【WSOF04】ディアンデの前進にローを合わせ続け、スポーン完勝
<ライトヘビー級/5分3R>
タイロン・スポーン(オランダ)
Def.3-0:30-27,30-27,29-28
エンジェル・ディアンダ(米国)
ラシャド・エヴァンスをセコンドに従えたスポーン、頭を振って左フックから右ローを繰り出す。左を返すディアンダに、左ハイを見せたスポーンは、バランスを崩すもすぐに立ち上がる。ディアンダは右を伸ばすなど、打撃で勝負する。左ミドルを受けても動じないスポーンが、首相撲からヒザを突き上げる。距離をとったディアンダは、左ローに右を合せようとする。強烈な左右のローを受けたディアンダだが、前に出て右ストレートを放つ。そこに左ボディを合わせたスポーンは、左を伸ばすが逆に左を被弾しそうになる。
残り2分、スポーンの右ローを受けたディアンダは、前に出るもパンチは空を切る。スポーンは左ジャブを伸ばし、ここでも右ローを蹴り込む。さらに左のインサイドローで前足を削るスポーンは、続けて右のアウトサイドローにつなげる。右から左を打ち込み、前に出るディアンデは、首相撲から右ストレートを受けそうになる。ついに右ローで体が捩じれるようになったディアンデだが、ワンツーから左ミドルを見せて初回を戦い終えた。
2R、左ストレートから右にローを合わされ、姿勢を崩したディアンデ。続く右ローを受け、パンチからヒザを受ける。それでも果敢に前に出るディアンダは左右のパンチを振るうのを止めない。ここで初めて組みついたディアンダだが、スポーンが余裕を持ってかわす。パンチは出るが、踏み込みはない。それがローを受け続けたディアンダの現状だ。さらに右アウトローを続けるスポーンは、2度目のテイクダウン狙いも防ぐ。近距離で果敢に打ち合うディアンデ、スポーンはダッチ・キックボクシングのようにディフェンスに専念して、攻撃を持ちこたえると一気に反撃へ。
ディアンデはオランダキックの習わしはなく、受け一辺倒になることはない。それでもパンチを放つたびにローを受けるディアンデは、シングルで組みついてドライブ。足を持ったままパンチをいれると、離れるスポーンを追いかけてパンチを伸ばす。直後にディアンダがマウスピースを落したため、試合は中断。再開後、最後の10秒も打撃戦が続き、スポーンも決定打を放てないまま、試合は最終ラウンドへ。
パンチを打つところにローを合わされ、姿勢を乱すディアンダ。それもで、打ち合いに怖気づくことなく、果敢にパンチを出していく。ラッシュを掛けることがないスポーンは、安全策というだけでなく疲れの影響もあるような試合運びだ。それでもディアンダが勇敢に反撃を狙うたびに、左足にローを蹴り込んでいく。スポーンは左ジャブを伸ばすも、パンチは決して多くない。ディアンデのパンチにローを合わせることに専念したかのようなスポーンは、無理に倒そうとはせず、淡々と試合を続ける。
時折りサウスポーにスイッチするスポーンは、残り1分となるとハイキックを繰り出す。ローから距離を詰めて、左ボディフックを見せたスポーン。そのまま危ないシーンはないまま、3Rを戦い切り、当然のように判定勝ちを手にした。ジャッジの1人が29-28を付けたのも不思議なほどの完勝劇だったが、この試合からはMMAを戦う必然性や掛ける想いも伝わってこない。何とも感情移入しずらいメインイベントの勝者だ。