【Bellator145】パワー&ウェルラウンダー=ブルックスに対し、足関キング=ヘルドが挑む
【写真】ヘルドがMMAに新・足関時代を興すことができるか(C)GONGKAKUTOGI
6日(金・現地時間)、Bellator 145「Vengeance」がミズーリ州セントルイスのスコットレード・センターで開かれる。メインで世界フェザー級選手権試合、王者パトリシオ・フレイレ×挑戦者ダニエル・ストラウスの3度目の対戦が組まれた同大会で、もう1階級でメインに負けぬほど興味深い世界戦が行われる。
それがBellator世界ライト級選手権試合=王者ウィル・ブルックス×挑戦者マーチン・ヘルドだ。あのマイケル・チャンドラーを2度に渡り破り、暫定王者から正規王者となったブルックにとって、これが2度目の同王座防衛戦となる。一言で評すればパワフルなオールラウンダーのブルックス。回転系も含め、蹴りもパンチも使いこなす一方で、豪快なバックスープレックスが一時は彼の代名詞となっていた。
このところ、以前のように魅せるという部分よりも、確実に勝つ姿勢を打ち出しているが、それはそれで打撃でもテイクダウンでも、勝負どころをモノにする強さを見せつけてきた。一方、ポーランドの足関王ヘルドは、このところ6連勝と好調をキープしており、その代名詞といえるヒールフックだけでなく、打撃の圧力を高め、さらには三角絞めなど正統派柔術テクニックの精度も上がっている。
とはいっても打撃では王者に分があることは否めない世界戦で、ヘルドにとって最大の武器となるのはやはり足関節であることは間違いない。今年の1月にPolarisではその足関節でゲイリー・トノンに遅れを取ったが、4月には強豪タイガー・サルナフスキーをヒザ十字で切って落としている。
グラップリングの世界ではトノンや、エディ・カミングスが足関革命を巻き起こしているが、もともとヒールを得意としていたヘルドが影響を受けていないことはまずあるまい。MMAは打撃の圧力で勝てないケースでのヒールとは、スライディングして滑り込ませて仕掛けるのが常套手段だった。それがカミングなどはタイミングという感覚的、あるいは偶発性のある仕掛けでなくメカニズムを解き明かし、Xガードやグラウンドカニばさみと呼ぶべき、足の入れ方を見せている。
もちろん、どちらもガードからの仕掛けとなり、パウンドを受ける可能性があるが、腕に比べて不器用な脚はその分、パワーがあり長い。柔術的な足の効かせ方を応用し、パンチの届かない場所から今や、カミングス的なヒールを掛けることは可能が。何よりヒールから逃げるには、寝技ではロールすること。ここは上を取るチャンスに早変わりする。一方、スタンドなら相手は体を捻って逃げるだろう。となれば、即立ち上がってバックを制することができる。依然として、リスキーなイメージが付きまとうヒールだが、ここを分岐点としてMMAでは十分に技の選択肢が広がる。
そんな戦い方をヘルドがやってのければ──MMAにも足関節・新時代の幕が上がることになる。
■ Bellator145対戦カード
<Bellator世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] パトリシオ・フレイレ(ブラジル)
[挑戦者] ダニエル・ストラウス(米国)
<Bellator世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] ウィル・ブルックス(米国)
[挑戦者] マーチン・ヘルド(ポーランド)
<ヘビー級/5分3R>
ボビー・ラシュリー(米国)
ジェイムス・トンプソン (英国)
<ライト級/5分3R>
マイケル・チャンドラー(米国)
デヴィッド・リッケルズ(米国)
<フェザー級/5分3R>
エマニュエル・サンチェス(米国)
ジャスティン・ローレンス(米国)
<ライト級/5分3R>
ヴィンス・イージール(米国)
クリス・ヒースリー(米国)
<バンタム級/5分3R>
スコット・エトリング(米国)
ギャレット・ミューラー(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ギャレット・グロス(米国)
ルーク・ネルソン(米国)
<ヘビー級/5分3R>
アレックス・ハドルストン(米国)
アウグスト・サカイ(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
アダム・セラ(米国)
チェル・アーウィンデイビス(米国)
<ライト級/5分3R>
スティーブン・マン(米国)
ヒュー・プレイ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ケビン・エンゲル(米国)
カイル・カーツ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ケイン・ロイヤー(米国)
クレイ・ミッチェル(米国)
<ミドル級/5分3R>
アダム・メレディス(米国)
ジョーダン・ダウディー(米国)
<ライト級/5分3R>
ブランドン・レーヴェ(米国)
ラシャード・ラブレース(米国)