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【UFC194】沖縄剛柔流のグンナー・ネルソン、その勝負の場はデミアン・マイアの庭

Maia vs Nelson【写真】意外に感じられるが、ネルソンの勝負の場所は寝技。そして、マイアにとって自分の庭となる(C)MMAPLANET

12日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで開催されるUFC194「Aldo vs McGregor」。2つの世界戦にホナウド・ジャカレ×ヨエル・ロメロのミドル級戦、ジェレミー・スティーブンス×マックス・ホロウェイのフェザー級戦とFight Night大会だとメインイベント級のカードがズラリと並ぶ今大会で、ウェルター級でも非常に興味深い対戦カードが組まれている。

デミアン・マイア×グンナー・ネルソン、ランク6位の柔術セレブに対してランク12位のネルソンは沖縄剛柔流空手&グレイシー柔術の使い手だ。マイアは既にUFC在籍8年を超えミドル級では王座挑戦も経験、ウェルター級に転向しオクタゴンで通算15勝(6敗)を挙げている。

2013年10月にジェイク・シールズとの接戦を落とし、14年2月にローリー・マクドナルドの打撃に疲労困憊──2連敗というキャリアの危機を迎えたが、その後は3連勝し、再びタイトル挑戦も視野に入ってきた。特に前回のニール・マグニー戦では7連勝中の相手を柔術で何もさせずに完勝し、マイア強しを印象付けている。

マイアが敗れる時の悪い流れは初回にテイクダウンし良いポジションを取ると、そこに固執する余り体力を急激に消耗するというもの。マグニー戦でも初回から柔術で圧倒する姿に弱冠の不安を感じさせてはいたが、そのまま付け入る隙を与えずRNCでタップを奪った。

一方のネルソンは2012年9月のオクタゴン初参戦から4連勝後、リック・ストーリーにスプリット判定で敗れたものの今年の7月にはブランドン・ザッチを1Rで仕留め、今回のマイア戦に挑む。伝統派空手というよりも、スポーツ・ポイント空手的な動きのなかで、思い切りパンチを振るってテイクダウン。ここからベーシックなグレイシー柔術のマウント&バックマウント奪取から絞め、もしくは腕十字というパターンと、スクランブルからのギロチンを得意としている。

その独特の間合いから思い切り放たれるパンチは、荒く当たれば即ダメージを与え、当たらなければテイクダウンに移行するのがネルソンの空手スタイルだ。実はネルソンが相手を仕留めるのはその特徴的な打撃でなく、寝技。ストーリーにはテイクダウンを切られ、一敗地に塗れた。ということは、マイアにとってネルソンとの戦いは間合いや手技、足技に神経を使いすぎず、踏み込みとともに伸びてくるフックを被弾しないよう──この一点に集中しておけば良いことを意味する。そうなればネルソンは自然と、向こうから自分の庭で戦ってくれる都合の良いファイターとなる。

空手&グレイシーという流れで勝ち星を挙げ来たネルソンにとって、その仕留める場所でとてつもない力を発揮するマイアは天敵といえる存在。ネルソンが勝機を探るには、踏み込みとテイクダウンを狙い続け、マイアが背中をつけてもすぐに立ち上がること。当然、マイアもこの辺りの柔術的スクランブルに長けているが、寝技にはめ込まれる前に、この動作を繰り返すことで、疲弊させたい。そうすれば、オクタゴンで初めて一撃KOも可能になる。

いずれにせよ、ネルソンがこれまでのように戦おうとすれば、自ずとマイア有利の試合になるだろう。

■UFC194 対戦カード

<UFC世界フェザー級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] ジョゼ・アルド(ブラジル)
[暫定王者] コナー・マクレガー(アイルランド)

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] クリス・ワイドマン(米国)
[挑戦者] ルーク・ロックホールド(米国/1位)

<ミドル級/5分3R>
ジャカレ・ソウザ(ブラジル/2位)
ヨエル・ロメロ(キューバ/3位)

<ウェルター級/5分3R>
デミアン・マイア(ブラジル/6位)
グンナー・ネルソン(アイスランド/12位)

<フェザー級/5分3R>
マックス・ホロウェイ(米国/5位)
ジェレミー・スティーブンス(米国/8位)

<バンタム級/5分3R>
ユライア・フェイバー(米国/4位)
フランキー・サエンツ(米国/13位)

<女子ストロー級/5分3R>
ティーシャ・トーレス(米国/5位)
ジョスリン・ライバーガー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴァルリー・アウベス(ブラジル)
コルビー・コビントン(米国)

<ライト級/5分3R>
レオ・サントス(ブラジル)
ケビン・リー(米国)

<ライト級/5分3R>
ジョー・プロクター(米国)
マゴメド・ムスタファエフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ジョン・マクデッシ(カナダ)
ヤンシー・メデイロス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
コート・マクギー(米国)
マーシオ・アレシャンドリ・ジュニオール(ブラジル)

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