【OFC08】バンタム級GP決勝へ。上田「強くなってきたと思います」
【写真】ベラトールでの敗北から1年、MMAファイターとして成長した姿を見せつけた上田将勝(C)MMAPLANET
5日(金・現地時間)にシンガポール・インドアスタジムで行われたOFC08「Kings & Champions」で、ジェンス・パルバーからアナコンダチョークで快勝した上田将勝。
レジェンドに引導を渡し、OFCバンタム級GP決勝進出を決めた上田の試合直後の声をお届けしたい。
――ジェンス・パルバー戦の勝利をおめでとうございます。足を引きずっているようにも見えましたが。
「ハイ。1Rにローを蹴った時に、パルバー選手のヒザを蹴ってしまって。カットしてこないと思って出したんですが、しっかりとカットしてきました。チェックした映像だとカットしていなかったのですが(笑)。2Rが始まるときに、痛みが感じられました」
――いずれにせよ、パルバーの左を封じ込め、テイクダウンからパウンドを効かせて最後はダースチョークで勝利、完璧な試合に見えました。しっかりとパルバーの攻撃を見ている分、神経的に疲れないかと心配してしまったほどです。
「スタミナのことは計算しながら戦っていましたから、大丈夫です。パルバー選手の左のパンチも警戒して、しっかりと見て戦うことができました」
――煽り映像では『打撃はできないけど、レスリングで勝負』という台詞を言っていましたが、打ち合いではないですが、しっかりと打撃も使っていました。
「アレはあんな風に言えってカンペがあって……(苦笑)。僕がインタビューで、あまりに言葉が少なかったみたいで。カンペを読んでいただけなんです(笑)。テイクダウンに関しては、いきなりタックルに入っても取ることが難しいので、打撃で崩して入っていくことを意識して戦っていました」
【写真】上田はサウスポー相手にも左ミドルや左ハイを躊躇せず放っていく(C)MMAPLANET
――では、考えていた通りの試合ができたということですね。
「そうですね。ローをキャッチされ倒されたんですけど、アレはミスでした。でも、すぐに立ち上がって立て直すことができて良かったです。試合中はまず左を貰わないことが一番で、チャンスがあればパンチを当ててテイクダウンで塩漬けにしようと思っていました。とにかく左が怖かったです。どこから飛んでくるのか分からないので、ずっと警戒して戦いました」
――決して、テイクダウン後も塩漬けにはなっていなかったと思います(笑)。レスリングではジェンスにも負けないという自信があったのでしょうか。
「負けないというよりも、負けたくないと思っていました。寝技に入ったときに、いつも通りの動きができたので大丈夫だという気持ちになれました」
――1R終盤に得意の腕を取ってからリバーサルで、しっかりと上を取り切ることができなかったですが、あそこの場面はパルバーに力があったということですか。
「ワセリンで凄く腕が滑っていたので、すっぽ抜けることが嫌で強引には仕掛けなかったです。下になっていても、怖くはなかったので。2Rに入って、パルバー選手が鼻血を流し、表情も疲れていたので、あそこが攻め時だと思っていると、スピニングが上手く入りました。
でも、一度滑ってから組み直して、全力を入れたんです。一度、パルバーがタップしかけて、レフェリーはストップしなかったので、絞め続けました」
――上田選手の1試合前にフィリピンのケビン・ベリンゴンが圧倒的な打撃の強さで決勝進出を決めています。
「試合を見ていたのですが、凄い打撃ですね。今のパルバー選手よりもベリンゴン選手の方が強いと思いますが、僕がやるべきことはハッキリとしているので、これから何を練習していくかは分かっているので、ただ練習に励むだけです。
トーナメント戦だし、強い選手が残ってくるので。ああいう風に打撃で攻めてくれば、テイクダウンして抑え込みたいと思います」
――今日も打撃から組みの間にていうダウン狙いのファイントを掛けると、パルバーがものの見事に反応していました。
「あれは(中村)アイアン(浩士)さんの真似をしたんです。アイアンさんと質の高い練習をしてきた成果が出ていると思います」
――ベラトールに出場した1年前との違いが感じられますか。
「色々な技術を考えてやるようにしています。以前は、何も考えないで戦ってきていたので、その分強くなってきたと思えます」
――トーナメント決勝の日程は決まっているのですか。
「まだのようですが……、シー・ユー・イン・マニラと言われました……。試合期間が長く空いてしまうようでしたら、5月31日でも良いので戦いたいです。決まれば、僕はやります」