【Glory25】シッティチャイ快勝と思いや……、ロスマーレンの防衛成功にブーイング
<GLORY世界ライト級選手権試合/3分5R>
ロビン・ファン・ロスマーレン(オランダ)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/1位)
右ジャブから右前蹴り、左ハイを繰り出すシッティチャイ。ロスマーレンはガードを固めてローから右を振るうも空振りに。シッティチャイは左ミドル、ジャンピング左ハイガードの受けから蹴り込む。ショートのワンツー、左ロングフックを狙うロスマーレンだが、左ハイを警戒してか、常に両手で顔面を守っている。
ロスマーレンはワンツーで前に出てミドル。続くローの蹴り合いからシッティチャイが左ハイ、ブロックしたロスマーレンが間に出ようとすると前蹴りで止められる。そこに左ミドルを狙うシッティチャイは左ヒザを見せる。様子見のラウンドはシッティチャイのペースで進んだ。
2R、勢いが増した両者。ロスマーレンがワンツー、シッティチャイが左ハイと左ヒザをボディに入れて、グローブを吹き飛ばすような左ハイを放っていく。蹴り主体を思えば右ジャブから左ストレートを繰り出したシッティチャイは、前蹴りと左の蹴りで距離を取る。ミドルをブロックして飛び込んだロスマーレンは左ロー。さらに左フックから右ストレートをヒットさせたロスマーレンに対し、シッティチャイがクリンチと老獪さを見せる。それでもロスマーレンは左ボディ、ならばとシッティチャイが左ミドルを蹴っていく。
ロスマーレンは右ミドル、シッティチャイは左アッパー。左ミドルを受けたロスマーレンが左フックを返したところで2Rが終了した。
3R、左ストレート&左ヒザを決めたシッティチャイ。ロスマーレンはショートのワンツーから前へ。シッティチャイの左ヒザにも左右のフックを返していく。シッティチャイは引き続き左ミドル&左ストレート、そして左ヒザを放っていく。と、シッティチャイが右ハイを見せて、飛びヒザを狙う。シッティチャイの左からの蹴りに負けじと前に出るロスマーレン。そこにヒザを合わせようとするシッティチャイを王者はなかなか攻略できない。攻撃のリズムを握っているのはシッティチャイだが、ロスマーレンも意地のボディフックを連打で決めた。
4R、シッティチャイが左ハイから左ヒザ、ロスマーレンは左ローから左フックを繰り出す。ワンツー&左ハイのコンビネーションを見せたシッティチャイは、やや距離を取り気味のファイトに変ったか。と、シッティチャイがワンツーをアゴに入れる。ロスマーレンはボディにヒザやミドルを受け、パンチが大振りになってきた。ここでチョコチョコと左ローを繰り出すシッティチャイは飛びヒザ。ヒザとパンチを入れて、前蹴りで王者を突き放すシッティチャイにロスマーレンのパンチは届かない。ようやく右ボディ&右フックを打ち込んだロスマーレンだったが、劣性が続き厳しくなってきた。
最終回、ロスマーレンの右にヒザ蹴りからクリンチのシッティチャイが、離れると左ヒザをアゴ先に突き上げる。右ジャブから左ストレートのシッティチャイに対し、ロスマーレンは右フック、ミドルを受けても右ストレートを打ち込む。ロスマーレンのワンツーを下がって避けたシッティチャイがヒザ蹴りから左ストレートに繋げる。残り1分、シッティチャイが左ミドル、左ローから左ストレート。ロスマーレンも飛び込んで右アッパーを繰り出す。左ミドル主体でパンチも織り交ぜたシッティチャイが、ペースを守り続け5Rを戦い切った。
決定的なシーンはなかったものの、自らのリズムに戦い続けたシッティチャイと、乱打戦に持ち込めなかったロスマーレン。しかし、ジャッジは3者とも48-47でロスマーレンを支持。唖然とするシッティチャイ、観客はブーイング。ロスマーレンは「蹴りをブロックしたし、僕が勝った」話すと、さらにブーイングは大きくなった。「2年前にジョルジオに判定で負けた。また戦いたい」と王者は語ったが、そこでもミラノのファンはブーイングを返した。
GLORYはムエタイではない。蹴りをブロックしても構わない。しかし、ロスマーレンのパンチもどれだけシッティチャイの顔面を捉えたのか。シッティチャイのパンチのヒット数が10、ヒザが8という何とも怪しげなステータスがそのベースとなっているのであれば──いずれにせよ、気の毒過ぎるシッティチャイの敗北だ。