【No-Gi Worlds2015】優勝逃すも──マルセリーニョ門下生の台頭目立つ
【写真】ランギに決勝で敗れたケラ。マルセリーニョ門下生の台頭は=米国人の台頭になりつつある(C)IBJJF
7、8日(土、日・現地時間)、カリフォルニア州ロングビーチ州立大学内のピラミッドにて、IBJJF主催の世界ノーギ柔術選手権が行われた。ADCCと並んでノーギ・グラップリングの最高峰の舞台といえるこの大会、今年も注目すべき強豪が多数エントリーして、激戦を繰り広げた。アダルト男子黒帯各階級決勝戦の模様、第2弾は中・中重量級3階級を紹介したい。
<ライト級決勝/10分1R>
マイケル・ランギ(アリアンシ)
Def. by 0-0 アドバンテージ2-0
マンシャー・ケラ(アリアンシ)
柔術世界王者のランギは、準々決勝でゲイリー・トノンと注目の対戦。互角の攻防が続いたが、後半ランギが下から両足をトノンの膝から下に50/50のように搦め、トノンの足を伸ばした状態で固定。このポジションを駆使して上になり、難敵を4-2で下した。準決勝でチアゴ・アブエウを下したランギを決勝で待ち構えていたのは、神童マルセロ・ガウッシア道場が擁する驚異の新鋭の一人、マンシャー・ケラだった。ともに所属はアリアンシだが、ランギはサンパウロ、ケラはニューヨークに拠点を置く二人は決勝戦を実行した。
マルセリーニョの弟子らしくシッティングガードを取ったケラに対して、ランギは上からの攻撃を選択。サイドに動いてのパス攻撃を続け、さらにニースライドパスを仕掛けてギロチンにつなぎ、続いて横に回ってのパスで煽ってアドバンテージを先行。対するケラも師匠ゆずりのXガード等を駆使して反撃を試みるが、ランギのバランスは崩れず。さらに終盤ランギはケラに飛びついて背中に付くとボディロックでくっつくことに成功。アドバンテージを追加すると、最後は逆に引き込んでリードを守って貫禄の勝利を挙げた。
<ミドル級決勝/10分1R>
DJ・ジャクソン(ロイド・アーヴィン)
Def. by 3-0
ジョン・サタヴァ(アリアンシ)
12年の覇者ジャクソンは、準決勝で柔術世界王者オターヴィオ・ソウザとの立ち技合戦をレフェリー判定2-1という超僅差で勝利。マルセロ・ガウッシア門下の新鋭、サタヴァとの決勝に駒を進めた。
決勝はレスリング力を誇るジャクソンに対し、サタヴァはマルセリーニョ譲りのシッティングで対抗。低くプレッシャーをかけ続けるジャクソンは、やがてサタヴァの上半身を低く潰してサイドに回ってパスに成功する。3点を先制した。その後ガードに戻すことには成功したがサタヴァだが、ジャクソンは低く胸を合わせてサタヴァに反撃を許さず。レスリングベースを活かしたトップゲームでノーギ・ワールズ2度目の優勝を飾った。
<ミディアムヘビー級決勝/10分1R>
ルーカス・バルボーザ(アトス)
Def. by 2-0
チアゴ・サ(チェッキマット)
昨年のヨーロピアン王者のサ。バルボーザが豪快なダブルレッグで先制。その後はサの下からの攻撃に対して積極的にパスを狙い続け、2点を守り切って優勝した。
<ヘビー級決勝/10分1R>
フィリッピ・ペナ・プレギーサ(グレイシー・バッハ)
Def. by 2-0
ジャクソン・ソウザ(チェッキマット)
開始早々引き込んだペナは、得意のハーフガードやインバーテッド・ガードからの揺さぶりを狙う。対するジャクソンは、ペナの足を抑えて低くプレッシャーをかけて左右に跳んでのパス狙いを繰り出す。さすがにガード巧者のペナを完全に抑えることこそできないものの、横に付きかけてアドバンテージ2回を獲得した。
しかし中盤、ペナはソウザの右足を引き出すことに成功。そのまま足狙いから上を取って2点先制。ソウザも50/50を下から揺さぶるが、ペナはリーチの長さを利用してマットに手をポストしてバランスを保ち、やがて足を抜いて50/50の解除に成功する。その後もスイープを許さなかったペナが、終盤残り1分ほどのところで場外ブレイクで試合がスタンドに戻るとすかさず引き込む。懸命にパスを狙うソウザだが、ペナの足は超えられず。スイープの強さと上からのバランスを見せつけたペナが見事に優勝を果たした。
■リザルト
【ライト級】
1位 マイケル・ランギ(ブラジル)
2位 マンシャー・ケラ(米国)
3位 チアゴ・アブエウ(ブラジル)
3位 チアゴ・ガイア(ブラジル)
【ミドル級】
1位 DJ・ジャクソン(米国)
2位 ジョン・サタヴァ(米国)
3位 オターヴィオ・ソウサ(ブラジル)
3位 マルセロ・マフラ(ブラジル)
【ミッドヘビー級】
1位 ルーカス・バルボーザ(ブラジル)
2位 チアゴ・サ(ブラジル)
3位 マテウス・ジニズ(ブラジル)
3位 シャーウス・サントス(ブラジル)
【ヘビー級】
1位 フィリッピ・ペナ・プレギーサ(ブラジル)
2位 ジャクソン・ソウザ(ブラジル)
3位 フィリッピ・ブエノ(ブラジル)
3位 アルナルド・マイダナ(ブラジル)