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【UFN84】ディフェンス技術を披露し過ぎた? アンデウソンがビスピンに0-3の判定負け喫する

<ミドル級/5分3R>
マイケル・ビスピン(英国/6位)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
アンデウソン・シウバ(ブラジル/7位)

ブーイングで迎えられたアンデウソン。当然、ビスピンには大きな声援が集まる。十字を切り、両手を高く掲げて試合に臨んだアンデウソンに対し、ビスピンがいきなり右ハイを見せる。スウェイでかわしたアンデウソンはローも距離を取り、左へ回る。ビスピンの左が掠め、アンデウソンは笑顔を見せる。右ストレートから左ローを入れたビスピン、アンデウソンはローを返す。さらに右サイドキックを見せたアンデウソンは右ハイをかわし、右フック。

続く左は空振りとなったが、ここからアンデウソンが前に出る。左ミドルを入れたアンデウソンはビスピンの前進に一旦下がる。ビスピンの右が入るが、コンビネーションはない。ケージを背にしてヘッドムーブでハイをかわしたアンデウソンは左を打ち込むも逆にビスピンの左を受けるシーンも見られた。

2R、ケージを背にして、木人を相手にするような手の動きを見せるアンデウソン。さらに背中をケージに着けて直立不動になると、ビスピンも間合いを外して気を付けのような形で待つ。笑顔を見せて拳を挙げたアンデウソンは右クロスを入れる。飛び込んで右を打ち込んだアンデウソン、左足を振れるような仕種から右ストレートを伸ばす。ビスピンの右ローに左をアンデウソンが合わせる。

ディフェンスの動きで魅せるアンデウソンだが、左フックから右、続く左フックを被弾しダウンを喫する。蹴り上げにガードの中からパンチを落とすビスピンが、このラウンドを取った。

3R、オーソに構えたアンデウソン、すぐにサウスポーに戻り明らかに真剣みが増したスタイルに。左ローを入れるが、それでも防御中心のスタイルに変わりはない。ビスピンもステップを踏み、手数が少ないなか要所でハイを狙うような形だ。ビスピンの左ジャブが入ると、アンデウソンも前に出て左ミドル、パンチから左ヒザ。さらに右ストレートを入れる。マウスポーを吐き出したビスピン。間合いが空くと、マウスピースをレフェリーに要求。目を外したところで飛びヒザを受けてダウンする。直後にラウンドが終了すると、アンデウソンはヒザをついて両手を広げ、さらにケージに飛び乗ってKO勝ちと勘違いする。

インスペクターにコーナーに戻されたアンデウソン、集中力はキープできているのだろうか。そしてビスピンのダメージは?

4R、積極的に前に出るビスピン、パンチの交換のなかでアンデウソンのローが急所に入り試合が中断する。再開後、ケージを背負ったアンデウソンにパンチを連打するビスピンだが、クリーンヒットはない。またもケージ前で立つアンデウソンだが、ボディと顔面を打ち分けられるとノーガード戦法を続けることはできない。前に出て右ミドルを蹴ったアンデウソン。それでもケージに下がって、木人ガードを見せるアンデウソン。左ストレートを見せると、アイポークをアピールして試合が中断する。ドクターチェックを要求したアンデウソン、これも駆け引きか。残り90秒で試合は再開、ビスピンが前に出るケージの前でアンデウソンが捌くという展開に。ヒザ蹴りにパンチを合わされそうになったアンデウソンだが、左を打ち込むとビスピンの動きが止まった。

最終回、左ジャブから左ハイを入れたアンデウソン。流血のビスピンが前に出るがローしか当たらない。逆にまたも左ハイを受けそうになったビスピンに、ドクターチェックが入る。再開後、積極的に前に出たビスピンが右フックも、左前蹴りでバランスを崩す。アンデウソンは左ハイから左ヒザ、ボディにもヒザを入れ前蹴りが真っ赤に染まったビスピンの顔面を襲う。

間合いを外したアンデウソンは、足を使ってビスピンを誘う。ビスピンは打撃でなく、テイクダウンを狙ったがアンデウソンはケージを背にして倒れない。残り45秒、アンデウソンは再びケージ前へ。と思えば前に出るなど、ビスピンを翻弄する。最後は足を使い、タイムアップともに勝利を確信したアンデウソンだった。

しかし、結果はジャッジ3者とも48-47でビスピンに。大喜びのビスピンに対し、アンデウソンは苦笑い。「皆がパワーをくれた。サンチュ―・ソーマッチ。何て言えば良いんだ……。アンデウソンのような偉大なファイターに、自分はインスパイアされた。サンキュー、アンデウソン。皆、ありがとう」と語り、アンデウソンの前にヒザまずくと、両者が正座をして頭を下げ合った。

その一方で、アンデウソンは「みな、試合を見に来てくれてありがとう。ロンドンに戻ってこられて嬉しかった。チームに感謝している。ブラジル、試合を見ただろう? 僕は勝っていた。やるべきことをやったんだ」と話した。2R以外は、何をやられたというわけではない。アンデウソンの敗北は、ディフェンスを見せ過ぎたということなのだろうか……。

ダナ・ホワイトも中継の最後にコメントを出し、「クレイジーなことが多く起こり過ぎた。それでも最終回を取ったアンデウソンが勝ったと思った」と語った。

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