルを蹴りこむ。距離が近づくとヴァキトフはショートフックの連打を見せる。蹴りはカバラーリの方が切れがあるか。ヴァキトフは右フックから左ミドルをコーナーにカバラーリを詰めて放っていく。右ボディフックから、連続して左右のボディで攻め立てる挑戦者に対し、カバラーリがコーナーに詰まって前蹴りで突き放すという終盤になった。
3R、開始直後にから左右のフックから左ボディフックを決めたヴァキトフ。カバラーリはヒジを腹につけ、前腕でボディを守るようになり近距離ではパンチが出ない。ヴァキトフは離れて左前蹴り、近づいて右フックという優勢に試合を進める。離れるとガードを下げたチャンピオンに左を打ち込んだヴァキトフは、右アッパー、ヒザ蹴りから左ストレートをヒット。王者はローで体がよれ、体の軸が乱れるようになる。それでも終盤に左右のショートフックを打ち込むなど反撃に出たカバラーリだったが、2Rに続きこの回も挑戦者のモノとなった。
4R、ガードが下がり気味になった王者は、ジャブがなくなりローと粗い左右のフックで攻めるようになる。対してヴァキトフは、サウスポーとオーソを織り交ぜてリードジャブ、離れて後ろ回し蹴りと多彩な攻撃を見せる。大外回りのカラバーリのフックに対し、内側から鋭いフック、ボディへのヒザをヴァキトフが繰り出す。動きが止まり、大きく口を開けて戦うチャンピオンはいよいよ後がなくなった。
最終回、左に回りながら左ジャブを突き刺し、カラバーリのローをカットするヴァキトフは、後ろ回し蹴りをボディに決める。83パーセントのKO率を誇るチャンピオンのパンチはグッと数が減り、ヴァキトフは後ろ回し蹴りを見せて、左フックを打ち抜くなど余裕の試合展開に。右をアウトから入れた挑戦者、大きく息をついたチャンピオンは相当スタミナが厳しそうだ。残り30秒を切って右ボディフックを入れ、後ろ回し蹴りからスピニングバックフィストを見せたヴァキトフは試合終了とともに勝利を確信した。
結果、3-0で新チャンピオンとなると同時にリベンジに成功したヴァキトフは「とてもハッピー。長い間待って、しっかりと準備してベルトを巻けたよ」と語った。